鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

教育費で倒産した会社はない

私が事業改善のお手伝いをする会社の経営

者の方は、従業員の方に能力を高めてもら

いたいと思っている方がほとんどです。


ところが、そう願う一方で、能力を高めて

もらうための具体的な活動はあまり行われ

ていないというようにも感じています。


ちなみに、従業員の方の能力を高める活動

として考えられることは、主に、次のよう

な活動があります。


(1)OJTとOffJT


(2)職務充実と職務拡大


(3)ジョブローテーション


(4)キャリアパス制度の整備


そして、これらをなかなか実践できない要

因としては、費用を捻出することが困難、

教育のための時間の確保が困難といったも

のが主だと思います。


さらに、時間の確保は、従業員数を増やせ

ば解決することなのですが、従業員数を増

やすには人件費が必要ということになるの

で、従業員の能力を高めることが難しい要

因は、結局、費用の問題に収れんされると

いうことになると思います。


では、なぜ教育費を支出することが難しい

のかということを考えると、その最大の要

因は、会社の利益額が多くないということ

かもしれません。


でも、それだけではないとも言えるでしょ

う。


教育費は、支出をしても、目に見える効果

がすぐに表れません。


このことから、教育費の支出をためらう経

営者の方が多いのではないでしょうか?


さらには、従業員の能力を高めることは、

会社が行うのではなく、従業員自身でやる

べきことだと考える経営者の方も多いで

しょう。


そのように考えることが、直ちに誤ってい

るとは言えませんが、それでは従業員の方

の能力向上は従業員の方自身の自主性にゆ

だねることになってしまうし、向上心の強

い従業員は、むしろ独立志向が高く、自社

に定着することはあまり期待できないと言

うこともできます。


ところで、教育費は従業員への投資と考え

るべきだということを、まま、聞くことが

あります。


私は、この考え方は正しいと思うのです

が、現在は、投資という考え方をさらに進

めて、教育費は製品の製造原価や、商品の

開発費であると考えるべきであると思って

います。


これは、サービス業の方にはピンとくると

思いますが、いまは、流通業や製造業にも

あてはまることだと思います。


すなわち、流通業では接客やアフターサー

ビスなど、付帯的な部分が商品に占める大

きな要素となっているし、製造業でも製品

開発に創造性が求められるようになってい

ます。


別の言い方をすると、単なる「作業」しか

していない従業員が携わる事業は、製品や

商品の独自性が少なく、ライバルとの競争

に敗れてしまいかねないということです。


もう一歩進めた言い方をすると、人材育成

ができない会社は、競争力が低い会社にな

る可能性が高いということです。


ところで、今回の記事の趣旨に関連して、

経営コンサルタントの小山昇さんのポッド

キャストにゲスト出演されておられた、

ウェブページ制作会社のミスターフュー

ジョンの社長、石嶋洋平さんが、「教育費

をたくさん使って倒産した会社はない」と

お話されておられました。


(ご参考→ https://goo.gl/ghbFha


ちなみに、石嶋さんの会社は、ウェブ制作

業ということもありますが、多くの教育費

をかけたことが、事業が急成長している要

因のようです。


とはいえ、石嶋さんの会社が教育費をかけ

ているのだから、ほかの会社も教育費を増

やすべきだとは、直ちに言うことはできま

せん。


でも、前述の石嶋さんの言葉は、教育費の

支出に踏み切れない会社経営者の方の背中

を押す言葉になるのではないかと思い、こ

こで紹介させていただきました。

 

 

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