鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

携帯電話の功罪

携帯電話は、20年くらい前から普及

してきましたが、ほんとうにすばらしい

道具だと思います。


単に、外出先でも電話ができるという

だけでなく、短文のメッセージを送る

ことができたり、スマートフォンでは

動画を観たり、電子メールの受発信が

できたり、SNSへの投稿ができたり、

写真を撮って保存できたり、通信販売で

買い物ができたりするなど、20年前は

想像できなかったことができるように

なりました。


しかしながら、携帯電話のおかげで、

残念に感じることがらも増えました。


まず、携帯電話を使って犯罪が行われる

ということもありますが、経営コンサル

タントとして残念に思うことは、人の

能力が落ちてしまうということです。


まず、携帯電話ですぐに連絡をとる

ことができるようになったため、電話を

して、ただちに回答が得られないと

いらいらしてしまう人が増えたという

ことです。


いまで、希に、携帯電話を持たないと

いう人を見かけますが、それは、この

ような暗い部分が見えるからでしょう。


そして、私が懸念することの具体的な

ことは、携帯電話を持っていることで、

事業に携わる方々が、考えることを

しなくなってしまうということです。


例えば、営業マンの方が、お得意先を

訪問し、その会社の社長から値下げの

要望を受けたときに、その営業マンは

何も考えずに上司に判断を仰ぐような

場合です。


もちろん、すぐに問題を社内で共有する

ということはよいことなのですが、携帯

電話によって上司と部下の連絡が取り

やすくなったことから、結果的に、

部下は上司と一緒に得意先を訪問して

いることと同じことになってしまい、

独り立ちをしなくなってしまいます。


ここでは単純な例を書きましたが、

便利な道具は、人の本来持っている

能力を衰えさせてしまうこともあると

いうことも認識しておかなければなら

ないと思います。


私は、情報機器はどんどん事業に採り

入れるべきだと考えていますが、その前提

として、人が機械に使われるということは

避けるという前提が必要だと思って

います。


事業の情報化武装を進める過程に

おいては、いくつかの課題がありますが、

ユーザーに十分な情報機器リテラシー

備えるということは忘れられがちになって

いると私は感じています。

 

 

 

 

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