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鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

融資審査のプロセス

今回は、中小企業から申し込みされる

融資はどのように審査されていくのか

ということについて、私の経験から

書いてみたいと思います。


銀行の融資係の労力の約半分は、

既存の融資の反復融資の手続きです。


既存の融資とは、短期借入金が主な

もので、期限が到来すると、ほぼ、

同額の借入の申し込みがあるので、

その新たな融資の手続きを行います。


既存の借入の反復融資は、ある程度、

前もってスケジュールが分かるので、

取引先には、引き続き融資を受けるか

どうか、融資を受ける場合は、どういう

書類が必要かということを、2か月から

1か月前に知らせておきます。


こうすることで、既存の融資の期限が

到来しても延滞とならないように

します。


残りの30%は、新規の融資の手続き

です。


新規の融資は、当然のことながら、

事務手続きは既存の融資よりも多く

なります。


まず、融資の申し込みを受けた職員は、

「融資面談報告書」などといった名称の

報告書で、融資の申し込み内容を渉外係

→融資係→支店長といって順に回付され

ます。


これは、実質的な事前稟議書になり、

よほどのことがなければ、正式な融資

稟議書で内容が覆ることはありません。


私が融資係にいたときは、難しそうな

案件であっても、融資面談報告書で

融資を実行する方針になっていると、

むりやり融資可能な理由をこじつけして

融資稟議書を書いていました。


融資稟議書は正式な書類ですが、そも

そも、それが書かれる時点で融資を

実行することは固まっており、詳細な

条件を記載したり、案件に問題が

ないかということの最終確認が、

正式な融資稟議書で行われるという

ことになります。


ここまでの説明を読むと、申し込んだ

融資はすべて承認されてしまうような

印象を持たれると思いますが、やはり、

承認されない案件もあります。


大幅な赤字の会社、借入額が過剰な

会社、異例な条件が多い案件、

何らかの疑わしい事情がある案件

などは、融資面談報告書が回る

時点ではじかれることになります。


そもそも、銀行も、何とかして融資額を

増やそうとしているわけですから、

融資を検討するということは、

「どの融資を断るか」ではなく、

「この案件は取り上げることができ

そうか」という判断をしています。


いわば、取り上げるべきかどうかの

ラインの上にある案件を、前述の

融資面談報告書などで検討している

ということです。


ここまでの説明で、銀行に融資を

申し込む中小企業経営者の方は

どうすればよいかということですが、

それは、早めの対応をするという

ことに尽きます。


前述の、融資面談報告書の段階で、

ほぼ方針が固まるわけですから、

きちんと資料をそろえ、論理固めを

して銀行に申し込むことが確実です。


「承認が得られるかどうかわから

ないけれど、ひとまず銀行に行って

みよう」という程度であれば、

むしろ行かない方がよいと私は

考えています。


そのような状況であれば、顧問

税理士の方か、融資に詳しい

コンサルタントに相談して、

きちんと理論固めをすることを

お薦めします。


準備が十分でない段階であっても

どうしても銀行に探りを入れて

見たいということであれば、銀行の

職員の方とお話しする時点で、

「きょうはご相談で来た。正式な

申し込みは、後日、詳細な条件を

固めてから改めて行いたい」と

明確に伝えてからお話をすると

よいでしょう。

 

 

 

 

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