鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

1次品質・2次品質・3次品質

藤村正宏さんのご著書「安売りするな!

『価値』を売れ!」( http://amzn.to/2xh6YXR )

を拝読しました。


同書の内容は、商品の価値を正確に伝える

ことで、商品は売れるということを実例で

示しています。


そのひとつの例として、「元祖羽田空港

ひとくちおこわ」( https://goo.gl/9mCCRx )

が紹介されていました。


この商品は年間50万個売れているそう

です。


そのポイントは「飛行機に乗る前に搭乗

ゲート近くのベンチでカンタンに食べ

られるおこわ」という商品にしていること

です。


これは、この商品を開発した岡田美佐代

さんが、自分で食べたいものだったそう

です。


すなわち、空港でお弁当を食べるのは

恥ずかしいけれど、飛行機に乗る前に、

おいしいものをさっと食べたいという

ニーズに応える商品として開発した

そうです。


そして、この商品のポイントを顧客に

伝えることで、岡田さんの思いに共感した

人が購入するということにつながっている

ようです。


この成功例は多くの方が理解できると

思いますし、また、実践できそうだと

考えると思います。


しかし、実践はなかなか難しいように

私は考えています。


ところで、商品の品質には、1次品質、

2次品質、3次品質という考え方が

あります。


1次品質とは、機能、性能などのことで、

2次品質とは、商品が顧客の感性やライフ

スタイルに合っているかどうか、3次品質

とは、ステイタスが高い、環境に配慮して

いるかどうかなどのことを指します。


前述のひとくちおこわは、2次品質の

ライフスタイルの部分を強調したから

こそ、売れる商品となったのでしょう。


商品が売れるかどうかというのは、藤村

さんが指摘しているように、価値を正しく

顧客に伝えることが基本です。


ところが、自社の製品の価値は何なのか

ということを把握することはなかなか

難しいようです。


例えば、お弁当を売る場合、多くの

場合は地元特産品であるとか、伝統

料理であるとか、新鮮で味がよいと

いうことを強調してしまいがちです。


前述のひとくちおこわは、おいしい

ものをさっと食べるというところが

顧客の琴線に触れるのですが、これは

コロンブスの卵のように、なかなか気付き

にくい品質であると思います。


自社製品がなかなか売れずに困っていると

考えている方は、自社製品の品質を1次

品質~3次品質という観点で見直してみて、

それを訴求する方法を実践してみることを

お薦めします。

 

 

 

 

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※写真と本文は関係ありません。