鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

学ぶ姿勢

先日、経営コンサルタント一圓克彦さん

のブログを拝読しました。


要旨としては、「先日、受講料5,000

円のセミナーを開いたが、受講申し込みが

6人であったにもかかわらず、実際に会場

に来たのは2人だった。


5,000円程度のセミナーは、とりあえ

ず申し込んでおくという人が申し込みをす

るので、事前に連絡がつかなかったり、ド

タキャンしたりする人が多い。


一方で、受講料が1~3万円のセミナーの

場合、受講者は受講料を期日までに入金す

るし、きちんと連絡もとれる。


講師としては、真剣にセミナーに申し込み

をしてくれた人とお付き合いしたい」とい

うものです。


そして、私が、この一圓さんのブログに注

目した理由は、私にも同じ経験があるから

です。


セミナーを開く側としては、なるべく多く

の受講者を集めたいと考えるため、受講料

は安くしようという心理が働きます。


でも、受講料が安いセミナーには、あまり

真剣ではない受講者が申し込みをしてくる

というジレンマに陥ってしまいます。


ただ、今回の記事の本旨は、セミナーの受

講料はいくらにすることが妥当かというこ

とではなく、受講料の高いセミナーの受講

者の方は、マナーがよいということです。


仮に、セミナーの講師のスキルが低かった

り、セミナーの内容がくだらないものだと

しても、自らの意志で申し込みをしたセミ

ナーをドタキャンをしたり、主催者からの

問い合わせを無視してもよいという理由に

はなりません。


では、どうして受講料の安いセミナーを申

し込む人には、マナーの良くない人が多い

のでしょうか?


それは、受講者の方がきちんと決断できる

人なのかかどうかによるのだと思います。


仮に、高額のセミナーを受講して、それが

役立たないものであれば、受講料が無駄に

なってしまいます。


しかし、高額のセミナーを受講することを

決めた人は、それなりの決断をできる人で

あり、受講したセミナーが結果として役立

たないセミナーであったとしても、その責

任を、安易に他人に転嫁するようなことは

しないでしょう。


そのため、責任感の強い人は、受講料を締

め切りまでに送金したり、主催者からの問

い合わせにもきちんと回答をするのでしょ

う。


一方、きちんと決断できない人は、損をす

ることを避けたいので、受講料が安くなけ

ればセミナーを受講しようとはしないので

しょう。


そして、自ら決めたことに対しても、あま

り責任を感じないので、セミナーをドタ

キャンをしたり、主催者からの問い合わせ

を無視してしまうのでしょう。


もちろん、セミナー講師も、受講者から選

ばれる立場にあり、貴重な時間を割き、ま

た、高額な受講料を支払って受講していた

だく方に対しては、講師の責任として期待

に応えなければなりません。


ただ、一圓さんの述べているように、受講

者の方にも、真剣に受講をしてもらえなけ

れば、お互いに、満足できない結果になっ

てしまうということが、今回の記事の結論

です。

 

 

 

 

