鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

会社は誰のものか?

「会社は誰のものか?」という問いに対しては、株式会社を前提とすると、法律(会社法)では株主のもの(=株主は株式を持っており、かつ、株主総会が最高意思決定機関になっている)ということになっており、私も基本的にはこの考え方です。

しかし、この考え方について、疑問を持つ人も多いと思っています。会社の事業を直接動かしているのは役員や従業員であり、会社に何より貢献しているのは役員、従業員なのに、株主のものというのはおかしいという考えでしょう。そして、日本の場合、かつて、終身雇用制度が定着してきたことから、私生活を犠牲にして会社に尽くしてきた従業員の方たちから見れば、「会社は自分たちのものではない」という考え方は受け入れにくいでしょう。

また、会社は顧客のものという考え方もあります。千葉県にあるテーマパークでは、何度も遊園地に訪れる濃厚なファンがおり(このような状態を、顧客ロイヤルティが高い状態といいます)、その人たちが会社を支えているという見方をすることができます。ただし、私は顧客ロイヤルティが高い会社は、むしろ、会社側がそのような戦術を意図的に採っている面があり、この場合では「会社は顧客のもの」とは言えないと思います。

ただし、日本のプロスポーツは、かなりの部分がファン(=顧客)に支えられていると考えています。その顕著な例は、2004年のプロ野球再編問題で、球団数を減らそうとした日本野球機構側の意図が、選手会やファンの意向によって覆り、12球団が存続したことです。法的には、選手会やファンの意向を受け入れる義務はないと思うのですが、それだけプロ野球ではファンの意向が強いということでしょう。

そして、この記事の結論は、実態と法律が違っているということです。私は法律上は会社は株主のものと思っていますが、実態は法律通りにはなっていないと分析しています。

 

 

 

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