鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

コンサルタントの役割

今回は、コンサルタントの役割について

書きたいと思います。


私は、コンサルタントは顧問先の会社の

事業が長く継続するようにする能力を

身に付けてもらうことをお手伝いする

ことがコンサルタントの役割だと考えて

います。


例え方が不適切なことをお許しいただき

たいのですが、よくいわれる「魚を与える

のではんく、魚の釣り方を教える」という

イメージです。


ところが、私に相談する経営者の方の中

には、「自分たちはここが苦手なので、

代わりにこれをやって欲しい」という

タイプの依頼が多いと感じています。


毎日たくさんの課題に直面している

経営者の方としては、やらなければなら

ないことを減らすことが最大の関心事

なのでしょう。


そのことは理解できるのですが、いつ

までも外部の人の力を頼ることは、会社

単独では課題を解決できないままでいる

ということであり、あまり好ましいこと

ではありません。


これに対して、経営者の方からは、

コンサルタントに仕事を依頼している

のだから、仕事を受ける側としても

ありがたいのではないか」という疑問を

感じるでしょう。


コンサルタントが仕事をもらえるという

観点ではありがたいのですが、顧問先の

仕事の一部を請け負うことは、代行業

であり、コンサルティングではありま

せん。


会社を野球チームに例えれば、ピンチの

ときに、チームに野球を教える立場の

コーチがバッターボックスに立つような

ものであり、それではコーチ(コンサル

タント)の役割を果たせないことに

なります。


それでは、コンサルタントとして顧問先に

教える「事業が長く継続するようにする

能力」とはどういうことかというと、これ

にはさまざまなものがあります。


よくある例としては、顧客を獲得する

能力や、接客する能力などです。


ただ、これは、戦術レベルの能力であり、

もう少し中核的な課題としては、事業の

管理能力、戦略立案能力、習熟度の向上

というものだと思います。


よく、会社はライバルとどのように競争

するかというとき、営業力などが決め手

となると考えている方が多いと思い

ますが、私はそれは短期間の競争にしか

あてはまらないと思います。


長期的には、経営者の能力によると私は

考えています。


例えば、同じコンビニエンスストアという

カテゴリーにありながら、複数の会社の

間で売上の差がついているという状況は、

営業力だけでは説明できません。


どういった便益を提供するか、それを実践

するためにどういったサプライチェーン

構成するか、そういった事業の流れを

支えるための人材をどうやって育成するか

という上位戦略の差が売上の差になって

いると思います。


もちろん、日々の課題を処理することも

大切ですが、高い地位にいる経営者は

長期的な課題に対処することが主な役割

となるでしょう。


そして、「経営」コンサルタントは、この

ような経営者の根源的な活動のお手伝いを

することが主要な役割だと思っています。


今回の結論は、経営者の役割は何か、

そして、コンサルタントの役割は何かと

いうことを理解した上で、コンサル

タントを活用することが大切だという

ことです。


そして、業績のよい会社ほど、コンサル

タントの活用法が上手であると、これまで

私がお会いしてきた経営者の方を見て

感じています。

 

 

 

