鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

クイックレスポンスの薦め

私は銀行勤務時代、渉外係を約10年間

務めましたが、実は、性格が外交的では

ないということもあり、営業活動は得意

とは言えませんでした。


しかし、少なくとも、苦情にはならない

ように努め、そのひとつが、すぐに

返事をするということでした。


逆に言えば、同僚を見ていて、苦情が

起きる時は、回答が遅い時でした。


回答が遅いということが起きる

原因にはふたつの例があり、

そのひとつは、社内での方針決定に

時間がかかる場合です。


ふたつめは、渉外係が用件を告げられた

にもかかわらず、誰にも報告せずに、

ひとりで抱えていた場合です。


前者の場合は、会社での意思決定に

時間がかかっていたとしても、

経過報告をすれば、大抵は苦情を

防ぐことができます。


後者の場合は、苦情になったときは

何の弁明もできなくなるので、

それを防ぐためには、管理者の方は

どんな小さなことでも、報告しにくい

ことでも、報告をしやすい体制を

整えておくことが求められます。


話しを戻して、「すぐに回答をする

ということは当りまえのことであり、

そして、それを怠れば、顧客から

信頼をなくすことも言われるまでも

ないことだ」と考える方は多いと

思います。


しかしながら、これも、あまり実践

されていないと私が感じたため、

今回の記事にしました。


素早い回答が実践されない理由は

主にふたつあると思います。


ひとつは、「回答をする=相手の

要望を受けいれる」ことであると

考えている人が少なくないという

ことです。


確かに、顧客から依頼を受けた

ことを何でも受け入れなければ

ならないとすれば、気が重くなり、

回答も後回しにしたいという

気持ちになりがちでしょう。


しかし、ここでは、回答をする

ことが問われているのであり、

断ることも回答に含まれます。


中には、時間をかけて考えたいので、

受け入れるかどうかを決めるまでに

時間を必要とする場合もあるでしょう。


このような場合は、2~3日後までに、

「うけたまわったご要望は、これから

社内で検討しますが、今回の案件は

複雑であり、正式な回答をするまでに

ある程度の日数が必要です。


当社の希望としては●月●日までに

ご回答をしますので、ご了承いただく

ことはできますでしょうか?」という

ご連絡をするだけでも、

苦情は大分減るでしょう。


ふたつめは、素早い回答をすることが、

必ずしも収益を上げることにはつながら

ないということです。


言い換えれば、素早い回答は、苦情が

でないようにするための対応であり、

素早い回答をすれば売上が増加する

ことには直結していないことから、

これに熱心に取り組む価値はあまり

高くないと考える方もいるでしょう。


ここは、意見の分かれるところであり、

これは、会社の経営者の方の判断に

委ねられる部分であると思います。


しかし、素早い回答を行うという

ことは、社外だけでなく、社内の

仕事に対してもよい影響を与える

ということは、多くの方が理解

されると思います。


素早い回答をするという習慣は、

社内の業務の効率化につながるし、

社外とのやり取りも円滑になるという

観点からは、私は、これにも積極的に

取り組むべきと考えます。

 

 

 

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