鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

コンサルティングとツール

先日、都内で開かれた、ある交流会に参加

してきました。


その交流会の参加者は、本の著者と編集者

の交流会で、いわば、著者と編集者のお見

合いのような交流会です。


交流会で、もし、著者と編集者の間で、出

版したいと思っているテーマや内容がお互

いにマッチすれば、出版につながるという

ことになります。


ところで、今回の記事の本旨は、その交流

回に参加していた、ある編集者さまからの

質問についてです。


その質問とは、「六角さんは、経営コンサ

ルタントとのことですが、どのようなツー

ルや手法をつかうのですか?


また、コンサルティングを特定の分野にし

ぼっていないとのことですが、そのような

コンサルティングのニーズはあるのです

か?」というものでした。


この編集者の方は、純粋にそのような疑問

をお持ちになったと思うのですが、私は、

このような質問をされるのは、「経営コン

サルティングは、特定の分野に絞り込んだ

うえで、かつ、なんらかの手法(ツール)

が必須」というお考えをお持ちなのだと思

います。


そして、このような考えは、その編集者の

方だけでなく、多くのコンサルタントや、

コンサルティングを受けようとする人たち

にも多いと思います。


実は、私も、ある意味で、コンサルティン

グの分野を絞り込んでいますし、ツールも

使っています。


でも、意図してそれらを前面に出さないで

います。


それは、次のような理由によります。


ひとつめは、ツール(手法)については、

私はBSC(バランススコアカード)を

使っています。


これは、会社の経営戦略の遂行管理のため

のツールなので、会社の経営戦略がどのよ

うなものであっても使えるツールです。


一方で、ツール(手法)を前面に押し出し

コンサルティングをするコンサルタント

の方も多くいます。


この場合、「ツール(手法)ありき」なの

で、会社をツールに合わせることになりま

す。


そのような方のコンサルティングを受けた

会社の中には、結果としてその会社の事業

に合わないツールを使うことになったりす

ると、他社では効果があったとしても、そ

の会社では効果が得られないということに

もなりかねません。


ここでは単純に書きましたが、ツール(手

法)は手段ですので、ツール(手法)を目

的とされないようにするためにも、私は、

コンサルティングに関するツールはあまり

前面に出さないようにしています。


もちろん、実際のコンサルティングにあ

たっては、前述のBSC以外にもいろいろ

なツールを使いますが、それを導入する前

に、その会社の経営戦略を構築し、それに

合わせたツール(手法)を導入してもらう

ので、戦略とツール(手法)に齟齬が発生

するということはありません。


つぎに、コンサルティングの分野ですが、

「どのような分野のコンサルティングをし

ているのですか」と質問されると、「経営

コンサルタントですので、『経営』のコン

サルティングをしています」と回答してい

ます。


このように説明すると、ほとんどの場合、

「???」という反応が返ってきます。


そこで、いまは、「経営コンサルタント

すので、『経営』のコンサルティング、す

なわち『社長のお仕事」のコンサルティン

グをしています」とお話しします。


これに続けて、「『社長のお仕事』とは、

経営戦略の立案や、それが着実に実践され

るような管理をするお仕事で、そのために

BSCを使うようご提案しています」と加

えています。


このように、ある意味で、私はコンサル

ティングの分野を絞っています。


ただ、日本では「コンサルタント」という

と、飲食店のコンサルタント、製造業のコ

ンサルタント、営業のコンサルタントなど

のように、業種や機能ごとにコンサルティ

ングが行われると考えられています。


むしろ、私のように「社長の仕事」のコン

サルティングをしている人は少ないようで

す。


これは、私の目標のひとつなのですが、

もっとたくさんの経営者の方に、私のコン

サルティングを受けていただいたり、私の

本などを読んでいただいたりして、「『経

営』コンサルタント=『社長のお仕事』の

コンサルティング」ということを、すぐに

理解してもらえるようにすることです。


このような記事を書いていることも、その

目標達成のためのひとつの手段でもありま

す。

 

 

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