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実地棚卸

今回は、実地棚卸について説明します。


ちなみに、「棚卸をする」というときの

「棚卸」はよく使われている言葉ですが、

念のために説明すると、「翌期に繰り越す

棚卸資産の額(=繰越資産原価)の金額を

求めること」です。


そして、その金額の求め方は大きく2つの

方法があり、ひとつは帳簿から計算する

帳簿棚卸です。


しかし、帳簿棚卸は、理論上は前述の繰越

資産原価を求めることはできますが、実際

には、誤って記録されていたり、実際の

棚卸資産が、紛失したり、盗難されたり、

経済的な価値がなくなっていたりする

ことがあり、必ずしも正確に求めることが

できるとは限りません。


そこで、棚卸資産の数量を実際に数えて

繰越資産原価を求める方法を実地棚卸と

いいます。


最近では、単に棚卸というと、この実地

棚卸を指すことも多いようです。


本題に戻ると、小売業や卸売業では、この

実地棚卸は比較的多くの会社が実施して

いるようです。


これは私も意外なのですが、中小企業の

製造業では、実地棚卸を行っている会社は

少ないようです。


もう少し厳密な言い回しをすると、棚卸

資産の管理自体を行っておらず、前期から

繰越された棚卸資産の額から、その期間に

仕入れた材料費を差し引き、その残りを

翌期に繰越す棚卸資産として計算(これは

商的工業簿記などと言われます)している

ようです。


これはこの記事の本論ではないので、

簡単に述べると、不正確な計算の方法

であり、きちんと棚卸資産を測定する

ことが望まれます。


話しを戻すと、実地棚卸から得られる

情報は、経営者にとっても重要な情報

なので、きちんと実施すべきことは、

言及するまでもありません。


ただ、実地棚卸が行われない理由の

ひとつに、事務上の負担が大きく、また、

いったん業務を停止する必要があるという

ものがあります。


これを回避する方法として、循環棚卸と

いう方法があります。


これは、実地棚卸の原則的な実施日で

ある、会計期間の末日ではなく、棚卸

資産をいくつかに分割し、数回に

分けて実地棚卸を行う方法です。


例えば、全社の棚卸資産を場所ごとに

4つに分け、それぞれ3か月ごとに実施

すれば、実地棚卸のために割く事務負担を

分散することができます。


なお、会計期間の末日以外に実地棚卸を

行った棚卸資産については、実施日以降の

資産の出入りを帳簿から把握し、それを

加減して会計期間の末日の棚卸資産の額を

求めます。


最後に、今回の結論は、実地棚卸は必ず

実施しましょうというものです。


その理由は、正確に自社の資産を把握

するという理由だけでなく、実際に棚卸

資産の保管の状況を見ることで、視覚

的に無駄な在庫がないか、もっと効率

的に管理できないかということがわかり

ます。


逆に、無駄な棚卸資産と思われている

ものが、実は利益をもたらすものである

ということを発見するきっかけを得る

ことができるかもしれません。


実地棚卸を単なる会計の手続きのひとつと

とらえず、事業の改善の活動のひとつと

とらえてみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

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すきなことを仕事にする

先日、女性客マーケティングプロデュー

サーの、日野佳恵子さんがポッドキャスト

番組で、リスナーの方から、すきなことを

仕事にするときのアドバイスを求められ、

「ビジネスでは、顧客はあなたの仕事に

対してお金を払うので、顧客がお金を払い

たいと思えるように考えて仕事に臨まな

ければならない」と回答されておられ

ました。


(ご参考→ https://goo.gl/inQz19


私も日野さんのご助言はその通りだと思い

ますが、ここでもう少し掘り下げたいと

思います。


「すきなことを仕事にする」ことに逡巡

している人には、2つの要因があると

思います。


ひとつは、すきなことをすることと、

仕事がうまくいくこととは両立しないの

ではないかと疑問を感じているということ

です。


ふたつめは、収入は得たいが、すきなこと

だけをして、嫌なことはせずにすむのかと

疑問を感じているということです。


ひとつめの疑問は、仮に、仕事がうまく

行かなかったとしても、それは、すきな

ことを仕事にしたからではないと私は

考えています。


例えば、料理を作ることが好きな人が

レストランを開いた時、繁盛する人も

いれば、繁盛しない人もいます。


その差は、料理の腕や店のマネジメント

能力の差であり、すきなことを仕事に

したかどうかということではないと私は

考えています。


ふたつめの疑問は、残念ながら、一般

的に、嫌な仕事は避けられないことが

多いと私は考えています。


そして、それは、会社勤務の従業員の

方にもあてはまりますが、経営者は

さらに嫌な仕事は多くなると思います。


ただ、有能な経営者は、人の嫌がる

ことを嫌だと感じない人たちなのだと

私は考えています。


これは少し異なりますが、スポーツの

華やかなスター選手は、実は、人一倍

練習をこなしているということは

想像に難くありません。


話しを戻して、仕事がうまく行く、

すなわち顧客から評価してもらうには、

自分が満足するだけでは足らず、お金を

払う、すなわち価値を認めてもらう

だけの努力が必要になるということは

私が述べるまでもありません。


しかし、私は、すきなことを仕事にする

ことは、避けた方がよいとは考えていま

せん。


むしろ、すきなことを仕事にうるという

動機をばねにして事業に成功する人が

たくさんいる社会はすばらしいと思って

います。

 

