鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

社長が語ると業績がよくない

先日、小山昇さんが、ラジオで次のような

ことをお話しされていました。


すなわち、社長が語ると会社は業績がよく

ない。


会社の方針が社長の考えに偏るからだ。


社長は、従業員全員の意見をきいて、

よいと思ったものを採用するように

すべきだ。


そうすると、従業員の方もやる気が出る。


小山さん自身も、会社では全員の話しが

終わるまでしゃべらない、ということ

でした。


このことは、多くの方が賛同されると

思います。


そして、私も、ここで「従業員の方の

意見をきくようにしましょう」などと、

改めて述べるつもりはありません。


述べたいのは、このようなことが

分かっているのに、それができない

経営者の方が多いということです。


小山さんのお話しも納得できるもの

ではあるものの、多くの会社経営者の

方をみると、自分の方針で事業を進め

たいから会社を起こした。


それなのに、社長になったら、今度は

従業員の方の意見をきかなければ

ならないというのであれば、会社を

起こした意味はない、と考える方も

いるでしょう。


ここで、ひとつ視点が欠けていることが

あります。


それは、「自分の方針で事業を行う

=会社が黒字になる」ということに

なっているかどうかということです。


これについても、「自分の方針は事業を

成功させるための方針だ。だから自分の

方針で事業を始めようとしているのだ」

と反論されるでしょう。


この反論については、テストマーケ

ティングをするなどの、客観的な根拠を

持って臨む方は成功する確率は高いと

思いますが、私がこれまでお会いした

方の大多数は、自分がそう考えている

というだけで、客観的な根拠は持って

いません。


客観的な根拠なしに、自分が成功すると

思うから、その方針で事業を行うという

ことであれば、小山さんが指摘した、

自分の意見しか通さない会社の社長と

同じということでしょう。


結論としては、社長の役割は、自分の

考え方を実践することではなく、成功

することに責任を負い、そのための

意思決定をするということです。


この考え方を抜きにしては、事業は独り

よがりになり、社長は裸の王さまになって

しまうでしょう。

 

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