鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

組織運営とコミュニケーション

先日配信した、私が制作しているポッド

キャスト( https://goo.gl/Xi6gJM )を

自分で聴きなおしてみたところ、あらため

てコミュニケーションの大切さを感じまし

たので、今回はコミュニケーションについ

て述べたいと思います。


コミュニケーションは、組織論の大家であ

るバーナードが定義する組織の三要素のう

ちのひとつです。


(ちなみに、残りの2つの要素は、共通目

的と貢献意欲です)


このような説明をしなくても、多くの方

は、組織にとってコミュニケーションは大

切だ、ということはご理解されていると思

います。


しかし、現実にはコミュニケーションはお

ろそかにされている会社が多いとも感じて

います。


例えば、前述のポッドキャストにご出演い

ただいた、中小企業診断士の神谷先生によ

れば、コミュニケーションに課題がある会

社の経営者とは、次のような方であるとご

指摘されておられます。


・話すことが苦手で、必須の指示以外は話

さない。


・社長が熟練技能者である場合、作業に没

頭してしまう。


・指示通りに作業しないと叱られ、創意工

夫する余地がない、等。


このような状況をきいてて、私は、「経営

者のコミュニケーション能力に課題がある

会社=組織的な事業運営ができていない会

社」ではないかと感じました。


これは裏を返せば、コミュニケーションが

しっかりしている会社は、組織的な事業運

営ができているということになります。


すなわち、バーナードが指摘している通

り、コミュニケーションが欠けていたり、

きちんと機能していないと、組織的な活動

ができなくなってしまうということがわか

ります。


それでは、なぜ、経営者の方の中に、コ

ミュニケーションをおろそかにしてしまう

方がいるのでしょうか?


そのひとつは単純な理由で、「組織運営」

への関心が薄いということだと思います。


これは、事業運営そのものに大きな関心が

あるためであり、それは、前述のコミュニ

ケーションに課題がある会社の経営者の状

況である、必須の指示以外はしない、作業

に没頭してしまうなどから容易に理解でき

ることです。


これについては、経営者の方に組織運営が

最優先する役割であるということと認識し

ていただくしか対象法はないでしょう。


ふたつめは、組織運営における責任を明確

にしたくないという心理があるからだと考

えています。


例えば、会社内で認識を共有するために、

経営理念、経営戦略、事業計画などを明確

にしたとき、仮に、それが達成できないこ

とになれば、その最終的な責任は、経営者

が負うことになります。


事業運営とは明確な目標に向かって活動す

ることであり、目標を持たずに成り行きで

運営するだけでよいのであれば、誰にでも

経営者になることができます。


経営者は、事業の目標を明確にし、それを

達成するために事業を管理するという重い

役割を担っており、誰にでもできることで

はありません。


目標を明確にすることを避けようとしてい

る経営者は、その重責のプレッシャーを感

じているからではないかと思います。


ここでは、コミュニケーションの例として

目標を示しましたが、目標だけでなく、具

体的な方針や指示を社内に示すことができ

る能力を経営者が持っていないとすれば、

やはり組織運営に支障が出るでしょう。


では、社内のコミュニケーションを確保す

るにはどうすればよいかということについ

ては、また、別の機会に述べたいと思いま

すが、今回は、経営者の担うべき重要な役

割である、組織運営という観点から、コ

ミュニケーションの大切さを認識していた

だければと思います。

 

 

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