鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

陰徳

「陰徳」は進んで実践すべきことと

多くの方が考えておられると思いますが、

実際にはなかなか実践が難しいようです。


その理由は、私自身も含まれますが、

人はよいことをすると、ついつい見返りを

求めてしまうからです。


例えば、ボランティアをしたり、寄付を

したりすると、それを他人に自慢したく

なったり、また、他人から褒められたく

なったりします。


もし、ボランティアや寄付をしても、

そのことを自慢したり褒めてもらったり

すると、結局、他人を助けることが

最終的な目的ではなく、自慢することや

自分を褒めてもらうことが最終的な

目的となってしまい、徳業を積んだ

ことにはならなくなってしまいます。


もう少し陰徳について説明すると、

これは「情けは人のためならず」という

ことわざで表されているとおり、自分

ひとりだけのことを考えず、世の中の

ためになることをすると、それは、

いずれ自分のためにもなることであり、

目先のことにとらわれず行動しようと

いう考え方が根底にあるのだと思います。


ここまで陰徳について述べてきましたが、

経営コンサルタントの立場であるにも

かかわらず、経営者の方に対して道徳的な

ことを実践しましょうということを述べる

つもりはありません。


経営者の方は、高いポジションにありな

がら、普段、思い通りにならないことに

直面しても、かえって身を引かなければ

ならないことが多々あると思います。


顧客、仕入先、従業員などからさまざまな

要望が届くと、「みななんて好き勝手な

ことばかり言うのだろう」と感じることが

多いと思います。


中には、「会社経営者になんてなるもの

ではない」と感じている人もいるのでは

ないかと思います。


そのようなとき、陰徳の考え方がその

気持ちをやわらげてくれるのではないかと

思い、今回の記事に書きました。


会社組織や、会社の事業と関わりを持つ

ステークホルダーとの関係を良好に保つ

役割は、経営者にとって重く課せられる

ものですが、板挟みに遭うような気持に

なったときは、「ここで、自分よりも

他者を優先して行動することは、結果と

して自分のためにもなる」と考える

ことで、自分を奮い立たせることになると

思うし、また、もし、それを実践して

業績があがらなければ、私はおかしいと

信じています。

 

 

 

 

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