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融資実行には長期的視点での検討が必要

以前、創業して間もないある会社の経営者

から、融資について次のような相談を受け

ました。


すなわち、ある信用金庫に2,000万円

の融資を申し込んだところ、1,000万

円の融資に応じてもらえた。


あと、不足する1,000万円の融資を受

けるにはどうすればよいのか、というもの

です。


これについては、1,000万円の融資に

応じた信用金庫の力量のなさに、大きな問

題があると感じました。


その会社が借りた、1,000万円の融資

とは、創業者向けの信用保証協会保証のつ

いた制度融資でした。


では、これがなぜ問題なのかというと、創

業したばかりの会社に対して、信用保証協

会の保証をつけた融資は、ほぼ1,000

万円が限度で、それ以上の保証は、信用保

証協会からなかなか保証をしてもらえませ

ん。


これは、2,000万円の融資の申し込み

に対して、1,000万円の融資に応じた

ということからもわかります。


要は、その信用金庫は、信用保証協会が保

証する金額だけを融資したにすぎません。


当然、1,000万円だけの融資を受けた

会社としては、そのような詳しい事情を知

らずに、不足分の融資を他の銀行から受け

ようと試みるでしょう。


しかし、他の銀行は、信用保証協会を通し

て、その会社がすでに創業者向けの保証を

利用していることが分かるので、融資をす

るとすれば、保証なしで融資をすることに

なります。


それがまったく不可能ということではあり

ませんが、他の銀行からすれば、おいしい

ところを持って行った、保証付きの融資を

した信用金庫が、不足分の1,000万円

の融資も実行することが筋だと考え、その

会社の申し出を断ることになるでしょう。


信用金庫は、1,000万円の融資に応じ

る時点で、その会社は不足分の融資を他の

銀行からは借りられないであろうというこ

とは容易に予測できたはずであり、そうで

あれば、2,000万円が必要なその会社

に1,000万円だけを融資することも意

味がないということも分かっていたはずで

す。


恐らく、そのような無責任な融資をしたの

は、前述の通り、信用金庫の融資担当者の

力量が低いからでしょう。


本来ならば、銀行が融資の申し込みを受け

たときは、その1件の融資についてだけ検

討するのではなく、長期的な取引を行う観

点からも検討が行わなければなりません。


会社は半永久的に事業を続けるという前提

で、もし、今回の融資に応じることによっ

てその会社が事業を展開していったとき、

次にはどのような資金需要が発生するか、

その時に、再び融資の申し込みがあれば、

それに応じることができるかといったとこ

ろまで検討し、責任をもって支援を続けて

いけるかというところまで判断しなければ

なりません。


前述の信用金庫は、融資の申し込みがあっ

ても、自らは何ら検討することなく、信用

保証協会に審査を全面的に委ねてしまうと

いった、依存的な状況にあったのだと思い

ます。


そこで、2,000万円の融資の申し込み

があっても、信用保証協会が承認する金額

だけ融資に応じるという機械的で、無責任

な対応をしたのでしょう。


このように、本来なら専門性の高い対応を

すべき金融機関であっても、現実的には、

適切とは言えない対応をする金融機関も存

在します。


そこで、もし、融資を申し込んでも、要望

通りの回答を得られない場合は、その金融

機関の対応が本当に適切かどうかというこ

とについて、私のような専門家にセカンド

オピニオンを求めた上で、対応策を検討す

ることをお薦めします。

 

 

 

 

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結婚相談所は学習塾

先日、婚活コンサルタント田中菊乃さん

のブログを拝読しました。


その中で、結婚相談所をうまく利用して結

婚に至った女性が、「受験に例えたら結婚

相談所は学習塾だと思って利用しました。


入れば結婚できるわけじゃないけれど、結

婚できる確率は上がるしあとは自分の努力

次第」とお話しされていたということが書

かれていました。


これは、当たり前のことと考える方が多い

と思いますが、実際には、結婚相談所に入

会することは、入会金を払うことによって

結婚の確約を得ることと考えている方も多

いようです。


冷静に考えれば、結婚相談所の能力がどん

なに高くても、紹介された相手が自分と結

婚するかどうかは、自分に対する相手の評

価で決まるということは容易に理解できる

と思います。


でも、結婚相談所を利用する方は、お金を

払っているのだから、自分の理想とする相

手との結婚の保証を求めてしまいがちにな

るようです。


そのような方は、安易に、自分の魅力を高

めるという努力から逃げようとしているの

であり、その姿勢を変えない限り、結婚相

談所を頼っても、いつまでたっても目的を

遂げることはできないでしょう。


ところで、この田中さんの記事を引用した

のは、私にも同様の心あたりがあるからで

す。


端的な例は、銀行からなかなか融資を受け

ることができないでいる会社の経営者の方

から、報酬を払うのだから、こちらの希望

通りの融資を受けられるよう銀行を説得し

て来て欲しいというものです。


このような依頼は、一見すると、融資が受

けられないで困っている会社とすれば当然

の依頼のように思われます。


しかし、ここで問題となるのは、そのよう

な経営者の方は、コンサルタントの銀行へ

の説明のよしあしによって、融資の諾否が

決まると考えていることです。


銀行が融資に応じるかどうかは、会社の業

況で決まるわけですが、融資が得られるよ

うにするための事業の改善という、経営者

の本来の責務から逃れようとするために、

安易にコンサルタントに頼ろうとしてしま

うのでしょう。


このような会社は、いわゆる「融資コンサ

ルタント」に依頼用すれば、1~2回は、

融資に成功するかもしれません。


でも、事業の改善に真摯に向き合わなけれ

ば、早晩、融資を受けられなくなるだけで

なく、事業そのものが行き詰るでしょう。

 

