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鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

銀行にとって給与振り込みは赤字

給料日の後には銀行のATMに
大勢の列ができます。

私は、この列を見ると、「こんなに
たくさんの人が銀行に来るのに、
この人たちからあまり収益を
得られないなんてもったいない」と
考えてしまいます。

このように書くと、
「銀行は利用者からお金を預かっている
だけの立場なのに、預金を引き出しに
きた人から収益を得ようとするなんて
とんでもない」と考える人も多いと
思います。

確かにそういう面はあります。

でも、もし、銀行のATMを使わずに、
給料を直接会社から受け取るとしたら
どうでしょうか?

会社の経理の人たちは、前もって現金を
用意し、そして、ひとりずつ現金を
分けて用意をしたり、従業員の方たちは
それを受け取りにいったりする手間や、
また、防犯のことを考えれば、
銀行から給料を受け取るという仕組みが、
ほぼ無料で利用できるということは、
とてもコストパフォーマンスが高いと
私は考えています。

もちろん、銀行側にもまったく利点が
ないとは言えない面もありますし、
また、銀行の公共性を鑑みると、
給与の受取について手数料を
徴収しようとすると、社会的な理解が
得られない状況にあるでしょう。

さらに、口座に給与を入れてれている
人たちから何らかの収益を得ようとして
工夫をしているとは思います。

しかし、給与の受取という点で見れば、
銀行はコスト割れしているでしょう。

ここで述べたいことは、必ずしも、
コストがかけられているサービスに
ついて、それに見合った収益が
得られているとは限らないと
いうことです。

ちなみに、ATMの利用1回あたりの
コストは200円かかるといわれて
います。

これに対し、2001年に新しく
開業したセブン銀行は、
ATMのサービスを専門に行いました。
そして、他の銀行の顧客に自社の
ATMを利用させ、その顧客が口座を
持つ銀行から手数料を徴収するという
ビジネスモデルに成功しています。

これは、他の銀行から見ても、
自社の顧客にセブン銀行のATMを
利用してもらえば、自社のATMの
設置数を減らすことができるという
利点があることから、
奏功したものです。

このように考えると、
ATMというのは銀行から見て
大きなコストになっているという
一面がうかがえると思います。

話を戻して、このような例は、
別の業界にも見られます。

サントリーのビール部門は、
2008年に黒字になるまで、
ずっと赤字続きでした。

赤字でもビールを製造していたのは、
ビールを納品できないと、
ウィスキーや焼酎の売上に
悪い影響があったからです。

かつては、
部門としては赤字であっても、
製造する妥当な理由はありました。

結論は、
会社でコストをかけている部門、
製品、サービスは、
きちんとそれを回収できるだけの
収益を得ているか検証すること、
そして、仮に、赤字の部門、製品、
サービスがあった場合、
その赤字は妥当性があるか
検証することが大切だと
いうことです。

このように文字で書くと、
至極当りまえとお感じになる方が
多いと思いますが、
私はこれまで赤字の部門を
惰性的に継続させ、
業況を悪化させてきた会社を
たくさん見てきています。

業績のあがらない
会社経営者の方は、
コストと収益が見合っているか
どうかを見直すと、
収益改善のヒントとなる
可能性があります。

 

 

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