鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

地方のお土産屋さんの工夫

先日、仕事の関わりで、福島県会津地方を

旅行しました。


そこで、ちょっと感動したことがあったの

で、ご紹介したいと思います。


ひとつは、中身の水を凍らせたペットボト

ルをくれたお土産屋さんです。


そのお土産屋さんに立ち寄ったとき、店主

から自家製の味噌ダレを薦められたので、

それを買うことにしました。


ただ、私がそのお店を出た後、しばらくは

観光地を回ってから旅館に行くという予定

をきいた店主は、購入した味噌ダレといっ

しょに持っていくようにと、中身の水を凍

らせたペットボトルを渡してくれました。


すなわち、保冷材代わりのペットボトルを

渡してくれたのです。


そのお店では、味噌ダレを買う顧客のため

に、あらかじめ中身の水を凍らせたペット

ボトルを用意してあるようでした。


もちろん、そのペットボトルは、未開封

ミネラルウォーターを凍らせたものではな

く、再利用のペットボトルで、空のボトル

に水を入れて凍らせたものです。


ですから、ほとんどコストがかかっていま

せん。


そして、再利用品とはいえ、長時間保冷す

るには十分な大きさであり、不要になった

ら中の水を出すだけでそのペットボトルは

旅先でも捨てられるので、とてもよいアイ

ディアだと思いました。


ふたつめは、あるお饅頭屋さんの販売促進

戦術です。


そのお饅頭屋さんは、知人から薦められた

お店で、目当てのお饅頭を買いに行きまし

た。


ところが、私や私の連れがお饅頭を買って

いる間に、そのお店の売り子のひとりが、

私たちが乗ってきたバスに向かって歩いて

いき、バスの運転手の方に、名物のお饅頭

とは別の種類のお饅頭を渡していました。


そのお饅頭は、バスの乗客である私たちに

お店に来てもらったお礼として食べてもら

うようにと運転手の方に渡したようです。


もし、本当に私たちにお礼をしたいのであ

れば、お饅頭を買っているときに直接お礼

のお饅頭を渡せば済むのに、あえてバスの

運転手の方に渡したのは、運転手の方に花

を持たせたのだと思います。


すなわち、運転手の方に、そのお店はサー

ビスがいいお店だという印象を持たせ、別

の観光客を乗せて、再びこのお饅頭屋さん

の近辺に来ることがあれば、そのお店を薦

めてくれるだろうという目算があってのこ

とだと思います。


ここまで、お土産屋さんのサービスに私が

感動したということを述べてきました。


でも、これらの工夫は、私が単に観光産業

に詳しくないために初めて見ただけのこと

であって、業界では広く知られているのか

もしれません。


ただ、仮にそうだとしても、前述のような

積極的な対応を、私はこれまであまり見た

ことがありません。


だから、前述のような工夫を見ると、私の

ようなものは強く印象に残るのでしょう。


改めて述べるまでもありませんが、よいア

イディアや工夫を知識として持っていると

しても、実践しれなければ何の意味もあり

ません。


そして、私は、お土産屋さんの工夫に感動

したというよりも、そういう工夫を実践し

ているお土産屋さんの前向きな姿勢に感銘

したのだと思います。


何を実践するかということも大切ですが、

それよりも、積極的な気持ちで顧客に接す

ることの方が効果が高いということが、今

回の記事の結論です。

 

 

 

