鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

有限の経営資源を戦略的に傾斜配分する

[要旨]ひと・もの・かねの経営資源は有限であり、それを社内の各事業に適切に配分し、最大の成果を得られるようにすることは、経営者の重要な役割です。したがって、単に均等に資源配分をするだけでは、成果は最大化できないので、精緻な経営環境分析に基…

経営とは戦略に基づく『サイエンス』

[要旨]事業活動においては、ビジョンという曖昧模糊とした思いを、経営戦略に落とし込むことが不可欠です。そのためには、顧客や市場に関する情報、競争相手に関する情報、自分たちの強みや弱みなど、客観的な情報収集や分析を行い、自分たちはどの『土俵…

経営戦略の3つの階層

[要旨]経営戦略には、主に社内の資源配分を最適化する全社戦略、各事業の競争力を最大化する事業戦略、事業戦略を側面から支える機能別戦略の3つの階層があります。そして、経営者には、各戦略の整合性を維持し、成果が最大になるよう管理する役割があり…

経営戦略は目的達成のための資源配分

[要旨]ビジネスの世界において、戦略という言葉を最初に使ったのは、アルフレッド・チャンドラーであり、彼は、1962年に出版した「経営戦略と組織」の中で、戦略を、「企業の長期的目標と目的の決定、行動指針の採用、目的を達成するために必要な資源…

経営戦略によって企業に魂が宿る

[要旨]経営コンサルタントの遠藤功さんによれば、経営戦略とは、経営の意思であり、多様なステークホルダーとの約束です。さらに、どのような会社を目指すのか、どのような存在になりたいのかを意思表示し、株主や顧客というステークホルダーと約束するも…

組織開発は対話による関係づくりから

[要旨]組織開発の始まりの多くは、対話による関係づくりからスタートします。なぜなら、タスク・プロセスと、メンテナンス・プロセスに目を向けて対話を行うことで、メンバーは自分たちのどのようなプロセスからモヤモヤが起こっているのかに気づくことが…

プロセス・ロスとプロセス・ゲイン

[要旨]組織開発の主な対象は、タスク・プロセスとメンテナンス・プロセスですが、技術的課題、すなわち、主にタスク・プロセスを改善する適切な方法と、適応課題、すなわち、主にメンテナンス・プロセスを改善する適切な方法を、上手く組み合わせることが…

組織開発で適応課題に取り組む

[要旨]組織開発の対象は、課題を氷山にたとえると、海面の上に出ていて目に見えるコンテント、海面からすぐ下のタスク・プロセス、海面から深い部分にあるメンテナンス・プロセスに分かれます。コンテント、及び、タスク・プロセスの一部は、既存の方法で…

なぜ『組織開発』が求められているのか

[要旨]VUCAの時代と言われている現在、ビジネスにおいては、かつてのような確率の高い「勝ち筋」が見出しにくくなり、業績が思うように伸びず、また、コロナ禍や働き方改革の進展が示すように、職場の環境、メンバーの構成、働き方そのものも大きく変…

組織開発で得られる効果

[要旨]組織開発の効果は、(1)目標を達成できるようにすること、(2)活動しやすい環境を確保する、(3)組織文化などを形成するという効果があります。しかし、この組織開発は、経営者にとって難易度が高い面があるため、なかなか取り組みにくいもの…

『組織開発』の定義

[要旨]組織開発とは、現場にいる人たちが自ら、人と人との関係性を通して、組織内の違和感のあるプロセスを見通し、より良い組織をつくる活動を言います。これに対し、人材開発は、個人の能力を高めることを指すますが、組織開発は、組織の仕組みなどが改…

小口工事を取った営業マンはスター

[要旨]松江市にある島根電工では、かつては、大口工事を取ることが称賛されていましたが、現在は、大口工事よりも、小口工事を取って来た営業マンを称賛するようにしているそうです。それは、小口工事を受注することは、新しい顧客を創造する活動であると…

会社の風土は経営者がつくっている

[要旨]業績のよくない会社経営者は、自社の業績がよくない原因を、景気や経営環境など、外部に求めてしまいがちです。しかし、どんな経営環境でも業績がよい会社があることから、経営者自身が考え方や活動を変えることで、業績が改善すると考えることがで…

ビッグブラザー制度で離職率がほぼ0%

[要旨]松江市にある島根電工では、新入社員にマンツーマンで世話係の先輩社員がつき、半年間にわたって公私ともに新入社員の面倒を見るという、ビッグブラザー制度を実施しています。この制度によって、現在は、離職率がほぼ0%を実現しているそうです。…

鳴かずんばそれもまたよしほととぎす

[要旨]松江市にある島根電工の社長の荒木恭司さんは、すべての従業員が優等生である必要はないと考えているそうです。それは、望ましい会社とは、いろんな人がいて、いろいろな仕事があって、それぞれが持ち味に合った仕事をして、バランスをとっていく会…

