鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

デザインレビュー

先日、中小企業診断士の神谷俊彦先生にお

会いし、神谷先生のご著書「生産管理の実

務と問題解決徹底ガイド」の内容について

インタビューしてきました。


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生産管理という言葉から、対象の業種が製

造業であるという印象を受けるかもしれま

せんが、決して製造業にとどまることな

く、流通業、サービス業にもあてはまる内

容の本です。


そして、やはり生産管理という言葉から、

現場の改善が対象という印象を持たれると

思いますが、必ずしも現場の改善だけでよ

い製品が生産できるわけではなく、経営者

の役割と現場との関わり方についても言及

されています。


むしろ、現在は、経営者の役割の方の重要

性が高まりつつあります。


そして、その経営者と現場との関わりにつ

いては、いくつものポイントがあるのです

が、今回はその中からデザインレビュー

( Design Review , DR , 設計審査)に

ついて述べたいと思います。


DRは、製造業の方にはなじみのある言葉

かもしれません。


製品を受注したときに、依頼に基づいて、

その詳細はどのようにするか、どれくらい

のコストをかけるか、生産に関して誰が何

を担当するかということなどを決める会議

がDRです。


まったく同一ではありませんが、製造業以

外でも同様のことが行われていると思いま

す。


例えば、要件定義とか、意思統一会議、方

針決定会議というものがこれに該当するで

しょうす。


これをひとことで言えば、現場に関わる人

たちのベクトルを揃えるということです。


そして、今回の結論は、このベクトルを揃

えることが、実はとても大切ということで

す。


なぜ大切なのかということについては、こ

れもたくさんの理由があります。


もし、DRが行われなかったり、一部の人

だけでDRが行われてしまうと、製品の設

計の段階で欠陥があったときにそれを気づ

きにくくなるということが挙げられます。


また、実際に作業でも、現場の方は言われ

た通りに受動的に作業をしているという状

態になり、チームワークが発揮されなかっ

たり、ミスが発生したときに責任の押し付

け合いになってしまいます。


さらに、一部の人だけ(経営者だけ)が分

かっていればいいという状態で製品づくり

が行われるよりも、全員が関わって製品づ

くりが行われる方が、よりよい製品ができ

あがったり、より効率的な工程で製造でき

るようになるでしょう。


すなわち、ベクトルを揃えるということは

面倒なように思えますが、競争力の高い製

品づくりには大切なプロセスだということ

です。


もし、自社製品がなかなかよくならないと

悩んでいる経営者の方は、このDRを実践

してみたり、すでにDRを実践している場

合は、そのやり方を工夫してみることをお

薦めします。

 

 

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