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ガバナンスは会社の信頼を高める

先日、不正融資をした地方銀行で、その問

題に関して調査を行った第三者委員会が、

調査結果を公表しました。


(ご参考→ https://goo.gl/8pVJim


本旨からはそれるのですが、調査結果につ

いて、私は不自然さを感じました。


というのは、不正融資を主導したのは元専

執行役員であり、創業家出身の前会長は

不正融資について知りえた証拠はないとし

か述べていません。


これは、客観的な証拠がないことについて

は断定することを避けたからだと思います

が、かつて銀行職員だった私としては、経

営者が執行役員の行動について知らなかっ

たということは、まず、考えられないと思

います。


それは、支店長などが不正を黙認していた

ことが報告書に記載されており、それを経

営者が知らなかったとすることは無理があ

ります。


これは私の想像ですが、元専務執行役員

前会長の意向を忖度し、支店に対して過大

な融資目標を押し付けていたことが実態で

しょう。


話を戻して、今回の記事の本旨は、ガバナ

ンスが軽んじられている結果が、今回の不

祥事につながったということです。


これは当たり前すぎることなのですが、そ

の一方で、ガバナンスを尊重しない会社は

なかなかなくなりません。


そして、日本では、ガバナンスは建前と考

えている経営者が多いと思います。


これは、早稲田大学法学部の元部長の上村

達男さんの言葉ですが、ガバナンスについ

て、「自分を取り巻くガバナンスの仕組み

が厳格であればあるほど、その人たちに信

任されているということの重みは大きい」

とお話されておられます。


すなわち、「厳しいガバナンスのもとで運

営される会社の事業は信頼性が高い」とい

うことです。


でも、これを建前と考える経営者は、自分

に慢心していると私は考えます。


前述の銀行がその例で、創業家出身の経営

者はガバナンスを軽んじたことから裸の王

さまになり、それが銀行業界に大きな波紋

を投じる結果を引き起こしました。


しかし、人間に限界があると考える経営者

は、あえて耳の痛いことを言ってくれる人

を自分のそばに置きます。


感情的にはつらいこともありますが、しか

し、人間は自らを完全に管理することがで

きないことが分かっていれば、その必要性

は高いと認識できます。


最近は、前述の銀行だけでなく、経営者が

裸の王さまになり、そのことが原因となっ

て、会社の存続を脅かすような事件が続い

て起きています。


そのような結末になることを防ぐために、

ガバナンスの大切さをすべての経営者の方

に認識して欲しいということが、今回の記

事の結論です。

 

 

 

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いざというときにわかる経営者の姿勢

東日本大震災のあと、コンビニエンススト

アが業績を伸ばしました。


それは、震災のひどかった地域の店舗は、

一時的に休業したものの、1か月以内には

多くの店舗が営業を再開したからです。


再開には、もちろん、店舗の復旧が前提で

すが、それだけでなく、物流機能がいち早

く復旧したという側面もあります。


これは、コンビニエンスストアと同じく、

物流機能が大きな役割を担っているスー

パーマーケットや外食チェーン店と比較し

て、復旧の早さが際立ちました。


このことにより、被災地で生活物資を買い

求める多くの人に支持されたほか、従来は

あまりコンビニエンスストアを利用してい

なかった高齢者も利用するようになり、売

上を伸ばして行ったようです。


災害は来ないことに越したことはありませ

んが、だからといって、災害に備える対応

を軽視すべきではありません。


だからこそ、前述のコンビニエンスストア

の災害への備えは、震災が起きた後の大き

な評価へとつながったのでしょう。


そして、このようなコンビニエンスストア

の姿勢は、先日の、北海道胆振東部地震

も見ることができました。


北海道が地盤のコンビニエンスストアは、

多くの他社の店舗が停電で営業できないに

もかかわらず、会社側が従業員の自動車か

ら電源をとることができるようにするため

の、非常電源キットを配布していたことか

ら、営業をただちに再開し、多くの利用者

に賞賛されたそうです。


今回の地震はまったく起きないとは断言で

きないまでも、いつ起きるかわからない地

震を見越して、停電への備えをしていたコ

ンビニエンスストア本部の対応は、同社を

支持する顧客を増やしました。


そして、このことはすばらしいと理解する

人はたくさんいても、実際に実践する人は

少ないと思います。


というのは、毎日、目の前の仕事に追われ

ていると、経営者の方も緊急性の高いもの

ばかりに目がうばわれがちで、重要とは分

かっていても緊急でないものはずっと後回

しにされてしまうからです。


でも、顧客の会社への評価は、重要なこと

を重視するという経営者の姿勢であるとい

うことは、前述の通りです。


多くの会社経営者の方は、顧客から自社を

評価して欲しいと考えておられると思いま

すが、そうであれば、より経営者らしい活

動に軸足を移すことをお薦めします。


前述のコンビニエンスストアのような、い

ざという時の備えをすることはなかなか難

しいかもしれませんが、かといって、目の

前の忙しさに右往左往することなく、長期

的な視点でどういう活動をすべきかという

方針を打ち出す役割に比重を置き、「重要

性が緊急性に駆逐される」ことのないよう

に心がけている経営者の経営する会社は、

必ず顧客の評価が高まっていくと私は考え

ています。

 

