鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

ローリングプラン

中期計画とは、3~5か年の事業計画のこ

とですが、これにはフィックスプランと

ローリングプランの2つがあります。


とはいえ、フィックスプランは一般的に言

われている中期計画のことです。


これに対して、ローリングプランは中期計

画に修正を加えることが特徴であることか

ら、ローリングプランに対して一般的な中

期計画をフィックスプラン(固定計画)と

呼ぶようになったのではないかと私は類推

しています。


そこで、今回はローリングプランにを中心

に説明します。


前述の通り、ローリングプランは修正を行

うことが特徴の中期計画です。


ただし、修正の方法に特徴があります。


例えば、ローリングプランの期間が3か年

であった場合、1年が経過したところで、

経営環境の変化などに合わせて計画の修正

を行います。


ただし、この修正は、残りの2か年に対し

て行うのではなく、当初の計画の2年目を

修正後の計画の1年目とする、新たな3か

年の計画とするということです。


これを言い換えれば、ローリングプランは

中期計画でありながら、常に1年目の計画

を実行しているということになります。


このことは、ローリングプランは短期計画

と変わらないのではないかと批判される対

象となっていますが、位置づけは中期計画

の初年度なので、単なる短期計画ではなく

3年後を見通しながら活動を行うという点

で短期計画と異なります。


すなわち、環境変化による修正を毎年行い

ながら、活動は中期的な視点に立って行う

という点が特徴です。


これは、繰り返しになりますが、ややもす

ると、単なる短期計画の積み重ねに陥って

しまいがちなので、中期計画として活動を

するという点に難しさがあると私は考えて

います。


ただ、真にローリングプランに基づいた活

動ができる会社というのは、環境変化にき

ちんと対処できる会社であるということで

しょう。


これは私の類推ですが、ローリング(ro

lling)とは回転という意味であり、

ローリングプランは毎年対象期間が1年ず

つ先に延びていく様子が、計画が転がって

いくように見えることから、このように名

付けられたのではないかと思っています。


もうひとつ付言したいこととして、フィッ

クスプランは決して修正しない計画ではな

いということです。


フィックスプランであっても、環境変化が

あれば修正が必要になります。


ただし、ローリングプランとの違いは、

ローリングプランが計画策定の時点で計画

の修正を行うことを前提としている一方

で、フィックスプランは修正は前提として

おらず、急激な環境変化があった場合な

ど、修正せざるを得ない場合に修正を行う

という点で異なります。


また、フィックスプランの計画修正は計画

の中途での修正であって、修正した時点を

1年目とするローリングプランの修正とは

ことなります。


即ち、ローリングプランの計画修正は、あ

る意味、当初の計画を修正した新たな計画

が最初から始めることであるのに対して、

フィックスプランの計画修正は、修正時点

での残りの期間のみを修正し、計画そのも

のは続行されるという点で異なります。


今回の結論は、事業計画に基づいた事業運

営ができるようになった後は、より難易度

の高い、ローリングプランを導入すること

が望ましいということです。

 

 

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