 

 

 

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土井正三さんの功績

私は、よい経営者とはどういう人かを説明

するときに、よく、仰木彬さんを例に挙げ

ます。


仰木さんは、もちろん経営者ではなく、プ

ロ野球の選手や指導者として活躍した方で

すが、オリックスの監督時代に、日本プロ

野球初のシーズン200本安打を記録した

イチロー選手を抜擢したことでよく知られ

ています。


このことから、仰木さんは、「名伯楽」と

言われるようになり、私に限らず多くの人

が、仰木さんのような人材を見分ける目を

持つことが、特に経営者のようなリーダー

にとって大切だと考えているようです。


では、仰木さんの前任者だった土井正三

んは、スター選手となったイチロー選手の

能力を見出せなかった、目利きのできない

監督だったのでしょうか?


これについては、私も明確なことは断定で

きないのですが、ウィキペディアで土井さ

んについて調べて見ると、必ずしもそうで

はなさそうです。


イチロー入団時(1992年)のオリッ

クスの外野は、高橋智本西厚博、藤井康

雄の主力に、1993年に入団したタイゲ

イニー、柴原実、山森雅文佐藤和弘、D

Hは石嶺和彦という攻・走・守全ての面で

メンバーで固められており、当時1・2年

目のイチローが入る余地がなかったとも言

える。


そのような中でも土井はイチローを高卒の

新人選手としてはかなり優遇して使ってお

り、1992年には7月以降9番打者や2

番打者としてたびたびスタメン出場させた

り、1993年の開幕戦にもスタメン出場

させたりしている。


また、イチローが全国区となった1994

年は、石嶺がFAで退団、藤井、タイゲイ

ニー、高橋智の出遅れが重なっていたとい

う事情もあった」


このような事実から鑑みると、土井さんは

決してイチロー選手を冷遇していたとは考

えにくいと私は思っています。


ただし、プロ野球球団の監督という立場を

考えると、結果責任は大きく、もっと早く

イチロー選手の才能を引き出すことができ

たのかもしれません。


しかし、逆に言えば、仰木さんがイチロー

選手の入団時から監督を務めていても同じ

結果になったかもしれないとも言えます。


では、今回、なぜ土井さんについて述べた

のかというと、結果はどうであれ、何らか

の方針を持ってチームを運営することが大

切であり、少なくとも土井さんは自分の方

針をもってオリックスを指揮していたこと

は評価できるということです。


これは、結果論かもしれませんが、後にイ

チロー選手は、「世間ではふたり(土井さ

んとイチロー選手)の仲は良くないって言

われてますけど、そうではないんですよ。


土井さんは次の年のために、しっかりと体

を作れっていう指示を出してくれていたみ

たいなんですよ。


その年で土井さんは監督を辞められたわけ

ですけど、もし仰木監督の就任がなかった

ら、土井さんは僕を使う予定だったらしい

んです」と、イチロー選手本人も土井さん

を評価しています。


すなわち、イチロー選手の才能が開花した

のは、仰木さんひとりの功績ではなく、土

井さんの指導があったからとも言えます。


もし、土井さんが何の方針も持たずにチー

ムを指導していたら、イチロー選手からは

感謝されなかったでしょう。


これを会社経営にあてはめてみると、経営

者の方は、方針をもって会社経営に臨むこ

とが大切だということです。


これは、あたりまえのことのように思われ

ますが、中には、自分の方針を立てても、

それで事業が成功するか失敗するかわから

ないのだから意味がないと考えている方に

会うことがあります。


しかし、方針を持たないリーダーのもとで

は、メンバーのまとまりはありませんし、

事業が成功したり失敗したりしたときに、

何がその要因だったのかも把握しにくくな

ります。


繰り返しになりますが、土井さんは結果と

しては、オリックスの監督時代の3年間は

すべて3位という成績でしたし、イチロー

選手の才能も開花させられませんでした

が、もし、方針を持たずにチームを率いて

いたら、後に、誰からも評価されなくなっ

ていたと、私は考えています。

 

 

 