 

 

 

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信頼関係

私が銀行勤務時に渉外係をしていたとき、

預金や保険のノルマがなかなか達成でき

ないときは、よく親しい経営者のところへ

行って契約をお願いしていました。


そのような時は、「保険の契約をして

いただきたいと思っています」とは

伝えますが、あまり長々とはお話しは

せずに、相手の社長のお話しをずっと

聞いています。


そして、時間を見計らって、「それでは

この申込書に記入してください」と

お願いをして、契約を取るという方法を

使っていました。


(もちろん、何も説明せずに契約をして

もらう訳ではなく、必要な説明は行って

契約をしていただきました)


このような、相手の気がすむまでお話しを

聞いてから契約をお願いするという方法は

私に限らず多くの方が行っていると思い

ます。


ただし、このような方法は、初対面では

できませんので、普段からの信頼関係が

必要です。


単に、信頼されるというだけでなく、

いざという時は、この営業マンは自分の

味方になってくれるというように信頼

されることが前提です。


ところで、先日、身内に不幸があった知人

から、葬儀を依頼した葬儀会社に対する

不満をききました。


私自身も、4年前に父親を亡くし、葬儀

会社に葬儀を依頼した経験から見て、その

知人が利用した葬儀会社はちょっと思慮が

不足していると感じました。


その知人の不満とは、すべてのことに

ついて、喪主である知人に問い合わせを

してくるということでした。


サービス業としては、依頼を受けていない

ことを勝手にしてしまうというのは避けな

ければなりませんが、かといって、葬儀の

喪主という立場は、落ち着いた立場では

いられないという特別な状況もあります。


だからこそ、葬儀会社の仕事は、顧客の

機微を察して動かなければならないという

面で難しさがあると思います。


極端な例では、当初は依頼されていない

オプションサービスについても、状況を

察して提供し、事後的に顧客の了解を得る

ということも必要になるでしょう。


このような配慮は、確かに、事後的に

了解を取るということができないという

リスクもありますが、そこで「式の進行は

あなたに一任していたので、追加料金は

お支払いします」と言われるようになる

には、打ち合わせの段階で信頼を受ける

技術が必要でしょう。


前述の知人が依頼した葬儀会社は、別の

事業を行っていた会社が、最近、葬祭業に

参入したようで、顧客から不満がでない

よう、丁寧な接客を心がけていたよう

ですが、逆に、それがあだとなって

しまったようです。


似たような例として、私は、リッツ・

カールトンの初代社長の高野登さんを

思い浮かべます。


高野さんがホテルに勤務していたときは

約1,000人の顧客の顔だけでなく、

その家族の顔まで記憶していたそうです。


そして、お得意様が家族連れでホテルに

来た時は家族全員にあいさつしますが、

そのお得意様が家族以外の女性とホテルに

来たときは、あえて声をかけないという

配慮をしていたそうです。


葬儀会社の方に、高野さんのような

サービスレベルは必要はないと思い

ますが、いわゆるホスピタリティは、

一朝一夕では身に付けることができない

ということを、知人の話を通して感じ

ました。

 

 

 

 

 

