鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

起業家OS

先日、今年発売された新刊「やりたいこと

を3年後にビジネスにするとっておきの秘

策」( http://amzn.to/2Bft3dx )の著者

で、ビジネスコーチの田中直子さんにイン

タビューをしてきました。


インタビュイーの内容は、後日、私が制作

しているポッドキャスト番組として配信す

る予定です。


ところで、田中さんのご著書の中で、田中

さんは、やりたいことをビジネスにするに

は、起業家OSを持つことが必要と書かれ

ておられました。


やりたいことがある人は、そのやりたいこ

とのビジネススキルを持っているわけです

が、パソコンのアプリケーションはOSが

なければ動かせないように、ビジネススキ

ルも起業家OSがなければ威力を発揮でき

ないということです。


具体的には、田中さんは、起業家OSにつ

いて、次のような心がまえや能力のことで

あると説明しています。


(1)「どんなことがあっても、自分が全

責任を持ってビジネスをする」という決心

をしていること。


(2)マニュアルなどに頼らずに、他者の

成功事例などから自分に合った手法を見つ

け出す能力を持っていること。


(3)食事や寝る時間を惜しんでたくさん

仕事をする意欲があること。


(4)自分の事業に直接的に関係ない間接

的な分野であってあっても、事業を行うた

めに必要な事柄は、自分で調べて解決する

能力があること。


この起業家OSの要件を見て、「起業する

なら、これくらいのことは当然だ」と感じ

る人は多いと思います。


しかし、私にも心当たりがあるのですが、

田中さんがこのようなことを本に書いてい

るというのは、起業家OSを備えずに起業

している人が少なくないということだと思

います。


「自分は、すばらしい製品を製造できる

(または、すばらしいサービスを提供でき

る)から、起業しても成功するだろう」と

確信を持って起業しても、事業は組織的な

活動であるために、その組織のマネジメン

トをする能力を持った人がいなければ、事

業活動は継続することができないというこ

とは、私がこれまで何度も述べてきている

ことでもあります。


ただ、田中さんは、必ずしも起業した時点

で起業家OSを持っていなくてもよいと述

べています。


私も、起業する前に起業家OSを身に付け

ておくことが望ましいとは思いますが、実

際に起業してみてわかることも多いわけで

すから、起業してから起業家OSを強力な

ものにしていくということもできると思い

ます。


今回の結論は、起業家が起業後も事業を発

展させて行くには、単にビジネススキルだ

けでは足らず、マネジメントスキルも必要

になるので、両者のスキルアップに努めて

行くことが必要だということです。


これは私の経験で感じることなのですが、

「今月中に起業したい」とか、「先月起業

したが、資金が底をついた」という方の相

談を受けることがあります。


起業してからでないとわからないこともあ

りますが、田中さんのご指摘しているよう

に、起業の準備の段階で備えておかなけれ

ばならないことは、ある程度分かっている

ことですから、「せっかく起業したのに、

こんなはずではなかった…」と感じること

のないように、起業家として必要なスキル

は、早めに備えるようにすることが賢明だ

と思います。

 

f:id:rokkakuakio:20171213225529j:plain