鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

月次決算

先日、親しくさせていただいている税理士

のAさんとお話しをしました。


Aさんと私と考え方は一致しています。


Aさんは、顧問先には、「中小企業の会計

に関する基本要領(中小会計要領)」の導

入を熱心に薦めており、また、月次決算書

を翌月15日までにつくる会社は、銀行か

らの協力が得られやすいとお話されておら

れました。


その一方で、月次決算をしている会社は、

10%にも満たないともお話されておられ

ました。


私も、経理処理は不正確であったり、月次

決算も行っていない会社は多いことは感じ

ていましたが、なぜ、そのような会社の顧

問税理士さんは改善するよう促さないのか

不思議に感じていたことから、そのことを

Aさんに尋ねてみました。


これに対してAさんは、顧問税理士として

顧問先には、きちんとした経理処理を行っ

たり、月次決算を行ったりして欲しいと考

えている。


そこで、機会をみて改善を打診している

が、関心を持つ会社は少ない。


関心を持ってもらえない限り、税理士事務

所からは、支援もできないと回答されまし

した。


Aさんは、私が知っている税理士の方の中

では、最も熱心な税理士のうちのひとりで

あるので、Aさんのような方が顧問先の改

善を試みても、顧問先はなかなかかわらな

ものなのかと、現実の厳しさを改めて感じ

ました。


私は、長い間、なぜ自社の会計に関心が薄

い経営者の方が多いのか考えてきました

が、いまだにその理由は分かりません。


ただ、私が会計についてこだわっている理

由は、私が会計を専門分野としているから

というだけではありません。


会社が組織的な活動をするには、きちんと

したルールに基づいて活動をしなければな

りません。


会計もそのルールのひとつに過ぎません。


また、ほかのことはルールを決めて活動し

ているけれど、会計だけはいい加減に処理

しているという会社はありません。


会計を含め、ルールに基づいた活動をす

る、きちんと利害関係者に情報を提供する

という体制を作ることは、事業を大きくす

するときの、ひとつの壁になっているのか

もしれません。


ここで、自社の事業は、大きくしようとは

思っていないという考えの経営者の方もい

るでしょう。


確かに、小さい組織であれば、明文化した

ルールがなくても、阿吽の呼吸で組織運営

は可能でしょう。


そのように考えることもできますが、せっ

かく業歴を積んでも、組織としては、未成

熟が続くことになり、もったいないと私は

考えます。


また、Aさんは「自らがきちんとしている

会社は、販売先や銀行に対しても、きちん

と自らの要望を要求することができるよう

になる」とお話しされておられました。


このことが、まさしく、組織的な事業を営

む効果ではないでしょうか?


会社経営者としては、事業が続くことだけ

を考えるのではなく、組織を成長させると

いうことにもっと軸足を移すべきであり、

そうすることが、事業を発展させる王道だ

と思います。

 

 

 

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