鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

幹部と勉強する

先日、経営コンサルタントの小山昇さんの

ポッドキャストにご出演されておられた、

広島県東広島市の環境測定分析事業を営む

株式会社三井開発の三井隆司社長が、次の

ようなことをお話されておられました。


(ご参考→ https://goo.gl/t5CXu5


すなわち、「自社で事業計画書を作ろうと

したものの、独力では作れなかったので、

その作り方を小山さんから学ぼうとして、

小山さんの経営塾に入会しようとした。


入会にあたって、小山さんと面談したとこ

ろ、小山さんから、『なぜ、幹部と一緒に

来ないで、社長が一人できたのか。


お金は返すから帰りなさい』と叱られた。


このとき、とても腹が立ったが、それは、

小山さんの指摘が図星だからだと考え、翌

月から小山さんの塾で学びはじめた」、と

いうことです。


私も小山さんの考え方は正しいと思うので

すが、その一方で、三井さんのように、ま

ず、社長がひとりで学ぼうとする方は圧倒

的に多いと思います。


冷静に考えれば、複数の人が学ぶことの方

が効果が大きいとわかるのですが、それで

は、なぜ、社長だけで学ぼうとする人が多

いのでしょうか?


ひとつは、幹部に勉強させることで、幹部

の負担を増やすことを避けたいという考え

があるからでしょう。


でも、会社をよりよくするには幹部の力が

必要なので、それならば、社長だけが勉強

するのではなく、幹部も一緒に勉強しても

らった方が、より効率的になるでしょう。


もうひとつの理由は、なかなか言葉には出

さないものの、社長が勉強で学んだことに

縛られたくないという思いがあるのではな

いでしょうか?


もし、勉強会で学んだことの中に、社長が

気が進まないことがあったとき、それを社

長以外に知っている人がいなけば、それに

目をつぶって着手しなくてもすみます。


でも、社長と一緒に幹部も勉強すると、社

長がやりたくないことも勉強会で学べば、

社長といえども従わなければならなくなり

ます。


実際に、三井さんは、好きでない飛び込み

営業を、社員の目があることから実践して

いるということです。


そして、それが、事業拡大に大きく貢献し

ていることも事実だそうです。


今回の結論は、単純に、ここまで述べてき

た通り、勉強は社長ひとりだけでなく、従

業員の方も一緒に勉強しましょうというこ

とです。


その方が、会社の役員・従業員の間で共通

の価値観を持つことができ、活動が有機的

・組織的になります。


また、小山さんや三井さんは言及はしてい

ませんが、社長は勉強せずに、幹部や従業

員にのみ勉強させるということも避けるべ

きだと思います。


なぜなら、社長の方針と勉強してきたこと

の内容に食い違いがあったとき、幹部や従

業員は、勉強した内容通りに活動せず、社

長の考え方を優先してそれに従って活動す

ると考えられるからです。


そうなれば、勉強することは意味がなくな

ります。


社長は、自分の思いを実現したいと考える

から会社を起こしたのに、社長が勉強会に

参加したら、自分のやりたくないことをや

らなければならなくなったり、従業員を育

成しようとしたら、自分の考えと違うこと

をされてしまうことになったりして、おも

しろくないと感じるかもしれません。


字数の制約で、詳細な説明は割愛します

が、会社は社長のやりたいことを実現する

ためにあると考えると、会社は社長の独り

善がりに陥りやすくなり、会社の成長は遠

のく可能性が高くなるでしょう。


でも、会社や従業員を成長させるためにあ

ると考えると、短期的にはおもしろくない

と感じることがあっても、長期的にはそれ

は意味があることと感じられるようにな

り、会社も確実に成長すると、私は考えて

います。

 

 

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