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『言った言わない』をなくすには

「言った、言わない」の争いは、どういう

訳か、いつまでたってもなくならないと感

じています。


これは、会社内でも起きるし、お取引先と

の間でも起きます。


文字数の兼ね合いから、ここでは、会社内

のことに絞って述べますが、「言った、言

わない」が起きないようにするには、ルー

ルを定めるしかありません。


すなわち、決定事項は議事録などによって

明文化し、関係者にその文章について承認

を得る、というルールを作り、実践するし

か避ける方法はありません。


とはいえ、これは多くの方が頭では理解で

きても、特に中小企業(=オーナー企業)

では実践されません。


なぜなら、中小企業では、議事録を作ると

いう作業自体が負担であることと、もうひ

とつは、社長が朝令暮改どころか、朝令昼

改や朝令朝改であることが多いからという

ことが、理由になっていると私は感じてい

ます。


このような、経営者の考え方が頻繁に変わ

ることは、柔軟であり臨機応変という面で

評価されることもあります。


しかし、私は、組織の成熟度が低い段階で

は、経営者の方は頻繁に方針を変えない方

がよいと思っています。


それは、従業員の方に過剰な負担をかける

だけに終わってしまうからです。


(ご参考→ https://goo.gl/WQRZ2B


話を戻して、「言った、言わない」を無く

すことは、単に、思い違いを無くすという

ためだけではなく、ルールに従って仕事を

する風土を、会社に涵養するために必要で

あると思っています。


もし、会社で「言った、言わない」の論争

が起きたときは、立場の強い人が勝つこと

になるでしょう。


そのような職場風土の中では、従業員の士

気が低くなる、従業員が自立的に働かなく

なる、組織的な活動ができなくなるなどの

悪影響が出てきます。


多くの経営者の方は、従業員の方に、自律

的に働き、かつ、組織的に活動して欲しい

と考えていると思います。


そうであれば、面倒に思えるかもしれませ

んが、ルールを作成し、経営者自らがそれ

にしたがって活動することが必要になりま

す。


もうひとつ付言すると、従業員数が10名

程度までは、職場での人間関係が緊密なた

めに、多くの場合、ルールがなくても円滑

に意思疎通ができます。


そこで、ルールは不要と考える経営者の方

もいると思います。


しかし、ルールがない職場のままでは、新

しい従業員の方が馴染みにくく、従業員数

を増やすこと困難になり、事業も拡大する

ことができません。


今回の記事の結論は、人間関係で成り立つ

組織から、ルールで動く組織にすることが

事業拡大のために大切ということです。


結果としてルールで動く組織では、「言っ

た、言わない」の議論は、ほとんど起きな

くなるでしょう。


言い換えれば、「言った、言わない」の議

論が起きやすい会社は、組織的な活動がで

きず、業績もあまりよくないのではないで

しょうか。

 

 

 

 

