鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

価値観教育で経営計画書が実践的になる

[要旨]変圧器メーカーのNISSYOでは、かつては、社長ひとりで経営計画書をつくっていましたが、現在は、より現場に近い幹部の方がつくっているそうです。これは、価値観に関する教育を行っていることからできることですが、社長ひとりでつくるよりも…

人は『決められたこと』なら守る

[要旨]変圧器メーカーのNISSYOの社長の久保寛一さんは、同社が黒字経営を続けているのは、数字、方針、期日を明記した経営計画書を作成し、それを全従業員が徹底的に活用しているからと考えているそうです。なぜなら、人は決められたこと、書かれた…

定期的な人事異動で組織を活性化する

[要旨]変圧器メーカーのNISSYOでは、定期的な人事異動を行い、従業員の方は、3年~7年で異動するそうです。これにより、(1)多能工化が実現する、(2)職場の無理・無駄・ムラがなくなる、(3)従業員が新しいことに挑戦するようになるように…

不満の原因は評価基準が明確でないから

[要旨]NISSYOでは、従業員向けに給料体系勉強会を実施しており、さらに、従業員に勉強会への参加を義務付けているそうです。そして、この勉強会を通して、同社が機会平等であることや、努力が報われる会社であることを伝え、従業員の士気を高めてい…

会社の実力は入社後の『社員教育の量』

[要旨]変圧器メーカーのNISSYOの社長の久保寛一さんは、会社の実力は、社員の学歴ではなく、入社後の社員教育の量で決まると考えているそうです。そこで、同社では、従業員1人当たりの教育費を、平均的な会社の約13倍の50万円をかけ、特に価値…

コミュニケーションの増加で離職を防止

[要旨]変圧器メーカーのNISSYOの社長の久保寛一さんは、社員が会社を辞める理由は、(1)『仕事』が嫌で辞める、(2)『上司』が嫌で辞める、(3)『会社』が嫌で辞めるの3つに大別できると考えているそうです。そこで、適性に合わせた配置転換…

組織に大切なのは能力ではなく価値観

[要旨]変圧器メーカーのNISSYOの社長の久保寛一さんは、従業員の採用にあたっては、能力が高い人よりも、価値観を共有できる人を採用するようにしているそうです。その結果、12年間で退職した新卒社員は5名のみ、新卒定着率は80%以上となって…

バックヤードのデジタル化て利益を出す

[要旨]変圧器メーカーのNISSYOの社長の久保寛一さんは、今後、デジタル化の波に乗れない中小企業は淘汰されていくと考え、バックヤードは、できるだけIT化して、効率化を図っているそうです。これにより、デジタル化によって生まれた時間を、顧客…

全社横断的な組織で業務改善を加速する

[要旨]NISSYOでは、環境整備委員会、新卒採用委員会、DX委員会などの7つの全社横断的な組織をつくり、これらのいずれかの委員会にすべての従業員を所属させ、間接部門の活動を行っています。こうすることで、縦割りだけでは部分最適に陥りがちな…

マニュアルは初心者が加筆・修正する

[要旨]変圧器メーカーのNISSYOでは、マニュアルを作成することで、新入社員にも質の高い製品を製造することを可能にしています。ただし、そのマニュアルのベースは、ベテラン社員が作成し、電気初心者にも理解しやすいものにするために、初心者に記…

事業はスペシャリストだけで成立しない

[要旨]変圧器メーカーのNISSYOの技術的な強みは、特注品を、短納期、高品質、低価格で納品できることですが、それは、多くのスペシャリストを揃えることではなく、スペシャリストの技術をデータベース化することで、コアテクノロジー以外は、できる…

迅速なクレーム対応から大口受注に

[要旨]羽村市の変圧器メーカーのNISSYOでは、クレーム対応を最優先にしており、それに関する基本方針を明文化しています。そのため、迅速なクレーム対応を可能にしており、中国の会社からクレームが来たときに、迅速にお詫びに行ったところ、誠実さ…

製造業は『工業』だけでは生き残れない

[要旨]東京都羽村市にある、変圧器メーカーのNISSYOでは、基幹事業である変圧器製造に加え、ソフトウェア開発と人材派遣に多角化しました。これは、同社の人材育成能力が高いために実現できることであり、これからの製造業の成功の鍵は、「ものづく…

『驚き』という顧客体験価値を提供する

[要旨]山芳製菓は、仕事やプライベートで不満を抱えていて、ちょっとだけ刺激が欲しい人に向けて、「驚き」という顧客体験価値を提供しようとしています。そして、このような、インパクトのある驚きの体験は、日常生活の中に、『トゲ』を残して強く記憶さ…

PBで学んだことをNBに活かす戦略

[要旨]山芳製菓では、ポテトチップスの市場占有率が3.4%であり、ランチェスター戦略でいうところの「弱者」ですが、現在も売上の半分を占めるPB製品の製造ノウハウを活用し、NB製品の製造を行うようになりました。さらに、PB製品の販売先にNB…