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融資申し込みは2人称で

融資の相談を受けるときに、よく困る

例として、「●●のために、●●円の

融資が必要になる」という説明だけを

受けるというものがあります。


例えば、レストランを開業しようと

する人から、「店舗を借りるための

保証金として100万円、内装費と

して300万円、FC加盟料として

200万円、その他準備金として

200万円が必要」とだけ説明され

ます。


もちろん、これだけの情報では融資を

受けることはできません。


なぜなら、銀行から見て融資した

お金が返済されるかどうかがという

ことが分かる情報が含まれていない

からです。


「銀行は、お金に困っている人に

融資することが仕事」ということに

間違いはないのですが、融資するには、

融資したお金が返済される確実性が

高いということを、事前に確認できる

ことが必要です。


このことも当然と考える方が多いと思い

ますが、融資を受けたいと考えている

方の中には、いくらの融資が必要かと

いうことだけしか説明しない人がいる

時があります。


これは、「私は●●のために●●円の

融資が必要です」と、1人称で説明

すればよいとだけ考えているから

でしょう。


しかし、「私は●●円の融資を必要と

していますが、その融資を受けることに

よって私の事業は●●円の利益を獲得

できる見込みであり、あなた方は私に

安心して融資ができることになります」

と、2人称で説明しなければ、銀行は

融資を承認しないということは当然と

言えます。


これを一言で言えば、黒字の見込める

事業計画書を銀行に提出するという

ことです。


ここで、「事業計画書を作成せず、

自社の始めようとする事業が黒字に

なるかどうかわからないのに、銀行に

融資を申し込めるはずがない」と

考える方もいるでしょう。


しかし、「自分が始める事業は黒字に

なるはずだ」とは考えてはいるものの、

具体的に数値で説明できるところまで

詳細には明確にしていない状態で融資の

申し込みをしようとする方は意外と多い

ようです。


そのような方が、前もって、税理士の

方や、私のような専門家に相談をして

いれば、まだ、チャンスは残るのですが、

事業計画書も作らずに自ら直接銀行に

行き、融資申込をしたが断られ、どう

したらよいか困っているという方に

会う時もあります。


そのような方に対しては、単に「自分が

融資が必要だから」とだけ考えずに、

「融資をする銀行にとっても安心して

融資できる事業です」という説明が

必要だという、相手の立場に立った

視点を持って融資申込に臨んでいればと、

残念に思っています。

 

 

 

 

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サスティナビリティ

サスティナビリティとは持続可能性の

ことです。


そして、その持続可能性の対象は幅広く、

財務面で事業がうまく続くかどうかと

いうことだけに限りません。


労務関連の法規を遵守し、従業員に配慮

して事業が行われているかどうかという

ことや、自然環境に配慮しているか

どうかということも含まれます。


ただ、その基本は財務面が中心になると

私は考えています。


そして、「起業して10年後に残って

いる会社は30%に満たない」などと

言われているように、会社にとって

事業が持続するための要素はとても

大切だということは、多くの方が

ご理解されている通りです。


しかしながら、起業しようとしている

人の多くは、あまり深い根拠を持たずに

自社の事業は継続すると思い込んで起業

している例を多くみます。


(裏を返せば、事業が継続しないと

思っていれば、起業しない訳ですが)


