鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

日報は目的ではなく手段

私は、現在、日報コンサルティングのスキ

ルを習得するために、日報コンサルティン

グで多くの会社の業績の向上させてきた、

経営コンサルタントの中司祉岐さんからそ

れを学んでいます。


なぜ、日報コンサルティングを学ぼうかと

思ったかというと、コンサルタントになる

までは、会社の業績を高めるためにどうい

うことをすればよいのかということを助言

することが、コンサルタントの中心的な役

割だと思っていたのですが、コンサルタン

トになってからは、単にそれだけでは不十

分で、むしろ、提案した改善策を顧問先に

計画通りに実践してもらうスキルの方が大

切だということに気づいたからです。


そのスキルとして、日報コンサルティング

がとても有用だと思ったことから、中司さ

んに学ぶことにしました。


その一環として、先日、中司さんの主催す

る研修に参加してきました。


そこで、中司さんのパートナーである経営

コンサルタントの一圓克彦さんから、日報

を顧問先にどう使ってもらうかというお話

がありました。


ところで、日報については、多くの人が、

表向きは「よいツール」と口にしますが、

心の中では、「日報を書いて業績がよくな

るのだったら、そんな楽なことはない」な

どと思っているのではないでしょうか?


話はそれますが、「社内月例会議」なども

同様に、表向きは大切と言いながら、内心

では、あまり意味がないと考えている人が

多いと私は感じていますが、これについて

は、また別の機会に述べたいと思います。


話を戻して、先ほど「日報はよいツール」

と書きましたが、日報で失敗してしまう人

は、ツールを無意識のうちに目的にしてし

まっているのだと思います。


例えば、ある人が日報を書いて業績を伸ば

したときいた人が、自分もそれに倣って日

報を書き始めたとします。


これは、業績を伸ばした人は日報を書いて

いた、だから、自分も日報を書くことにし

た、よって、自分の会社の業績も伸びる、

という三段論法がその人の頭にあるのだと

思います。


ここで、その人は、日報を書くことを目的

にしてしまっており、ツールではなくなっ

てしまっています。


日報はツールなのだから、業績を伸ばすた

めのツールに過ぎず、どのような日報を書

けば業績を伸ばすことができるのかという

ことを分かっていなければ、いくら日報を

書いても業績は伸びません。


このような、目的と手段の取り違えは、先

程少し触れた会議についても共通すること

ですが、頭では理解している人は多いもの

の、実践するときに陥ってしまいがちな罠

だと私は考えています。


別の例では、情報技術を自社に取り入れよ

うとして、パソコンとソフトを購入したも

のの、それを使いこなせるリテラシーの高

い人が社内にいなかったり、会社の事業戦

略と、そのソフトでできることが一致して

いなかったりして、パソコンが単なる箱に

なってしまうということもあります。


また少し脱線しますが、このようなことは

システムベンダーさんがクライアントに対

してあまり説明しないので、私がITコン

サルタントとして、正しい情報化武装のお

手伝いもしています。


話を戻すと、この話は本の一部ですが、一

圓さんはこのような肝になる部分を中心に

お話されていました。


よく、セミナーをたくさん開いているコン

サルタントは、テクニック的なことをたく

さんお話しするという印象を持たれている

と思います。


私も、セミナー講師を何度か務めたことが

ありますが、いわゆるテクニックをたくさ

ん話すと、受講者からのうけがよいので、

それをたくさん話そうとしてしまうことが

ありました。


でも、受講者がテクニックを知ったとして

も、それを事業で実践してもらえなかった

り、誤った使い方をされては、何の意味も

ありません。


そのことよりも、前述のような、手段と目

的の取り違えが起きないようにということ

と心に銘じてもらうことの方が、受講者の

方にとっては、より役立つでしょう。


なぜこのようなことを書いたかというと、

テクニックを学ぶより、ツールの正しい使

い方を学ぶことの方が本質的であり、重要

なことだと私が考えているからです。


それくらい、日報をツールとしてとらえる

ということは大切であり、これを理解しな

ければ、いくら日報を書いたり、日報の書

き方を学んでも意味はありません。


そして、日報を書いて業績を伸ばした会社

というのは、実は、日報を正しく書いたか

ら業績が伸びたのではなく、本当に大切な

ことは何かということを分かっている会社

だから、業績を伸ばすことができたのかも

しれません。

 

 

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