鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

妻は夫の事業が成功して欲しくない?

私はサラリーマン川柳がすきで、ときどき

第一生命さんのWebPageを見て

います。

(参照→ https://goo.gl/aNFjkL


川柳には、職場の様子をよんだものも多い

ですが、夫婦関係が最も多いと思います。


中でも、私は、平成28年の57位だった

「サラ川で 妻の仇あだ打つ ダンナ達」

という句に共感しました。


妻にはなかなか頭が上がらない夫が多い

のだと思います。


どころで、夫婦関係については、作家の

本田健さんがセミナーで言っていた、

次のような言葉を思い出します。


「夫が大きな風船のひもにつかまって、

ふわっと上昇しようとしているのを

見ると、妻は、吹き矢を吹いて、その

風船を割ろうとする」


これは、夫が会社員を辞めて会社を

起こし、新しい事業を始めてようやく

成功しようとしているとき、かつて、

「その事業は成功しそうもないから、

独立などせずに、会社で働き続けて

欲しい」と、新しい事業に反対して

いた妻が、自分の主張が間違っている

ことになりそうな状況を見て、夫の

事業が成功しないように夫の邪魔を

することの比喩です。


本田さんは、妻がなぜ夫の事業の邪魔を

しようとするのかということまでは

お話ししていないのですが、私は、次の

ようなことが理由だと思っています。


すなわち、サラリーマンだった夫が

会社経営者になり、経営者として成功

してしまうと、自分はその経営者の

妻ということになり、いままでのような

平凡な立場ではいられなくなる。


また、夫が成功者になってしまう一方で、

自分がいままのままでいたら、夫婦間で

つり合いがとれなくなってしまうのでは

ないかという不安を持つことから、

夫には変わらないで欲しいと考えている

ということではないかと思っています。

 

ここで誤解のないように補足しておき

ますと、本田さんは、夫の邪魔をする

妻を批判しているのではなく、夫は

仕事にばかりかかわって独走する

のではなく、妻の気持ちを慮ることが

大切ということを伝えるために、この

ような事例をお話しされているものと

思っています。


話しをもどすと、実は、このような

ことは、中小企業の経営者と従業員の

間でも起きる例を、私は見てきています。


すなわち、優秀な部下がいると、経営者は

その部下を煙たがります。


その理由は、優秀な部下は、社内での

自分の立場を危うくすると考えるからの

ようです。


これはいうまでもなく、本当は、優秀な

従業員が社内にいるということは幸運な

ことなのに、その部下を煙たがると

いうのは、経営者としては了見が狭いと

言えるでしょう。


ここで挙げた例のような経営者は少数派

ですが、経営者の方は器量を大きくする

ことが最初に求められるということを

改めて考えさせられた次第です。

 

 

 

 

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