鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

融資申し込みは2人称で

融資の相談を受けるときに、よく困る

例として、「●●のために、●●円の

融資が必要になる」という説明だけを

受けるというものがあります。


例えば、レストランを開業しようと

する人から、「店舗を借りるための

保証金として100万円、内装費と

して300万円、FC加盟料として

200万円、その他準備金として

200万円が必要」とだけ説明され

ます。


もちろん、これだけの情報では融資を

受けることはできません。


なぜなら、銀行から見て融資した

お金が返済されるかどうかがという

ことが分かる情報が含まれていない

からです。


「銀行は、お金に困っている人に

融資することが仕事」ということに

間違いはないのですが、融資するには、

融資したお金が返済される確実性が

高いということを、事前に確認できる

ことが必要です。


このことも当然と考える方が多いと思い

ますが、融資を受けたいと考えている

方の中には、いくらの融資が必要かと

いうことだけしか説明しない人がいる

時があります。


これは、「私は●●のために●●円の

融資が必要です」と、1人称で説明

すればよいとだけ考えているから

でしょう。


しかし、「私は●●円の融資を必要と

していますが、その融資を受けることに

よって私の事業は●●円の利益を獲得

できる見込みであり、あなた方は私に

安心して融資ができることになります」

と、2人称で説明しなければ、銀行は

融資を承認しないということは当然と

言えます。


これを一言で言えば、黒字の見込める

事業計画書を銀行に提出するという

ことです。


ここで、「事業計画書を作成せず、

自社の始めようとする事業が黒字に

なるかどうかわからないのに、銀行に

融資を申し込めるはずがない」と

考える方もいるでしょう。


しかし、「自分が始める事業は黒字に

なるはずだ」とは考えてはいるものの、

具体的に数値で説明できるところまで

詳細には明確にしていない状態で融資の

申し込みをしようとする方は意外と多い

ようです。


そのような方が、前もって、税理士の

方や、私のような専門家に相談をして

いれば、まだ、チャンスは残るのですが、

事業計画書も作らずに自ら直接銀行に

行き、融資申込をしたが断られ、どう

したらよいか困っているという方に

会う時もあります。


そのような方に対しては、単に「自分が

融資が必要だから」とだけ考えずに、

「融資をする銀行にとっても安心して

融資できる事業です」という説明が

必要だという、相手の立場に立った

視点を持って融資申込に臨んでいればと、

残念に思っています。

 

 

 

 

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