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鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

安くてよい商品

前回、価値連鎖分析について説明をしま

したが、この価値連鎖分析に関して、ある

ことを思い出しましたので、今回はその

ことについて述べてみたいと思います。


あることというのは、中小企業経営者の

方の中で、起業をしたきっかけとして、

「大手では提供できないような安くて

よい商品を提供したいと思ったから」と

いうようなことを、何人かの方からきく

ことがあります。


この考え方は、すばらしいように感じ

られるのですが、私は素直に評価でき

ないと考えています。


というのは、ものあまりの時代の現代は

粗悪品を提供する事業は、まったくと

いっていいほどありません。


まれに、粗悪品が販売されることがあり

ますが、そのようなことをした会社は、

商品そのものを批判されるだけでなく、

会社の姿勢が批判され、事業を継続でき

なくなってしまいます。


すなわち、現代は、「よい製品を販売

する」ということは、+αではなく、

必須の要件になっているということと

いえます。


つぎに、安く販売するということに

ついても、デフレ進行が止まらない

状況にあって、安いことも当たり前に

なっています。


そして、大手の会社の方が、規模の

メリットを活かして、この安値競争

では、優位な地位にあります。


ですから、「よい商品を安く提供する」

という考え方は、販売する側から見て

志の高い方針のように見えても、買う

側から見れば、すでに当然のことに

なっていて、その方針だけでは注目

されなくなってきています。


ここで、「私はそのような方針をとる

ようなことをしていない」と考える

経営者の方も多いと思いますが、売上が

思うように伸びないとき、安易に、

値下げで現状を打開しようとする方が

多いと思います。


これも、「よい商品を安く提供する」と

いう方針と、何ら変わりないと私は考えて

います。


結局、中小企業では不利な価格競争意外に

対処法がなく、それは結果として、大手に

敗れることになります。


では、ここまで述べたことが、価値連鎖

分析とどう関係するのかというと、

「よい商品を安く提供する」という考え

方をしている方は、要は商品と価格に

しか注目していないということです。


一方、価値連鎖分析では9つの活動が

あるわけですから、その中の生産活動と

販売活動以外の活動で価値を産み出す

ことを考えていないというのは、経営者と

しては、視野が狭いと私は考えています。


そして、これは、私の経験から述べるの

ですが、生産活動や販売活動以外の活動で

価値を産み出すことを、売上が伸び悩んで

いる会社の経営者に対して提案しても、

及び腰になります。


というのは、ものを作って売るという活動

以外で価値を産み出すということは、実は

難易度が高いのです。


例えば、「アフターサービスで価値を産み

出しましょう」とか「技術開発で価値を

産み出しましょう」としても、それは、

一朝一夕でできることではありません。


このように述べると、少し上から目線に

なることをご容赦願いたいのですが、

「よい商品を安く提供する」という

方針は、私には「難しい分野で競争する

ことは避けたい」という経営者の方の

意図が見えるのです。


では、どうしたらよいのかとうことに

ついては、また、別の機会に述べたいと

思いますが、これから起業しようとする

方、そして、現在、業績不振で業況を

改善しようと考えている方は、価値連鎖

分析で、どうやって価値を産み出すのか

ということを、よく検討することが

大切だと私は考えています。

 

 

 

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