社員が1番、お客さまは3番

[要旨]松江市にある島根電工の社長の荒木恭司さんは、従業員と下請会社などの満足を実現することを通して、顧客満足を実現する、すなわち、「社員が1番、お客さまは3番」という考え方が、真に顧客満足を実現する方法と考え、これにより業績を高めている…

社長の役割は人を育てる人を育てること

[要旨]松江市にある島根電工の社長の荒木恭司さんは、管理職は営業マンを育てる役割があり、さらに、社長は、営業マンを育てる管理職を育てる役割があると考えているそうです。これは、「上に立つ人間がすることは、自分がスーパーマンになることではなく…

仕組は真似できても風土は真似できない

[要旨]松江市にある島根電工の社長の荒木恭司さんは、小口の顧客を対象とするビジネスモデルで成功しました。しかし、荒木さんは、他社が同じことをしようとしても、島根電工のようなよい組織風土がなければ、利益を出すことはできないと考えているそうで…

お客さまとは恋人のように接する

[要旨]松江市にある島根電工の社長の荒木恭司さんは、部下たちに対して、顧客を自分の大切な人と同じように接するよう指導しているそうです。なぜなら、顧客の95%は、不満を感じても口にせず、次からは、黙って他の会社に仕事を依頼してしまうので、そ…

現場100箇所、感動100箇所

[要旨]松江市にある島根電工では、現場100箇所、感動100箇所」というスローガンを掲げています。これは、「100の現場があれば、100の感動が生まれるように」という意味であり、それを実践するために、お客さまと向き合って、心から信頼される…

顧客さえ気づかないニーズを提供する

[要旨]松江市にある島根電工の社長を務める荒木恭司さんは、リッツカールトンホテルでは、顧客を満足させるだけでは足らず、顧客さえ気づかないニーズをつかんで提供することで感動を生み出すことを目指しているという事例を参考に、自社でも顧客を感動さ…

モノを売るのではなくコトを売る

[要旨]松江市にある島根電工の社長を務める荒木恭司さんは、スカンジナビア航空が、運輸業からサービス業にドメインチェンジを行なった事例を参考に、自社もドメインチェンジを行う必要があると考えたそうです。これにより、設備工事の需要がなくなっても…

長期計画を環境変化に適応させる

[要旨]変圧器メーカーのNISSYOでは、5年先までの計画である、長期事業構想書を作成していますが、同社では、それを、5年ごとに作成するのではなく、毎年、新たな5年計画を作成しているそうです。これは、長期計画にも環境変化に適応させる必要が…

価値観教育で経営計画書が実践的になる

[要旨]変圧器メーカーのNISSYOでは、かつては、社長ひとりで経営計画書をつくっていましたが、現在は、より現場に近い幹部の方がつくっているそうです。これは、価値観に関する教育を行っていることからできることですが、社長ひとりでつくるよりも…

人は『決められたこと』なら守る

[要旨]変圧器メーカーのNISSYOの社長の久保寛一さんは、同社が黒字経営を続けているのは、数字、方針、期日を明記した経営計画書を作成し、それを全従業員が徹底的に活用しているからと考えているそうです。なぜなら、人は決められたこと、書かれた…

定期的な人事異動で組織を活性化する

[要旨]変圧器メーカーのNISSYOでは、定期的な人事異動を行い、従業員の方は、3年~7年で異動するそうです。これにより、(1)多能工化が実現する、(2)職場の無理・無駄・ムラがなくなる、(3)従業員が新しいことに挑戦するようになるように…

不満の原因は評価基準が明確でないから

[要旨]NISSYOでは、従業員向けに給料体系勉強会を実施しており、さらに、従業員に勉強会への参加を義務付けているそうです。そして、この勉強会を通して、同社が機会平等であることや、努力が報われる会社であることを伝え、従業員の士気を高めてい…

会社の実力は入社後の『社員教育の量』

[要旨]変圧器メーカーのNISSYOの社長の久保寛一さんは、会社の実力は、社員の学歴ではなく、入社後の社員教育の量で決まると考えているそうです。そこで、同社では、従業員1人当たりの教育費を、平均的な会社の約13倍の50万円をかけ、特に価値…

コミュニケーションの増加で離職を防止

[要旨]変圧器メーカーのNISSYOの社長の久保寛一さんは、社員が会社を辞める理由は、(1)『仕事』が嫌で辞める、(2)『上司』が嫌で辞める、(3)『会社』が嫌で辞めるの3つに大別できると考えているそうです。そこで、適性に合わせた配置転換…

組織に大切なのは能力ではなく価値観

[要旨]変圧器メーカーのNISSYOの社長の久保寛一さんは、従業員の採用にあたっては、能力が高い人よりも、価値観を共有できる人を採用するようにしているそうです。その結果、12年間で退職した新卒社員は5名のみ、新卒定着率は80%以上となって…