鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

人は非力

埼玉県川越市のスーパーマーケット、ヤオ

コー会長、川野幸夫さんが、日経ビジネス

2018年4月16日号に寄稿されていた

記事を読みました。


(ご参考→ https://goo.gl/FXBWQ3


その記事は、経営者は裸の王様になりやす

いので、注意しなければならないという内

容でした。


最近の、大手製造業の品質偽装問題も、経

営者が裸の王様になっていることから起き

たものだと、川野さんはご指摘されておら

れます。


しかし、経営者が裸の王様になることは避

けなければならないということは、ほとん

どの人が同意するものの、現実には、裸の

王様になってしまう経営者も後を絶たない

という現実に私たちは直面しています。


それでは、経営者が裸の王様にならないよ

うにするにはどうすればよいかということ

について、川野さんは「自分の非力を知る

べき」とご指摘されておられます。


川野さんは東京大学に進学されたものの、

司法試験に失敗し、実家の八百幸商店で働

くことにしたそうです。


そのとき、「東京大学を出た息子が前掛け

をかけて、なぜ店に出ているのか」という

目で顧客から見られていたそうです。


そのような経験もあり、川野さんは小売業

の仕事を通じて、「肩書のない自分の非力

さ」を知ることになったそうです。


と、ここまでの記述は、裸の王様にならな

いよう、経営者の方は川野さんを見習いま

しょうということを述べているように受け

止められるでしょう。


確かにそのような意味もあるのですが、こ

のような指摘をするだけで、裸の王様にな

る経営者がいなくなるほど単純な問題でも

ないと思っています。


裸の王様が現れてしまう最大の原因は、人

には権力欲があるからでしょう。


でも、権力が欲しいだけの人が社長になる

と、裸の王様になってしまい、自分の地位

を失ってしまうばかりか、会社の存続も危

うくしてしまいかねません。


私はかねてから、「社長は地位ではなく、

役割」と述べてきていますが、地位である

とすればしがみつくことになってしまいま

すが、役割であるとすれば、きちんとつと

めあげるものとなります。


私は、経営者が裸の王様にならないように

なるには、川野さんのご指摘の通り、肩書

きのある人は肩書きに頭を下げられている

という自覚を強くすると同時に、自分を律

することができる人でなければ、社長の役

割を果たすことができないという認識が広

まって欲しいと考えています。

 

 

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