機会があるたびに、私は月次決算を行うことをお薦めしています。もちろん、月次決算を行っている会社はたくさんありますが、行っていない会社も少なくなく、そのような会社ほど業績の芳しくない会社が多いようです。
もう少し厳密に書けば、月次決算を行っていないから業績が芳しくないというよりも、経営者の方が会計に関心がない、即ち収益管理が成り行きになっているということでしょう。成り行き管理だからこそ、業績が悪化していても直ちに改善されない状況にあるのでしょう。
このような会社に対して、「月次決算を行いましょう」と提案しても、なかなか応諾が得られません。経営者の方が会計に苦手であると、特にその傾向が顕著です。そして、「うちはお金のために仕事をしているわけではない」ということをお話しされる方もいます。
会社はお金もうけだけをすればよいのではないのですが、優先順位とすればお金と言わざるをえません。利益が得られなければ、従業員の方の給与を支払うこともできませんし、銀行からの融資も受けられません。会社を起こして経営者となる以上、利益を得る責任があるということからは逃れられないということは認識する必要があるでしょう。
このような状況を脱するためには、まず、月次決算を行い、翌月10日までには当月の収支を確認し、計画どおりでなければ改善策を考案し実施するということを行わなければならないでしょう。このような基本的なことを抜きにしては、経営者の方が責任をもった経営を行っているということは言えないでしょう。