 

 

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融資さえ受けられれば

先日、まったく面識のない人から、融資の

申請の支援の打診がありました。


その方は、会社を設立し、1年が経ったも

のの、計画より売上が得られず、赤字に

なってしまったそうです。


そこで、当初は、融資を受けることなく事

業を行うつもりだったものの、赤字で手元

の資金がないので、融資を受けることにし

たそうです。


結論として、このご依頼は断ることになり

ました。


その理由は、ご支援の依頼をした方が、私

のご支援の方針に同意しなかったからで

す。


私は、まず、事業改善のための計画を立

て、それを銀行に説明して銀行の理解を得

ることによって、融資を受けるという手順

をとる方針を説明しました。


しかし、ご依頼者の方は、融資を受ける手

続きだけを依頼したいということでした。


文字だけで読むと、このご依頼者は手抜き

をしたがっているということが分かります

が、切羽詰まっていると、最低限のことだ

けしかしたくないと考える方が多いようで

す。


このご依頼者の方を批判することは簡単で

すが、人は、ものごとがうまくいっていな

いと、どうしても対応が後手後手になりが

ちです。


事業を始めることは、ある意味、リスクを

背負うことであり、そのことを避けては事

業を始められませんが、だからこそ、計画

との乖離が生じたときに早めの対応をした

り、それに備えた対処法を事前に用意して

おくことが望まれるということを、電話を

受けて改めて感じました。

 

 

 

