鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

衛生要因・動機付け要因

米国の臨床心理学者のフレデリック

ハーズバーグが提唱した、衛生要因・

動機付け要因は、ビジネスに携わる

方々の多くに知られています。


簡単にその内容を述べると、人は、

仕事に関して、不満足を感じる原因と

なる衛生要因と、満足を感じる原因と

なる動機付け要因があるということです。


衛生要因の具体的なものは、会社の

方針や職場の環境で、これらが不十分な

ときに、不満足を感じます。


動機付け要因の具体的なものは、仕事の

内容、達成感、承認などで、これらが

十分であれば満足を感じます。


ここでポイントとなるのは、不満足を

感じる要因を取り除くことで、不満足は

感じなくなるものの、それだけでは

満足はしないということです。


これは逆のことを言うこともでき、

満足を感じる要因が不十分でも、不満を

感じることにはならないというものです。


例えば、職場の人間関係をよくすることで

従業員の方は不満を感じなくなりますが、

それだけでは満足を感じることにはなら

ないということです。


逆に、会社で達成感を味わうことがなく

なった場合、満足感を感じなくなって

しまいますが、それだけでは不満を感じる

ことにもならないということです。


したがって、不満を感じる要因を取り除く

ことと、満足を感じる要因を増やすことが

大切ということを示唆するものが、ハーズ

バーグの理論です。


ところで、この衛生要因・動機付け要因は

会社の従業員に対する研究ですが、これは

顧客にもあてはまるのではないかと私は

考えています。


例えば、飲食店を営んでいる会社が、

売上を増やそうとして、美味しい料理を

提供することに努力しているとします。


しかし、それだけでは顧客が増えない

可能性があります。


店が清潔である、従業員の接客時の印象が

よい、料理をオーダーしてから給仕される

までの時間が短い、などの要因がなければ

仮に料理がおいしくでも、また利用しよう

という気持ちにならないかもしれません。


得てして、事業に関するスキルの高い人は

製品のよさで勝負しようとすることがあり

ますが、顧客が購買しようとする判断も、

満足する要因だけではなく、不満の要因が

ないということでなければ、購入につな

がらないと私は考えています。


これも、私が述べるまでもないことの

ように思われる当たりまえのことなの

ですが、自社の製品や商品の売上が伸び

ないとき、何がネックとなっているのか、

満足を感じる要因と、不満を感じる要因に

分けて考えてみると、現状を打開できる

ヒントが見つかるかもしれません。

 

 

 

 

 

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