大ヒットではなく差別化でのヒット

[要旨]山芳製菓では、直接的に大ヒット商品を狙わず、差別化を図ることでヒットすることを狙っているそうです。これは、お客様のニーズが多様化することによって、感覚や気分によって、モノやサービスが消費されるようになってきているからであり、そのた…

『外に出る』から力が伸びる

[要旨]山芳製菓にも、一般的な社員教育のシステムは存在しますが、若いうちに積極的に海外や研修に行かせて学ばせるようにしているそうです。その理由は、少人数の会社では、学べる量や質に限界があり、それを補うことや、外部研修などを受講することによ…

継続的な成功を生むことが何より重要

[要旨]東京都板橋区にある山芳製菓は、菓子製造業であるにもかかわらず、「人をつくり、人に尽くす」を経営理念に掲げています。それは、成行や運任せではなく、継続的な成功を生むことが、何より重要という考え方に基づくものであり、そのために、人材育…

現場は『潜在ニーズの宝庫』である

[要旨]経営コンサルタントの田尻望さんによれば、顧客からの聞き取りからは、顕在ニーズを把握することはできるものの、潜在ニーズまでは把握することができないため、それを把握するためには、顧客の事業活動の現場まで行く必要があるということです。そ…

『顕在ニーズ』より『潜在ニーズ』

[要旨]ニーズには、「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」があり、顕在ニーズとは、顧客が自分で明確に意識しているニーズです。一方、潜在ニーズは、普段は意識していないけれど、他人からの質問や体験をきっかけに、「実は欲しかった」などと感じるニーズです…

付加価値はニーズが源泉である

[要旨]経営コンサルタントの田尻望さんによれば、高級レストランなどで、料理の素材や調理法について、スタッフが丁寧に説明してくれることがありますが、お祝いの席などではそのようなサービスはよろこばれるものの、顧客が商談中のときに話に割って入っ…

なぜお客さまは自社の商品を買うのか?

[要旨]経営コンサルタントの田尻望さんによれば、「価値」とは「顧客が感じるもの」なのですが、売り手が感じる価値のある商品は売れると考え、それを製造・販売して失敗してしまう会社は少なくないそうです。そこで、「価値」とは何かを理解したり、「な…

経営者は『免罪符』を持ってはならない

[要旨]一般的に、中小企業の経営者は、会社において上限無き責任と権限を有しており、例外的な存在になりがちですが、大阪市の三和建設では、社長は免罪符を持っているということはなく、社長も従業員と同じく清掃に加わったり、他の人から360度評価を…

全方向の日報で組織の風通しをよくする

[要旨]大阪市の三和建設では、社内の日報システムを活用し、部下、上司、社長のすべての日報が、入力され次第、全方向で閲覧できるようにすることで、組織の風通しをよくすることを実現しています。これにより、不都合な情報が握りつぶされるという懸念が…

権限規定で『後出しジャンケン』を防ぐ

[要旨]大阪市にある三和建設では、「決裁基準に関する方針」を明文化した上で、従業員たちに権限委譲を行なっているそうです。これは、もし、権限を不明確にしておくと、部下が行った判断を、後から上司が「勝手なことをするな」と批判することが起きてし…

『利益配分ルール』が信頼を高める

[要旨]大阪市にある三和建設では、社員に対する決算後の利益配分ルールについて明文化し、一定の利益が出た場合は、全社員に決算賞与が支給されるそうです。このように、事前に利益配分ルールを定めて全社員に公表することは、社員の経営への信頼を高める…

全員で情報を共有し共通課題に取り組む

[要旨]大阪府にある三和建設では、社員が共有する経営情報として、月次で期末の売上、原価、粗利益、販管費、経常利益の着地目標と着地見通しを一覧表にして、社内の共有サーバーにアップして、全社員に共有しているそうです。それは、一部の者だけが経営…

『説明責任』と『遂行責任』

[要旨]三和建設社長の森本尚孝さんは、暗黙の了解を社員の行動に期待するのは間違いであり、ルールや規範などの順守を求めるものは明文化し、何回も繰り返し伝える責任が経営者にはあると考えているそうです。そして、ルールがあらかじめ共有されているこ…

組織はトップが求める方向に必ず向かう

[要旨]三和建設の森本尚孝さんは、下請けはしないと考えていたものの、かつては、下請けをしていたことがありました。そこで、同社では下請けをしないことを明文化した結果、現在は下請けはなくなったそうです。このように、経営者の意思を明確にすること…

『ひとづくり』は手段ではなく目的

[要旨]三和建設社長の森本尚孝さんは、かつて同社がリストラを行った経験を通して、ひとこそが経営の中心であり、ひとの基盤さえあれば、少しのことでは会社は倒れないと実感したそうです。このことにより、利益のためにひとづくりをすると考えるのではな…