鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

AI時代の人材

芥川賞作家の玄侑宗久さんが、ポッドキャ

スト番組で、AI(人工知能)についてお

話されておられました。


(ご参考→ https://goo.gl/1n8ZPB


「かつて、将棋で、AIがプロ棋士と勝負

するときは、あらゆる手の中から最良の手

を考えるようにしていた。


しかし、最近は、対戦相手に間違った手を

打たせるために、あえて意味のない手を打

つようにした結果、AIが強くなった。


その一方で、コンビニエンスストアの店員

さんは、マニュアル通りに決まりきったあ

いさつばかりするようになり、人間の方が

AIらしくなってきたと感じる。


これから人間にしかできないことは、どん

どん減っていく」という主旨です。


私も玄侑さんと同じことを感じていました

が、かといって、ただちに「コンビニエン

スストアは従業員教育をしっかり行わなけ

ればならない」とは言うつもりはありませ

ん。


実は、多くの会社が従業員教育に苦心して

います。


別の言い方をすれば、競争力を高めるため

の手法は、従業員の能力を高めること以外

は、改善の余地は少なくなってきており、

ある意味、最も難しい分野が最後になって

いると私は考えています。


しかしながら、この人材育成のための活動

は、いまだに多くの会社が及び腰でもある

と感じています。


私は、よく、システム開発会社の方から、

自社システムを購入してくれそうな会社の

紹介の依頼を受けるのですが、そのような

時、私から、その会社に「システムベン

ダーさん自身も、もっと、ユーザーの情報

リテラシーを高めるための活動をすれば、

自ずと自社製品が売れるようになるのでは

ないですか」と尋ねています。


これに対して、「ユーザーを教育すること

が難しく、さらに、そのような指導する能

力を備えた人を自社で育成することはもっ

と難しい」と言われます。


このような回答についても理解できるので

すが、前述の玄侑さんのご指摘の通り、早

晩、どのような会社も、ライバルとの競合

に勝つためには、人材育成に力をいれるこ

とは避けられなくなるでしょう。


そこで、今回の結論は、この難しい人材育

成という課題は、難しいからこそ、一日で

も早く取り組みを開始することが望ましい

と私は考えています。


ちなみに、私がコンサルティングする会社

さまには、大きな費用はかけないまでも、

人材育成は必ず着手するようにお薦めして

います。

 

 

 

 

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