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被害者でいたい欲求

私の書いているブログのアクセス数を調べ

たところ、ある特定の記事に集中してアク

セスがあることがわかりました。


その記事は、ある有名な心理セラピストの

Kさん(仮名)に私が同感するという内容

です。


すなわち、Kさんは、自ら努力して改善し

ようとする人には手を差し伸べるが、その

努力をしない人に対しては支援はするつも

りはないと考えているそうです。


そして、私も、経営コンサルタントとし

て、自ら改善のための努力しようとする経

営者には懸命にご支援したいという気持ち

になるが、他人に頼ろうとばかりする経営

者には、支援の成果にも限界があるという

内容です。


では、なぜ、この記事にたくさんのアクセ

スがあったのかというと、恐らく、Kさん

に批判的な方が多く、そのような方がKさ

んのブログを検索したときに、私のブログ

も検索結果に表れるので、私のブログも閲

覧されるようになったのだと思います。


少し話がずれますが、Kさんにセラピーを

依頼したところ、自分の価値観と違う価値

観をKさんが持っていて、期待がはずれた

ことが分かれば、そこでそれ以上Kさんと

は関わろうとしなければいいだけだと思う

のですが、批判的な人がずっとKさんの批

判を続けることは無意味だと思います。


それにもかかわらず、ずっとKさんの批判

を続けている人は、恐らく、Kさんに自分

の本心を指摘されてしまったのだと思いま

す。


ところが、それを受け入れたくないので、

Kさんを批判することによって、表面的に

自分の正当性を保とうとしているのでしょ

う。


ちなみに、Kさんが指摘した本心とは、自

分は常に他の人からひどいことをされる被

害者でいたいと思っている、ということで

す。


もし、自ら変わろうと努力をする場合、そ

れは、自分が被害者ではないという前提に

なるので、自分が被害者でいたい人は、絶

対に自分を変えようとしません。


これも蛇足ですが、Kさんによると、「自

分は被害者だ」と主張する人は、実は、周

りの人に対して、その人を被害者扱いさせ

ることを強要している加害者になっている

ということです。


だから、自分が被害者であり続けたい人

は、Kさんに対して攻撃的になるのでしょ

う。


話を戻して、今回、なぜこのようなことを

書いたのかというと、起業する人の中に

も、本当の目的は起業することでない人に

会うことがあるということをお伝えした

かったからです。


起業が本当の目的でない方の、本当の目的

はいくつかあるのですが、最も多いもの

は肩書や世間体です。


起業のご相談を受ける中で、「この人は、

なんか無理をして起業しようとしている」

と感じることがあります。


そのような方に対しては、実際にはそこま

ではきくことはしていませんが、恐らく、

「自分は経営者にならなければ一人前とし

て認められない」と考えているのではない

かと思います。


ただ、ここまでのお話も、私があえて述べ

るまでもなく、多くの方がご存知だと思い

ます。


その一方で、前述のKさんに批判的な方が

たくさんいることと同様に、満たされない

心を満たすために起業する方も少なくない

と感じています。


では、どうすればよいのかということにつ

いては割愛しますが、少なくとも、空虚さ

を満たすことを目的として起業する人は、

ほぼ、成功することはないでしょう。


これは当たり前のことなのですが、経営者

の肩書は登記手続きで得ることはできます

が、厳しさを増す経営環境を乗り切るため

に必要な強力なリーサーシップを持つどこ

ろか、自分のことで精いっぱいの人が起業

しても、さらに、事業に失敗するという傷

の上塗りになってしまいます。

 

 

 