また、起業を支援するコンサルタント

中には、起業するまでの手続きなどは

支援するものの、事業を持続させる

ための要素についてまでカバーして

いる人の割合は少ないと感じています。


しかし、このことは、例えば、創業した

ときに必要になる、融資の手続きの時に、

なぜその事業が持続するのかという

見極めをするときに問われるものです。


この見極めは意外と難しく、だからこそ

ほとんどの創業融資は、民間金融機関は

信用保証協会の保証を条件としていると

言えるでしょう。


話しを戻して、今回の本旨は、事業を

起こす場合は、持続可能性が最も大切

だということです。


そして、多くの方はこのことを理解して

いながら、開業をゴールにしてしまう

ことが多いと私は感じています。


このことを理解してもらうために、私は

よく、マザーハウスを起こした山口絵理子

さんを例に挙げて説明しています。


山口さんは、アジア最貧国のバングラ

シュで、同国の国民の経済力を高める

ために、首都ダッカでジュート(黄麻)を

材料にしたカバンの工場を設立し、日本で

販売しています。


ここでポイントとなるのは、持続可能性

です。


山口さんは、バングラデシュで獲れる

ジュートを単に収穫して輸出するだけ

では、安く買いたたかれて、ますます

同国は貧困になってしまう、すなわち、

持続可能性が得られない。


きちんとした利益を得るためには、

買いたたかれないために価値をつけた

製品を販売することが必要だと考えて

ジュートを材料にしたカバンを作り、

持続可能性のある事業を行うことを

思いついたそうです。


事業の目的は、付加価値を産み出すこと

であり、それは誰でも理解されること

なのですが、「あなたの会社の事業が

産み出している付加価値は何ですか?」、

すなわち、持続可能性はありますかと

いう問いをして答えられる人は意外と

少ないと私は感じています。


もう少し具体的に言えば、事業が赤字に

なっている状態は、付加価値を産み出して

いない、持続可能性が乏しいということに

なります。


もし、自社の事業が芳しくない方は、この

持続可能性をご確認されることをお薦め

したいと思います。

 

 

 

 

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売上計上基準

私は、これまで、中小企業経営者の方は、

月次決算を行いましょうと何度も薦めて

いますが、それが実行できない原因の

ひとつに、「売上」とは何かが不明確に

なっていることが挙げられると思って

います。


このように書くと、「売上は、商品を

販売することではないのか」と考える

方が多いと思いますが、実は、会計的

には、なかなかやっかいです。


会計的には、所有権が移転したときに

販売したということになります。


所有権の移転は、民法第176条では、

当事者の意思表示で効力が生じますが、

実際には、そのように行かない場合も

あります。


例えば、自動車販売店で自動車を購入する

場合、お店で代金を支払ってから、後日、

自宅に自動車を届けてもらうことになると

思います。


所有権が移転したという点に着眼すれば

販売店が代金を受け取った時点で売上を

計上するということになります。


しかし、顧客側から見れば、自動車が

自宅に届くまでは、自動車を購入したと

いう認識はしないでしょう。


そこで、販売店が自動車を顧客に届けた

時点で売上を計上するという考え方も

できると思います。


これはひとつの例であり、そして、どの

考え方が正しいという訳ではありません。


この、何をもって売上を計上すべきかと

いうことは、会計上もいくつかの基準が

あります。


ちなみに、税法上は、「棚卸資産の販売

による収益の額は、その引渡しがあった

日の属する事業年度の益金の額に算入

する」(法人税法基本通達2-1-1)と

あり、これを引渡基準といいます。


すなわち、当事者が合意しただけでは

販売したとは認識せず、商品が引き渡さ

れたときを販売したと認識するという

ことです。


そして、商品引き渡しのタイミングに

ついては、「出荷した日、相手方が

検収した日、相手方において使用収益が

できることとなった日、検針等により

販売数量を確認した日等当該棚卸資産

種類及び性質、その販売に係る契約の

内容等に応じその引渡しの日として

合理的であると認められる日のうち

法人が継続してその収益計上を行う

こととしている日」(同2-1-2)と規定

しています。


これらは、それぞれ出荷基準、検収基準、

使用収益基準、検針基準などといい、

それぞれの会社の事業に合わせて決める

ことが許されていますが、ただし、その

基準は継続して使用することが前提と

なっています。


ここまで、会計上、税務上の考え方を

述べてきましたが、本旨は会計上の

考え方を理解して欲しいということ

ではありません。


売上の基準は簡単なようで、実は、複雑

だということです。


そこで、月次決算を行うというときに

(もちろん、このことは本決算を行う時も

該当します)、何をもって売上とするのか

ということを明確にする必要があります。


しかし、自社の事業は、出荷基準、検収

基準、使用収益基準などの、どの基準を

あてはめればよいのかということを、

決めなければならないということその

ものが、月次決算を行うときの負担と

なっているのではないかと思います。


今回は、会計上の売上の認識について

述べましたが、事業を管理するため

には、いろいろな基準を設定するという

負担は避けることはできないという

ことです。


この負担は、大きな手間と考える経営者の

方もいらっしゃると思いますが、事業の

管理をすることが経営者の基本的な役割

であり、このことを避けることはできなと

私は考えています。

 

 

 

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