鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

効果のあるPDCA

世の中には、成功するための本やセミナー

や教材などであふれています。


しかし、それらがいつまでたってもなくな

らないのは、それらが実際には効き目がな

いということになってしまいます。


もちろん、それはコンサルタントにも当て

はまります。


現在の日本にはコンサルタントがあふれて

いますが、いつまで経ってもいなくなりま

せん。


これは、嘘のように思われるかもしれませ

んが、コンサルタントとして働いている私

自身の目標は、世の中にコンサルタント

不要とすることです。


とはいえ、力不足の私には、その目標を達

成するまでには、相当の時間がかかりそう

です。


話しを戻して、多くの方が本などの媒体で

成功するための方法を示しているのに、そ

のような本などがなくならない理由は何か

ということを、コンサルタントである私は

ずっと考えてきています。


その結論の一端を、岡村拓郎さんのご著書

「自分を劇的に成長させる!PDCAノー

ト」( http://amzn.to/2fKrqf6 )から感じ

ることができました。


岡村さんは、PDCAを実践して、自分自

身を改善する方法を示していますが、記述

の多くに、なぜPDCAを実践することが

できないのかということを割いています。


これを、私がひとことでまとめて述べると

不完全さを理由に行動をしないということ

です。


もう少しつっこんで述べれば、人は潜在意

識で変わることを恐れているために、不完

全さをよい理由に変化をさけているという

ことです。


このことについて、岡村さんは、次のよう

に書いています。


ひとつめは、イチロー選手は3千本のヒッ

トを打ったが、そのためには6千回アウト

になっている。


したがって、成功するためには、あらかじ

め失敗することを許容して行動しなければ

ならないということです。


これについては、「失敗は成功の母」とい

う格言があり、多くの方が理解されている

ものの、前述の通り、感情の面で変化を避

けたいと感じてしまうことが、変わること

を妨げているのでしょう。


ふたつめは、本質的なこと以外に時間をか

けないということです。


岡村さんは、仕事は100点を狙わずに、

70点~80点を目指すべきと述べておら

れます。


というのは、テストで言えば、100点を

目指すためには、20点~30点分は応用

問題やひっかけ問題が占めており、それを

解けるようにするには、相当の労力が必要

になって、非効率的だということです。


仕事の内容によっては、絶対に間違いが許

されないというものもありますが、ここで

岡田さんが述べている主旨は、100点を

目指す仕事ばかりをしていると、本当にや

らなければならない仕事を犠牲にすること

になりかねないということです。


仕事を俯瞰して取捨選択することが必要で

あるということです。


みっつめは、PDCAの回数を増やすとい

うことです。


岡村さんは、ノートを使って、毎日、PD

CAを行うことを薦めています。


これは比喩的な言い方ですが、PDCAを

毎月実施している人は、年1回しか実施し

ない人の12倍の速さで改善を見込むこと

ができます。


同様に、週1回実施する人は52倍、毎日

実施する人は365倍の速さになります。


これは、私がよく使う例えなのですが、仕

事を野球に例えた時、多くの方は、ヒット

を重ねることをせず、ホームランばかりを

打つことを考える。


確かにホームランを打てば1打で点が入り

ますが、ホームランを打てる確率は低く、

小刻みにヒットを重ねることの方が確実に

加点につながります。


しかも、ホームランを打つには、それなり

の体力を養ったり技術を身に付ける必要が

あるのに、ユニフォームを着たばかりのよ

うな人が、いきなりホームランを狙うとい

うことをする人もいます。


そして、真に点が入らない理由には目を向

けず、自分が点を取れない理由は対戦相手

が強いからだと主張して、自らを改善しよ

うということから避けてしまいます。


繰り返しになりますが、PDCAをなかな

か実践できない理由は、目の前の小さな事

がらを軽んじているということです。


すなわち、「大事の前の小事」ということ

です。


そして、先ほどは、「人は変わることを避

けようとする」ことが成功につながらない

理由としてあげましたが、小さなことを軽

んじるという驕りも同様に成功しない理由

になっていると思います。


よって、「変わる」「驕らない」というこ

とを決意するだけでも、自分自身や経営す

る会社は改善するものと、私は考えていま

す。

 

 

 

 

f:id:rokkakuakio:20171003111631j:plain