鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

在庫管理は経営判断

私が初めて出版した本のテーマは在庫管理

( http://amzn.to/AseBrq )でした。


そして、先日、九州大学大学院の星野裕志

教授が、ポッドキャスト番組で、たまたま

在庫管理についてお話されておられまし

た。


(ご参考→ https://goo.gl/NkyxoW


星野先生のお話の概要は、「在庫を持たな

いようにするには受注してから製品を製造

すればよいが、ビジネスチャンスを活かす

には、見込で生産しなければならない。


そこで、実際には、経営者がどのようなタ

イミングで製品を製造するのかという判断

がポイントになる。


例えば、この冬は、女性の履くブーツが例

年より流行しておらず、ブーツの見込み生

産をしていた製造業の経営者は頭を抱えて

いると思う」、というものです。


在庫管理のテクニックとしては、リードタ

イム(受注してから納品するまでの期間)

を情報技術などにより短くする手法や、

ビッグデータなどから需要予測を精緻化す

るなど、ある程度効率化できます。


しかし、効率化=利益の最大化ではないと

ことろが、この在庫管理の難しいところで

す。


そこで、最終的には、利益を最大化する在

庫管理とは、経営者の判断の的確さという

ことになります。


適切な在庫管理の手法というと、どうやっ

て不要な在庫を減らすかといって、戦術に

目が行きがちですが、実は、それよりも、

経営判断が大切です。


私が冒頭で触れた本を書いていたときも、

このことを読者の方に理解してもらいたい

と思いから、懸命になって原稿を書いてい

たことを、星野先生のお話を聴きながら思

い出しました。


ここで、もう少し深く在庫管理について言

及すると、実は、前述の経営判断も、どれ

が正しくてどれが誤っているということ

は、明確にすることが難しいということも

言えます。


例えば、同じパソコンでも、価格の安さよ

りも店頭で見てその場で買うことを優先し

たいという人もいるし、納品まで時間がか

かっても価格の安さを優先したいという人

もいます。


国内のパソコンメーカーでは、両方の需要

を取り込もうとして、見込生産と受注生産

の両方を行っている会社もあります。


結論としては、何の経営判断もせずに、単

に成り行きで在庫を決めるのではなく、何

らかの経営判断をして、それがよい結果に

結びついたかどうかということを検証しな

がら、自社の利益が最大化する方法を見つ

け出すという、PDCAサイクルを回すこ

とが大切だということです。

 

 

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