鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

決断したことを評価する

先日、日本サッカー協会が、成績不振など

を理由に、サッカー日本代表のハリルホ

ジッチ監督を解任しました。


このことは、6月に開かれるワールドカッ

プで決勝トーナメントに進出することを日

本代表の目標にしていたにも関わらず、そ

の直前で解任が行われたことは、多くの方

がたいへんな驚きを持って受け止めたよう

です。


私は、スポーツは好きなものの、あまり詳

しくはないので、このハリルホジッチ監督

の解任が好ましいことなのかどうなのかと

いうことについてはよくわかりません。


ただ、日本サッカー協会が、このような多

くの方が驚くような決断をしたことは評価

されるべきだと思っています。


もちろん、監督を変えたことが、結果とし

て、裏目に出る可能性があります。


しかし、日本サッカー協会は、これまで、

ハリルホジッチ監督に関してネガティブな

情報を持っていたにもかかわらず、もし、

何も対策を講じないでワールドカップに臨

むことにしたとすれば、これはこれで問題

でしょう。


もちろん、監督を変えて、ワールドカップ

での成績が悪ければ、その結果責任は負わ

なければなりません。


ただ、もし、ワールドカップでの成績が悪

かったときに、何も対策を行わな悪い結果

となるよりも、何らかの対策をしてワール

ドカップに臨んだ方が評価されるべきで

しょう。


私は、この監督解任の知らせを聞いたとき

に、プロ野球巨人軍のかつての原監督の采

配を思い出しました。


それは、平成26年7月に行われた阪神

の守備のとき、相手にリードされている状

況で、原監督は外野のレフトの守備につい

ていた亀井選手を内野の位置につかせ、内

野の守備を固めにしました。


その結果は、皮肉にも、もし外野の守備を

減らさなかったら簡単に打ち取れたであろ

うという位置でもある、2人の外野手の間

に打球が飛び、それがタイムリーヒット

なって相手にリードを広げられ、試合も敗

れてしまいました。


これは、原監督の決定が完全に裏目に出た

ということです。


でも、それは結果論であり、原監督は追加

点を与えないための最善の策と判断して、

普通は使われない守備を敷いたことは、私

は評価したいと思いました。


この試合に限ってみれば、試合は敗れる結

果となったものの、原監督の指揮によって

そのシーズンは巨人は優勝しました。


ひとつの試合だけで原監督の方針が正しい

かどうかを判断することは困難ですが、

シーズン全体を通してみれば、試合に勝つ

ためにはどんなことでもするという姿勢は

結果となって現れたと思います。


今回は、スポーツの事例を2つ挙げました

が、これは、事業運営についても通じる考

え方だと思います。


あるコンサルタントの方が、「成功の反対

は、失敗ではなく、なにもしないこと」と

お話しされていましたが、経営者は、失敗

しないことを目的にしていたら、単に、流

れに流されるだけであり、経営者はいない

に等しいことになってしまいます。


時には失敗があるにしても、常に困難なこ

とに挑む決断をするからこそ、経営者の存

在意義があるでしょう。


このことは、私の経験では、このように考

えている経営者の方の割合が高いと感じて

います。


むしろ、業績のよくない会社の経営者ほど

何も決断はしようとしていないように思い

ます。


短期間では失敗する可能性があるかもしれ

ませんが、常に決断をする会社こそ、長期

的にはよい結果をもたらすことになるだろ

うということを、ハリルホジッチ監督の解

任の知らせを聞いて改めて感じました。

 

 

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