鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

先頭ランナーだけがゴールすればよいか

タイトルからわかる通り、今回の記事の

結論は、経営者の方は、自分だけがゴール

して満足すべきではなく、きちんと、

従業員の方全員がゴールすることを目指す

べきだということを伝える内容です。


経営者の方の中には、結構、気が短く、

事業をマラソンに例えると、すぐに走り

出してしまう方は少なくありません。


そして、社長はいきいきとしてマラソン

コースを走り抜け、先頭でゴールした

とたん、その100m先に、また別の

マラソンのスタートラインがあると、

いまゴールしたばかりのマラソンには、

まだ多くの従業員の方が走っているにも

かかわらず、社長は新しいレースに参加

してしまう、こんな例えに対して、

身に覚えがあるという方は少なくないと

思います。


このような気の早い社長は、「自分は

いつもマラソンで先頭ランナーでいたい

から会社を起こしたのだし、それが

事業の発展にもなるのだから、何が

まずいのか」と考えていることでしょう。


とはいえ、私がここで改めて述べるまで

もなく、急成長する会社は倒産しやすい

ということは昔から言われています。


急成長して倒産した会社の、最近の

典型的な例は、英会話教室のNOVAが

該当するでしょう。


このような例があるにも関わらず、

急速に売上を拡大し、倒産してしまう

結果になることは、経営者としても

本意ではないでしょう。


とはいえ、私も、会社がなるべく速い

速度で成長することは望ましいと

考えています。


問題なのは、社長だけがゴールライン

通過することで社長が満足してしまう

ことです。


もし、速度を高めて会社を成長させたい

のであれば、従業員全員を鍛え、最後の

ひとりがゴールする時間を早めることが

必要です。


この比喩で表現した内容は、具体的には、

会社の体制整備がかかせないということ

です。


売上高を伸ばせば、それなりの体制を

つくらなければなりません。


体制の分かりやすい例は、従業員の能力

です。


にわかに雇った従業員は、多くの仕事を

こなすことで手いっぱいになります。


ですから、コストパフォーマンスの悪い

仕事しかできなくなり、効率性が低く、

その体質はやがて多くの赤字をもたらす

ことにつながります。


今回の記事の結論は、社長の仕事は、

自分がゴールテープを切ることでは

なくて、従業員全員がゴールすることを

支援することだということです。


この仕事は地味な仕事なので、あまり

やりたがらない人も多いでしょう。


しかし、繰り返しになりますが、独善的な

経営者の経営する会社は長続きしません。

 

 

 

 

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