鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

くじらのお店

先日、あるテレビ番組で紹介され、ずっと

前から気になっていた、神田駅の近くにあ

る鯨専門のレストランで、食事をしてきま

した。


実は、このお店で食事をして印象に残った

ことは、店長の応対でした。


というのは、私からまったくオーダーをき

かずに、「これからお出しする料理は、こ

ちらに任せていただいてもいいですか?」

と提案してきました。


私も、店長がそこまで言うのなら、それな

りの食材があるのだろうと思い、店長の提

案に従ったところ、その期待通り、普段は

あまり入手できない鯨の希少部位のお刺身

や揚げ物を出してくれました。


また、私の連れが酎ハイを注文したとこ

ろ、再び店長から「ぜひ、ロックで飲んで

ください。いまなら、3万年前の空気が閉

じ込められている南極の氷をサービスして

いますので、おいしく焼酎が飲めますよ」

と提案してくれました。


ということで、そのお店では、自分たちが

食べたり飲んだりしたものは、すべて店長

のレコメンドで、かつ、とても満足できる

ものでした。


このお店でこのようなことができるのは、

鯨肉という、一般のお店では入手困難な食

材を使っているからということもあります

が、店長が「うちの食材はどんなものでも

誰にもよろこんでもらえる自信がある」と

いう顔をしているということも、顧客から

の信頼を得ていることにつながっていると

思います。


今回の記事の主旨は、このお店のように、

商品を提供するにあたって、提供する側が

イニシアティブを持つと、ライバルとの競

合において優位性を発揮できるいうことな

のですが、これも私がわざわざ述べるまで

もありません。


とはいえ、いま、商品の差別化が難しい時

代にあって、どう差別化するかということ

に苦心している人も多いと思います。


ですから、そのような方は、前述の鯨専門

店のようなお店で食事することによって、

ユニークな商品をそろえた上に、スキルの

高い「売り方」をすることが競争のために

大切な要素になっているということを実感

すれば、現状を打開できるヒントをつかん

だり、改善の第一歩を踏み出すきっかけと

なったりするのではないかということが、

今回の記事の結論です。

 

 

 

 

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忙しそうな人

常に忙しそうな人を、結構みかけることが

あると思います。


その人が忙しいことは事実なのだと思いま

すが、だからといって「自分はいま忙しい

んだ!」っていうオーラをまき散らすこと

はあまり得策ではないと、私は考えていま

す。


私の経験では、多くの人と面識を作るため

に参加している交流会で、たびたび携帯電

話に出ていたり、スマートフォンでメール

を書いていたりする人に疑問を感じます。


ビジネスチャンスを作るために交流会に来

ているのに、仕事が忙しいのであれば、何

のために交流会に来ているのだろうと思っ

てしまいます。


また、交流会などで知り合った方に、その

方のお仕事に繋がりそうな方のご紹介をし

ようと思い、電話をかけたり電子メールを

送ったりしても、なかなかお返事をもらえ

ないときも疑問を感じます。


恐らく忙しいために、なかなかお返事をい

ただくことができないということは想像で

きるのですが、そのような方に対しては、

それ以降は連絡を控えようと感じてしまい

ます。


ここまでは私の経験なのですが、職場でも

「自分はいま忙しいんだ!」っていう雰囲

気をまき散らしている人は結構いるのでは

ないでしょうか?


とはいっても、忙しい人は本当に忙しいの

だから、どうしろというんだという疑問を

持つ人も多いと思います。


これに対する私の回答は、優先順位を考え

るということだと思います。


単に、こう書くと、「自分の仕事を他の人

のために後回しにするのか?」と考えてし

まう人もいると思います。


でも、事業は組織的に行っているので、他

の人とのかかわりは重要です。


そこで、自分が忙しいのだから、他の人と

のコミュニケーションを避けようとするの

か、自分は忙しくても、組織があってこそ

自分も仕事ができると考え、他の人とのコ

ミュニケーションを欠かさないよう配慮す

るのか、どちらをとるかということです。


それは、私は、前述の通り、コミュニケー

ションを優先すべきと思います。


そして、幹部職員、経営者ほど、そのよう

な配慮が求められるということが、今回の

記事の結論です。

 

 

 

 