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はしごをはずす銀行

かつて、銀行の貸しはがしが批判されたこ

とがありました。


これは、銀行が融資の回収ばかりに力を入

れていたことへの批判です。


ただし、よく、「いったん、融資を全額返

済したら、返済した金額の2倍の融資をす

ると銀行担当者から言われたので、必死に

お金をかき集めて返済した。


しかし、その後、本部の融資承認を得るこ

とができなかったという理由で、銀行から

約束した融資をしてもらえず、会社が倒産

した」という類の話をきくことがありまし

た。


これは、興味本位の報道機関が誇張して報

道しただけで、実際にこのようなことはほ

とんど起きていないと私は思います。


なぜなら、このようなことが事実なら、銀

行にあざむかれた会社は、銀行に対して損

害賠償を請求できるのに、すべてを確かめ

ることまではしていませんが、そのような

訴えはあまり行われていないからです。


もうひとつの理由として、もし、銀行職員

が、融資している会社に対して、「いった

ん、融資を全額返済したら、返済した金額

の2倍の融資をする」と融資先に伝えると

きに、事前に、本部に折り返し融資の承認

をとっていないとすれば、それは、その銀

行職員が規則違反をしたことになるからで

す。


ですから、融資承認を得る前に、2倍の融

資を融資先に約束することは考えにくく、

もし、銀行職員が、独断でそのようなこと

を行った場合、銀行もその職員を厳しく罰

します。


ここまでは前振りで、ようやく本題に移り

ますが、前述のような融資先をあざむくよ

うな貸しはがしは実際には起きてはいない

とは思いますが、たまに、融資先のはしご

をはずすようなことをする銀行を見ること

があります。


それは、いきなり、「現在の融資の期限が

到来したら、それは返済していただきます

が、折り返し融資はしません」と融資先に

対して告げる銀行があるということです。


このような方針転換は契約違反にはなりま

せんが、銀行は、融資契約1件だけを見て

融資判断をするのではなく、長い目で融資

先を支援していくという役割があるので、

急激な業績の悪化や、粉飾などで銀行をあ

ざむいていたなど、融資先によほどの落ち

度がない限り、融資先は銀行からはしごを

はずされたと感じたとしても、仕方がない

でしょう。


では、なぜ、このようなことが起きてしま

うかというと、それは、融資担当者(また

は支店長)のスキルが低いからです。


以前にも触れましたが、融資の承認は本部

が行いますが、実質的には支店が握ってい

ます。


(ご参考→ https://goo.gl/mjuXjb


しかし、支店の融資担当者や支店長が、融

資業務に詳しくないと、単に、融資稟議書

を書くだけ、融資事務を行うだけといった

作業しか行わず、融資先をどうやって支援

するかといった基本方針を持たずに仕事を

してしまいます。


そのような融資担当者は、目の前の課題し

か頭にないので、融資審査部が「●●社に

は、次回の融資は難しい」と言われると、

それをそのまま「次回は融資しない」と、

融資先に伝えることをしてしまいます。


これは、銀行が、十分な人材育成の時間を

確保できず、しっかりとした融資担当者を

育てられないという事情が背景にあると考

えられます。


そして、このような、スキルの低い融資担

当者が増えていく可能性は高いと私は考え

ています。


したがって、このような状況に対して、融

資を受ける会社は、自ら対策をとるしかな

いでしょう。


ひとつは、複数の銀行と取引をして、納得

できる説明をする職員のいる銀行を探すこ

とです。


もうひとつは、融資事務に詳しい専門家に

相談をすることです。


ただ、スキルの低い融資担当者が多いとは

いえ、スキルの高い融資担当者のいる銀行

を探すことも困難であるとは私は感じてい

ません。

 

 

 

 

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融資を断られた会社

私が銀行職員の時代のことですが、3つの

支店で働いた経験があります。


そのいずれの店にも、訪問に注意しなけれ

ばならない会社がずっと言い伝えられてい

ました。


注意しなければならない会社とは、反社会

的勢力と関わりがある会社や、トラブルに

なりやすい会社などが中心ですが、中には

かつて融資を断ったために、出入り禁止に

されている会社もあります。


その融資を断ったという時期も、5年前や

10年前というものではなく、20年前や

30年前というものもありました。


経営者の方にしてみれば、銀行から融資を

断られることはとても悔しい出来事ですか

ら、銀行に対して、ずっと批判的な気持ち

を持ち続けているのでしょう。


しかし、希にですが、銀行と和解して、取

引が復活するということもあります。


そのような場合、たいていは、支店長が何

代にもわたって折衝して、やっと得られる

成果なので、支店全体が明るい雰囲気にな

ります。


銀行がこのような苦労をするのであれば、

「最初から融資を断るようなことをしなけ

ればいいのではないか」と考える人もいる

と思います。


確かにそうなのですが、やはり、融資判断

は人間の行うものなので、結果として失敗

することもあります。


実は、断って失敗という例もありますが、

逆に断らずに失敗という例もあります。


例えば、銀行側から積極的に融資をセール

スし、相手の会社にそれに応じてもらい、

数億円の融資をしたら、1年もたたずに倒

産してしまったということもあります。


また、10年以上も前のことなのに、「う

ちの会社が苦しかった時代に、おたくの銀

行は手を引かずに、融資をしてくれた」と

ずっと感謝をしてくれる経営者の方もいま

す。


これは、私の自慢話のようになって恐縮な

のですが、私がある支店に勤務していると

き、いままで働いていた会社を独立し、創

業しようとしている会社の社長から相談を

うけ、その会社に数千万円の融資を実行し

ました。


その後、私が転勤して、同社担当を引き継

いだ何代か後の担当の方から、「●●社の

●●社長から、創業の時は六角さんにお世

話になった」と言われているときく機会が

あり、銀行で働いていてよかったと感じた

ことがあります。


その他の例としては、他行をメインバンク

としている会社から、融資の申し込みがあ

り、それを断ったところ、数か月後にその

会社が倒産し、融資を断ったことが正解で

あったということもあります。


話を戻して、銀行の判断は、どうしても結

果論となるときがあります。


今回の記事の結論は、銀行の融資判断は、

融資申し込みをする側にとって納得できな

いこともあると思いますが、銀行側も必ず

しも正しい判断をしているとは考えておら

ず、毎回、ぎりぎりの苦しい決断をしてい

ます。


融資を断られた方にとっては、融資をして

もらえなかったことに変わりはありません

が、銀行の判断はあくまで人間の判断だと

考えるだけでも、少しは気持ちが楽になれ

るのではないでしょうか?

 

 

 

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