鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

経営者はリスクに鈍感

公認会計士の加藤茂さんが配信している

ポッドキャスト番組で、フタバ鶏卵株式

会社の平子健司社長が、次のようなお話を

されておられました。


(ご参考→ http://ka-real.com/f040/


すなわち、かつて、経理システムを

コンピューター化しようとしたとき、

経理部の従業員たちが大きな不安を

感じさせてしまった。


経営者は、常にリスクと向かい合って

おり、安全でないことに鈍感になって

いる。


そのため、経理部にパソコンを導入する

ことくらいでは、たいした負担はない

だろうと考えがちである。


しかし、当事者となる経理部では大きな

ストレスを感じていることに、経営者は

気付かないでいた。


その結果、社長が「これをやろう」と

思ったとき、後ろを振り向いたら従業員は

こちらを向いて、みな、手を振るだけの

状態になってしまう。


経営者は、自分がストレスを感じない

からといって、従業員も不安を感じない

と考えてはならない、というものです。


私は、このような状態の会社を、かつて

から多く見ており、そのような会社の

改善のためのお手伝いをすることを、

コンサルタントとしての仕事の大きな柱の

ひとつとしています。


前述の平子社長の教訓は、多くの方が理解

なさるものとは思いますが、実際にはその

ような状況に至っている会社は少なくない

ようです。


というのは、事業を始めた方の多くは、

事業そのものに関心があり、その事業を

実行するために会社を起こしています。


ですから、その事業を営むための組織

への関心は相対的に低いようです。


このようなことが、平子社長が反省した

経験に至ってしまったと考えられます。


今回の記事の結論は、会社を発展させて

いくには「事業」だけでなく「組織」の

運営も大切な要素となっているという

ことを認識する必要があるということ

です。


このことを理解されているだけでも、

経営者の方は、ライバルと組織の力で

大きく差をつけることができると私は

考えています。


(ちなみに、小職の新刊は、このことを

土台となるテーマとして書いております

ので、ご関心のある方はお手元に置いて

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なお、誤解のないように付言致しますと、

私は、経営者の方がリスクに鈍感で

あってはならないとは思っていません。


むしろ、リスクを恐れてばかりいては、

意思決定が遅れてしまうことが懸念

されます。


そういう意味では、リスクに鈍感な方が

経営者に向いていると思っています。


ただ、自分の感覚を従業員の感覚が同じで

あると考えてしまうことは避けるべきで

あるということが、今回の記事のポイント

であるということです。

 

 

 

 

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