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経営コンサルタントの仕事

私は、ときどき、コンサルタントを志望し

している方から、「経営コンサルタント

なるにはどうすればよいか」ときかれるこ

とがあります。


ただ、そのような質問を受けるときに困る

ことは、経営コンサルタントの仕事とは何

かということが一般的に明確ではなく、私

と質問される方との間で異なることがまま

あることです。


そこで。今回は、私の考える経営コンサル

タントの仕事について説明したいと思いま

す。


先ほども述べた通り、経営コンサルタント

の仕事について明確な定義はないものの、

オーソドックスな手法はあります。


それは、次のような手順です。


(1)会社の外部環境と内部環境の分析


(2)事業戦略策定


(3)事業戦略の遂行管理


本当の手順はもっと細かいのですが、大ま

かにはこのようになります。


ちなみに、これらの手順は、拙著「図解で

わかる小さな会社の経営戦略いちばん最初

に読む本」( http://amzn.to/UJc6y2 )で

詳しく説明していますので、ご関心のある

方はご高覧いただけると幸いです。


この手順は、私の場合、銀行勤務時代など

に、事業再生の支援を行う中で学んでいた

のですが、経営コンサルタントの方の中に

は、このような手順での支援の経験は持た

ず、自分の得意分野だけに絞ってコンサル

ティングをしている方もいるようです。


そのようなコンサルティングに問題がある

ということではありませんが、私は、前述

の手順のような幹となる部分の支援が行え

るうえで、枝葉となる部分の支援が行える

ことの方が、幅広い要求に答えることがで

きると考えています。


また、いわゆるリエンジニアリング(抜本

的な事業再構築)を行う時も、上述の手順

での支援ができることはとても有用です。


では、前述のような手順を学ぶためにはど

うすればよいかというと、これも特別な方

法があるわけではなく、先輩コンサルタン

トの補助をしながら学ぶということになる

でしょう。

 

 

 

 

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計画売上高と活動量

起業や事業改善のお手伝いをしている時、

経営者の方の頭の中からもれてしまいがち

なことに、売上高と活動量の関係があげら

れると感じています。


というのは、計画売上高を得るには、どれ

くらいの活動量が必要かというところまで

は考えずに、自分のイメージだけで計画売

上高を決めてしまう方がいるということで

す。


このようなことは、製造業の生産量につい

て決める時は、あまり起きません。


製造業では、設備などの能力で、ある程度

の生産量は明確であり、1年間の売上高も

生産数量に販売単価を乗じることで、ほぼ

正確に求めることができます。


しかし、小売業やサービス業などは、設備

と売上額にある程度の連関はあるものの、

多くの場合は、事業活動のうち顧客獲得活

動に時間が割かれるため、年間の売上高を

根拠を持って明確にすることは比較的困難

です。


しかし、イメージだけで売上高を計画する

ことは避けることができます。


例えば、喫茶店を開業した場合、詳細な説

明は割愛しますが、まず、損益分岐点売上

高を算出し、それに対して想定客単価で除

した数が、最低限達成しなければならない

集客数となります。


次に、その客数を集めるための方法を検討

します。


それには、チラシ、広告、ポスティング、

事業所などへの個別訪問などが考えられま

すが、正確ではなくても、それらから想定

される集客数を計算します。


もちろん、これらの「胸算用」も正確とは

言えませんが、単なるつじつま合わせをす

るよりは意義があります。


少なくとも、どうやって集客するかを検討

せずに開業したときよりも、どうやって集

客するかを検討した上で開業したときの方

が、目標が達成できなかったときに、その

原因を究明しやすくなります。


また、計画立案の時点で、計画に無理があ

るかどうかも判明することがあります。


ここまで書いてきたことは当然と思えるこ

となのですが、開業する方の中には「開業

する=目標売上高を達成できる」と安易に

考え、精緻な計画立案を省いてしまう方も

多いことから、今回、改めて記事に書きま

した。

 

 

 

 

 

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非営利法人も剰余を求めることが大切

ときどき、あらたな事業を始めるにあたっ

て、特定非営利活動法人NPO)や、一

般社団法人を設立したいという方からご相

談を受けます。


その理由は、「始めようとする事業が社会

性の高い事業なので、非営利法人はそのよ

うな事業に適しているから」というもので

す。


しかし、これには以前も記事にしたことが

ありますが、誤解していると思われる面が

あります。


(ご参考→ https://goo.gl/jSK2Jo


社会性の高い事業をNPOや一般社団法人

で行うことは問題ないのですが、NPO

一般社団法人「だけ」が社会性の高い事業

に適しているわけではありません。


営利法人である株式会社や合同会社も、社

会性の高い事業を行うことは可能です。


(ただし、法律の規定によって、医療や教

育など、一部、営利法人で運営することが

禁止されている事業があります)


しかし、社会性の高い事業だから非営利法

人が適していると誤解されてしまうのは、

非営利という言葉を、「剰余(利益)を出

さない」という意味で理解してしまってい

るからと思われます。


すなわち、社会性の高い事業では剰余(利

益)を得ることも難しく、したがって、非

営利法人が適しているのではないかと考え

てしまうのではないでしょうか?


