鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

事業計画

事業改善をお手伝いする方に対しては、

まず、事業計画をつくる所から着手

します。


ところが、この、事業計画を作成する

こと、そのものがたいへんな作業に

なることがあります。


そもそも、今後の売上見通しを明確に

することが難しいようです。


(裏を返せば、今後の売上見通しを

立てられないから、業績があがらない

のかもしれません)


今後の売上の見通しはどのように

立てるのかと言えば、これは、一般に

認知されている方法ではありませんが、

私は、(1)利益が得られる売上高、

すなわち損益分岐点売上高を最低限の

目標とする、(2)販売見込を積み

上げていき、それを会社全体の売上と

する、という方法を示しています。


至極あたりまえの方法で、これなら

誰にでもできそうがというように

感じられるものです。


しかし、現実には、このような方法で

売上計画を作成することでさえ、事業

改善をしようとする会社にとっては

負担のようです。


なぜかといえば、事業計画を立てる

ことによって、誰が、何を、いつまでに

実行しなければならないのかという

ことが浮き彫りになってくるからだと

思います。


これは、あまり業績がかんばしくない

会社にとって、「いま以上にやらな

ければならないことを増やしたくない」

「いまの仕事の内容をかえたくない」

という心理が働いているということ

だと思います。


しかし、実は、事業計画の本当の

狙いは、数値を明確にすることでは

なく、現状を変えなければならない

ということを理解してもらうことと

私は考えています。


ある意味、事業を改善しなければなら

ない会社にとって、嫌なところに触れる

ということです。


ただ、これを言いかえれば、事業計画を

つくるだけでも、事業改善の50%は

達成したも同然と私は考えています。


要は、事業を改善できないでいる会社は

ずっと臭い物に蓋をする状態を続けて来て

いるわけですから、事業計画を作成する

ことで、その蓋を開けることができ、

だから、事業改善の50%を改善できたも

同然と言えるでしょう。


実は、この計画立案と業績改善の関係に

ついては、明確な因果関係を示すことが

できないため、特に計画を作成することに

否定的な方に対しては説得力が小さいの

ですが、少なくとも、業績が芳しくない

にもかかわらず、事業計画を立てずにいる

会社が、事業改善のためのあらゆる手段を

やりつくしたとはいうことはできないで

しょう。

 

 

 

 

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