鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

日報は活用するもの

私はコンサルティングをする中で、事業

計画の策定と検証、日報と定例会議の

実践を薦めています。


でも、いずれもあまり受け入れてもらえ

ません。


例えば日報は毎日記載する作業ばかりに

目が行ってしまうからでしょう。


私も、営業マン時代の10年間は、

毎日日報を書いていました。


時には、月曜日に提出する日報を、

日曜日の半日をかけて書いたことも

あります。


実に、日報は嫌なものでした。


でも、それは日報そのものが悪かった

のではありません。


当時は、職場の責任者である支店長が

「日報でしっかり部下の活動を管理して

いる」というアリバイのための日報を

書かせていたからです。


ですから、日報にネガティブな情報は

書くことはできませんでした。


もし、ネガティブな情報を書くと、

「お前がしっかりしていなから、

顧客から苦情を言われるのだ」と

怒られてしまいます。


また、ネガティブな情報を書かなければ、

それですむかというと、「日報を書いて

いるのに、なぜ、実績があがらないのだ」

と言われ、日報にはよい情報しか書けない

ものになっていました。


結局、日報は、上司の機嫌をとるための

ものとなってしまい、本来の日報らしい

日報は別に作ることになってしまうという

状態でした。


ここで、あえて悪い例を書きましたが、

それは、日報に否定的な人は、日報を

誤解しているということを伝えたかった

からです。


タビオ会長の越智直正さんは、「長嶋

選手(現、読売巨人軍終身名誉監督)の

バットを買えば、ヒットが打てるように

なると勘違いしている人が多い」と

お話しされていましたが、経営者の

方は、何か新しいツールを採り入れれば、

短絡的にそれで課題が解決すると思って

しまいがちです。


日報に限ったことではありませんが、

新しいツールを導入したときは、それを

使いこなす腕も必要になります。


日報を導入しても業績が変わらない

会社は、それを使いこなすことが

出来ていないからでしょう。


ただし、「日報を導入する」という

言い回しも不正確ですので、本当は、

「日報を活用したPDCAの実践」と

いう言い方が正しいのでしょう。


ですから、日報を使いこなせない→

PDCAができない→事業が成行管理

となっている→適切な事業が実践され

ない→業績がよくない、ということに

なるのでしょう。


そして、もし、「そんな日報は面倒だ」と

考えている方がいるとしたら、それは、

単に、「きちんとした経営が面倒だ」と

お話しされているに等しいと私は考えて

います。

 

 

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