でも、非営利とは、「剰余(利益)を分配

(配当)するこを禁止する」という意味で

あり、「剰余(利益)を得ることを禁止す

る」という意味ではありません。


むしろ、非営利法人であっても、たくさん

の剰余を得る方が、資金繰が楽になり、事

業の運営も容易になります。


そういう観点からは、非営利法人であって

も、株式会社などの営利法人と同じ事業運

営スキルが求められます。


むしろ、「社会性の高い事業」に挑む訳で

すから、営利法人よりもさらに高いスキル

が必要になると考えられます。


逆に、「社会性の高い事業を運営する非営

利法人は、そのスキルが軽減される」と考

えているとすれば、それは、180度誤解

していることになります。


また、日本の中小企業(オーナー会社)の

ほどんどは、剰余(利益)の配当をしてい

ないので、そういった意味では、中小企業

も非営利法人も実態は近しい組織であると

思います。


(非営利法人は、事業による剰余に対して

課税されない場合や、税率が軽減される場

合があり、その面については営利法人より

有利です)


今回の記事の結論は、非営利法人や営利法

人のいずれも、剰余(≒事業によって産み

出される価値)を得ることが求められると

いうことです。

 

 

 

 

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ことしこそ新刊を出すには

誰も覚えていないと思いますが、この記事

にも何度か書いた私の昨年の目標は、新し

い本を出版することでした。


でも、実際には、構想だけが頭にある状態

で、企画書の作成にも着手できませんでし

た。


その原因は明確です。


私の仕事の仕方を変えていないからです。


現在は、日報コンサルティングに軸足を置

いているために、執筆までになかなか手を

広げることができないでいます。


でも、気持ちとしては、執筆は諦め切れな

いので、今年こそ、何らかの決断をして、

執筆に着手したいと思います。


その決断とは、自分の仕事のいずれかを減

らすか、効率をあげるかなどによって、執

筆に時間を割くことです。


とにかく、単に執筆したいという願望を持

つだけでは、いつまでも執筆は実現しない

ので、仕事のやり方を変える決断が必要で

す。


と、ここまでは誰でも理解できることなの

ですが、私だけでなく、他の経営者の方の

中にも、何らかの願望は持ちつつも、決断

ができないでいるという例をよく見かけま

す。


例えば、会社の年商を10億円にしたいと

口にしつつ、その会社の社長はいつまでも

事業の現場に身を置いているという状態を

見ることがあります。


年商を増やす、すなわち、事業を拡大する

には、社長は現場に入り浸らずに、組織拡

大、人材育成、事業戦略策定など、「社長

業」に専念しなければ実現できません。


経営者ならば、自社の事業を大きくしたい

という願望を持つことは不思議ではないの

ですが、その一方で、経営者が現場から離

れるという決断もなかなか難しいというの

も現実のようです。


私は、会社は必ずしも事業を拡大しなけれ

ばならないと考えているので、顧問先の社

長が、願望と実際の行動に食い違いがある

とわかった場合は、どちらが本当に望むこ

となのかを時間をかけてご本人に確かめる

ようにしています。


会社の方針は、何が正しいかの前に、経営

者が本当に望むものは何かということも、

じっくり考える必要があると思います。

 

 

 

 

 

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コミュニケーションツールとしての日報

山口市にあるコンサルティング会社、日報

ステーションさんからその手法を教わり、

昨年から日報コンサルティングを私のコン

サルティングメニューに加えました。


現在、数社に日報コンサルティングをご利

用いただいています。


この日報コンサルティングは、私のコンサ

ルティングに関する悩みを解決してくれる

という期待をもって採り入れたのですが、

その期待通りの効果を感じています。


そのひとつは、経営者の方への働きかけを

毎日行うことができるということです。


従来のコンサルティングは、一般的には1

か月に1回の頻度で面談をしているので、

その面談が終わって私が顧問先を去った後

は、その会社の社長さんは、日々こなさな

ければならないたくさんの仕事を目の前に

したとたんに、私がお話したことの90%

は飛び去ってしまいます。


でも、日報コンサルティングは、毎日、私

からのメッセージを送るので、実践すべき

改善策も毎日思い出してもらうことができ

るようになります。


もうひとつは、課題に気づいたその場で対

応を始めてもらえるということです。


従来のような1か月に1度の面談では、前

回から今回までの1か月の間に気づいた課

題も、面談日を待って私と相談することに

なるので、その間はほとんどの場合は何の

対応も実践されずにおり、また、気づいた

課題そのものの記憶が薄れたりして、あま

り機動的ではありませんでした。


しかし、日報に、その日に気づいた課題を

書いて私に送ってもらえれば、翌日までに

は私の助言を伝えることができ、その助言

を受けた経営者の方にもすぐに改善に着手

してもらえるので、機動性が高まります。


そして、このような日報の効果は、会社の

上司と部下の間でも得られるのではないか

と私は考えています。


お互いに忙しい上司と部下は、なかなかコ

ミュニケーションの機会をつくることがむ

ずかしいと思いますが、日報を使えば、上

司の方は私が感じたような効果を感じるこ

とができると思います。


なお、日報コンサルティングは、紙に手書

きすることを原則にしていますが、社内で

は必ずしも手書きでなくても、グループ

ウェアや電子メールで行っても効果がある

と思います。


部下になかなかこちらの意図が伝わらない

とか、伝達の時間がとれないと悩んでいる

経営者の方、幹部の方は、ぜひ、日報で部

下とのコミュニケーションをとって見て下

さい。

 

 

 

 

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