鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

多角化戦略

多角化戦略は多くの方がご存知です。


また、これを実践している会社も多い

でしょう。


まず、多角化戦略とはどういう戦略かと

いうと、自社の既存の製品でない新しい

製品を、自社の既存の顧客でない新しい

顧客に販売する戦略です。


そして、この多角化戦略にはいくつかの

種類があります。


ひとつめは、自社の既存の顧客に対して、

新しい事業で新しい製品を供給する、

水平的多角化です。


例としては、鉄道会社が駅の近くで

分譲住宅を販売するという多角化

挙げられます。


ふたつめは、自社の供給する製品に

ついて、川上、または、川下に向かって

事業を展開する、水平型多角化です。


例としては、卸売会社が、自らも小売を

行ったり、または、販売先から得られた

情報に基づいて売れそうな製品を自ら

製造したりするという例が挙げられます。


みっつめは、自社の事業と関連のある

事業に進出する、集中型多角化です。


例としては、石鹸の製造会社が、衛生

用品や化粧品を製造する事業会社に

進出する例が挙げられます。


よっつめは、自社の事業や顧客と関連の

ない事業に進出する、集成型多角化です。


例としては、ラジオなどを製造してきた

ソニーが、保険などの金融事業に進出した

例が挙げられます。


と、ここまで多角化戦略について説明して

来ましたが、結論は、現在は、多角化戦略

以外の事業展開はほとんどなくなっている

ということです。


これを言い換えれば、事業を新たに展開

しようとすれば、多角化戦略しかない

ということです。


かつては、多角化戦略は、リスクの大きい

戦略であると認識されていました。


因みに、事業展開に関する戦略で、多角化

戦略以外の戦略は拡大化戦略といい、

拡大化戦略には、市場浸透戦略、製品開発

戦略、市場開拓戦略などがあります。


これらの拡大化戦略は、リスクは小さい

ものの、それに対応して収益も小さくなる

ので、うまみがあまりないということに

なります。


要は、経済活動が高度に発展している

社会にあっては、それなりのリスクを

とらなければならなくなってきたこと、

また、経営者もかつてよりマネジメント

スキルが高くなってきているという

ことです。


例えば、それぞれの業界でリーダーと

なっている、ユニクロニトリ、サイ

ゼリヤなどは、いずれもサプライチェーン

(供給連鎖)の効率化で優れた会社である

という点で共通しています。


ですから、このような会社は、提供して

いる製品で業種を判断すべきではなく、

仮に、ニトリがファストフード業界に

進出したとすれば、サイゼリヤの強力な

ライバルになると私は考えています。


結論としては、現在は、マネジメントの

優劣で競争する時代になっているという

ことです。

 

 

 

 

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