鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

走姿顕心

先日配信された、イエローハット創業者の

鍵山秀三郎さんのメールマガジンに、「走

姿顕心(そうしけんしん)」という言葉が

紹介されていました。


(ご参考→ https://goo.gl/7jjazB


言葉の意味は、走っている姿に、そのまま

選手の心が顕れるという意味だそうです。


これは、スポーツをしている人の間には広

く知られているようです。


そして、鍵山さんは、経営者が掃除をする

ときの姿にも、同じようなことが言える。


「掃除をすると儲かる」というような気持

ちで臨むと、掃除をしている姿に、その打

算が顕てしまうと忠告されておられます。


だからといって、ここで、経営者の方に対

して、すぐに利益が得られるというような

安直な考えをもってはいけないというよう

なことを述べるつもりはありません。


もちろん、鍵山さんのように「掃除をする

と儲かる」というような考え方を持つこと

はよくないと思いますが、私自身も、掃除

をしたら「きっとよいことがあるかもしれ

ない」という期待は、私も持ってしまいま

す。


ただ、この鍵山さんのメールマガジンを読

んで、やはり鍵山さんが制作に関わった、

近江商人に関する「てんびんの詩」という

映画を思い出しました。


この映画のあらすじは、つぎの通りです。


すなわち、近江の商家に生まれた近藤大作

は、不自由のない生活を送っていたが、小

学校を卒業したとき、父から鍋蓋を渡され

て、これを売ってこないと後を継がせない

と言われた。


そこで、大作は鍋蓋を売りに出たが、どん

なにこびへつらっても、泣き落としをして

も鍋蓋は売れなかった。


ある日、疲れ切った大作は、農家の井戸の

洗い場にある鍋蓋を見つけた。


大作は、きっとこの鍋蓋も誰かが難儀して

売ったのだろうと思い、無意識に鍋蓋を洗

い始めた。


それを見つけたその農家の女が、鍋蓋を

洗っている大作を見つけて「なぜそんなこ

とをしているのか」と怒りながら尋ねた。


大作は、「堪忍して下さい。


わし悪いやつです。


売れんかったんやないんです。


物を売る気持ちもできてなかったんです」

と誤ったところ、その女は鍋蓋を売ってく

れと答えた、というものです。


(参考→ hhttps://goo.gl/jVLuCd


この話は映画なので、誇張された美談と思

われるかもしれませんが、商売の核心的な

部分を示唆していると思います。


それでも、最近は、「ものではなく自分を

売る」とか、「ものではなくストーリーを

売る」ということが言われるようになり、

このエピソードの示唆することに近いこと

を理解する人が増えていると思います。


私も、鍵山さんがこの映画で伝えようとし

ているものが何であるかまでは正確にはわ

からないのですが、まず高い志を持ち、そ

れに共感する人が増えれば、事業もよい方

向に回り出すということなのではないかと

思っています。


私自身もまだまだ未熟なので、ついつい打

算的な考え方を抱いてしまいますが、よい

仕事をするために、これから心を磨き続け

なければならないと考えています。

 

 

 

 

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