鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

銀行からの真の評価は5年目以降

創業後、5年程度の会社は、よほど

業績が悪くない限り、銀行から

融資のセールスを受ける機会が

多いと思います。


それは、創業のための制度融資や

制度保証充実しているということと、

融資額があまり大きくないという

ことが要因だと考えられます。


これを言いかえれば、銀行が

あまりリスクを取らずにすむ

取引であるから、セールスを

してくるということでしょう。


しかし、創業後、5年以上が経ち、

事業規模が拡大してくると、

それにともなって資金需要も

大きくなってきます。


自社が受けている融資額が、

おおよそ5,000万円を

超えてくると、銀行側も慎重な

姿勢をとるようになるでしょう。


ただ、慎重といっても、決して

消極的になるということでは

ありません。


業績がよい方向に向かうという

ことが理解されれば、積極的に

融資取引を続けてもらうことが

できるようになるでしょう。


言いかえれば、融資額がある

程度の量になってから、銀行は

その会社の方針を決めるという

ことです。


これは繰り返しになりますが、

融資額が5,000万円程度を

超えるようになると、銀行が自ら

リスクをとって融資をすることに

なるからです。


融資額が増えたり、銀行自身のとる

リスクが増えると、それなりの態勢を

整えることになります。


場合によっては、必ずしも業績が

下向くとは限らないけれども、

リスクを増やしたくないという

考えから、「現状維持」という

判断をする銀行もあるでしょう。


一方で、同じ会社に対してでも、

業績を見極める自信があったり、

回収ノウハウを多く持つ銀行では、

ある程度のリスクが見込まれても

積極方針で臨むこともあるでしょう。


このような銀行は、比較的、融資総額の

多い(約3兆円以上)銀行です。


今回の結論としては、創業後、5年

までは、事業が離陸して軌道にのる

までの期間です。


それまでは、融資額も比較的少額で

あることから、融資は受けやすいと

いうことです。


真に自社が評価されるのは、

事業が軌道にのって融資額が

5,000万円を超えるように

なってからです。


ここからの評価が、銀行の自社に

対する真の評価ということが

いえるでしょう。


このような段階になってから、

銀行の協力が得られなくなって

しまわないように、自社の情報を

積極的に開示することと、

また、リスクを積極的にとる

銀行を見極めておくことが

大切です。

 

 

 

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