鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

ころがし融資

銀行の専門用語で、ころがし融資という

ものがあります。


ころがし融資は、融資先が商品や材料を

購入するときの資金不足を補うために

行う融資なのですが、返済期限が到来

しても、新しい契約を結び直して、

従来の借入を返済させることなく、

そのまま新しい契約の融資に切り替える

融資のことです。


これは、融資を受けている側から見て、

返済期限が到来しても新しい融資に

切り替わるので、ずっと利息だけを払い

続け、元金の返済はしない状態となり

ます。


そのため、このような融資をころがし

融資といいます。


実は、これはややこしい面があります。


というのは、元金の返済がない融資を

ずっと続けている融資というのは、

外見上は、資金繰が悪化している会社に

対して、リスケをしている状態と変わりが

ないということになるからです。


そのため、銀行によっては、このころがし

融資は消極的に行っているところもある

ようです。


しかし、業績のよい会社には、ずっと

融資をしていたいとの思惑から、ころがし

融資をすることもあります。


融資を受ける側から見ても、返済期限が

到来するたびに返済しないですむという

ことから、ころがし融資は便利な面が

あります。


そこで、ころがし融資を受けられるように

するための方法を説明します。


ひとつは、よい業績を維持しながら、

短期借入を期限までに返済することを

繰り返していきます。


当然、返済する前に、返済後の反復借入を

申し込み、その承認を得ておきます。


このようなことを繰り返して実績を積む

ことによって、タイミングを見計らって

ころがし融資を打診する方法です。


もうひとつは、融資専用の当座貸越契約を

結ぶ方法があります。


これは、いわゆる「融資枠」の契約で、

信用保証協会の保証条件で契約することが

できます。


(ご参考→ https://goo.gl/cfwAfX


(ただし、返済方法を「随時弁済」とする

契約の場合のみ、前述のようなころがし

融資と同じ融資を受けることができます)


ある面で、ころがし融資を受けることが

できる会社は、銀行からの評価も高いと

いうことでもあり、このような会社を

目指すということをお薦めしたいと

思います。

 

 

 

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