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残業をなくせない要因

先日、岡山県倉敷市にある真言宗の寺院、

高蔵寺の住職の天野高雄さんのメールマガ

ジンを読みました。


(ご参考→ https://goo.gl/aZgqBW


「私が本山の高野山金剛峯寺)での修行

時代、『忙しいと思われたら恥』と教わり

ました。


人の中には多忙であることを美徳とする者

もいます。


でも、超高速で走る新幹線の車内は静かで

す。


『ガタガタグラグラ』と音を出して、『い

かにも猛スピードで走っているぞ!』とい

うアピールはしません。


だからこそ安心して快適に乗っていられる

のです。


『忙しい!』と騒がず、人に悟られず平然

とする行いを意識しましょう」


私も、サラリーマン時代は、残業をしない

ようにしようと努力し、きょうできること

はきょう終わらせるように心がけていたこ

とから、あまり残業はしませんでした。


でも、成行でしか仕事をせず、要領が悪い

ために、たくさん残業をしている同僚の方

が評価されることが多いということも感じ

ていました。


会社の経営者や人事部は、表向きは残業を

減らせと号令をかけているものの、事業の

現場の管理者や従業員は、「もし、残業を

減らすという課題を達成してしまったら、

さらに、難しい課題を押し付けられるので

はないか?」という意識が働き、残業を減

らそうとするポーズだけをして、本気で残

業を減らそうとはしていなかったのではな

いかと、私は想像しています。


それは、まさに、冒頭で引用した、天野さ

んのメールマガジンに書かれていたような

状況なのだと思います。


以前にも、10年連続で売上を伸ばしつつ

も、従業員の方は17時に退社する会社を

経営している、岩崎裕美子さんについてご

紹介させていただいたときにも述べました

が、残業をしない従業員が高く評価される

という経営者の意図を明確にしない限り、

残業は減らないでしょう。


(ご参考→ https://goo.gl/msvdBw


ここで、「残業をなくすことも大切だが、

会社がなくならないようにする方がもっと

大切だろう」と考える方もいるかもしれま

せん。


そのような方は、前述の岩崎さんの経営す

る会社は、例外的だと考えているのかもし

れません。


しかし、現在は、残業の多い会社は、従業

員の確保が困難になり、逆に、競争力が低

くなります。


そして、人工知能やRPA(Roboti

c Process Automatio

n、より高度な作業を人間に代わって実施

できる認知技術(ルールエンジン、AI、

機械学習等)を活用した業務を代行・代替

する取組)により、就業時間を短くして競

争力を高めた会社が、たくさん現れてくる

ようになるでしょう。


(ご参考→ https://goo.gl/K9nxWU


現在は、従業員に残業はさせることができ

ないと考えることが、会社経営の前提にな

ると私は考えています。

 

 

 

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取引先分散による経営環境への備え

先日、ある地方銀行が、融資審査書類の改

竄などが原因で、業務の一部停止命令を受

けましたが、その銀行の状況について詳し

調べてみようと思い、同行の有価証券報告

書(上場会社等の決算報告書にあたるもの

で、金融証券取引法により、事業年度終了

後3か月以内に内閣総理大臣(実際には金

融庁)へ提出することになっています)を

見てみました。


そうしたところ、その19ページに、同行

の融資相手の業種ごとの融資残高が記載さ

れている表がありました。


(ご参考→ https://goo.gl/Mu8Kg7


この表で驚いたことは、同行の融資額、約

3.25兆円のうち約91%の約2.96

兆円が、「その他の業種」になっていたこ

とです。


この「その他の業種」とは、住宅ローンな

どの、非事業性の融資や、今回、問題と

なっている、投資用不動産向け融資と思わ

れます。


住宅ローンや投資用不動産向け融資を行う

ことそのものに問題はないのですが、その

ような融資が、融資全体の91%というこ

とは文字通り特異であると思います。


一般的に、銀行では、融資相手の業種があ

まり偏らないように配慮しています。


例えば、観光地が多い地方の銀行では、ど

うしても観光業への融資が増えてしまいま

す。


しかし、もし、観光業が不況になると、そ

の銀行もその不況の影響を受けやすくなっ

てしまうので、前述のように、融資相手の

業種が偏り過ぎないように注意をしていま

す。


一方で、同行では、非事業性の融資が91

%という状況は、仮に、現時点で収益の見

込まれる相手への融資であったとしても、

社会状況が変わったときの影響も大きくな

るというリスクを抱えることになります。


話がそれますが、銀行の監督官庁である金

融庁は、当然、同行のこのうような状況は

把握していたはずで、それはリスクがある

としても銀行独自の判断で収益を高めるた

めの戦術と見ているという中立的な見解を

示しているのであれば別ですが、前長官

が、同行をお手本とすべき銀行と述べてい

たことは、大きな問題があると思います。


話を戻して、同行が融資相手をあえて偏重

させていたことは、収益を高めようとして

いたという意味では評価できなくもないの

ですが、偏重にはリスクも伴うということ

が今回の記事の結論です。


これを中小企業にあてはめてみた場合、販

売先、販売地域、販売客層を絞るという戦

術は有効であると、私は考えています。


それは、中小企業は小回りが利くからで、

経営環境が変わったときの体制変更も、比

較的容易であるという面と、中小企業は経

営資源が少ないので、幅広く事業展開する

よりも、事業領域を絞る方が効率性が高い

からです。


しかし、事業規模が大きくなるにしたがっ

て、小回りは聞きにくくなるので、取引相

手を分散させていくことが必要になってい

くと言えるでしょう。


売上が増えていくにしたがって、事業の柱

を1つから2つへ、そして3つへと、タイ

ミングを見計らって増やしていくことは、

経営環境の変化に備えてリスクを低減させ

るために大切です。

 

 

 

 

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