鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

人はみなサイズの違う歯車

山口県萩市で、魚を自家出荷する、合同会

社萩大島船団丸の代表の坪内知佳さんのご

著書、「荒くれ漁師をたばねる力―ド素人

だった24歳の専業主婦が業界に革命を起

こした話」( https://amzn.to/2HJEjzB )

を拝読しました。


坪内さんは、CA(キャビンアテンダン

ト)を目指して名古屋の大学に入学する

も、病気のためにそれを諦めて、大学を中

退して山口県萩市に嫁ぎましたが、子ども

が2歳のときに離婚しました。


あることがきっかけで、漁師の人たちと関

わり、漁業を活性化する方法を考えて欲し

と頼まれ、魚を自家出荷する事業を始めま

した。


それが、合同会社萩大島船団丸の始まりな

のですが、書名にもあるように、ド素人の

坪内さんが、荒っぽい漁師の方を束たばね

ることは、もちろん、一筋縄ではいきませ

んでした。


その詳細は同書をお読みいただきたいので

すが、そのポイントとなった坪内さんの考

え方が、「人はみなサイズの違う歯車」と

いうものです。


「人はみな、色や形やサイズ、立ち位置が

違う歯車だ。


私は私で頑張るけれど、私という歯車の色

やサイズは変えられない。


一人で頑張っていても、何も動かせない。


でも、そんなとき、サイズが違うほかの歯

車が来てくれたら、カチッとかみ合って、

何かが回り出していく。


そして自分が回れば、隣の歯車も回り出し

て、その横の歯車も回り出す。


たとえ小さな歯車でも、その一つが動け

ば、次々に歯車が回り出して、それが世界

を変える大きな動きになっていく」


これは、組織の力を発揮するための基本的

な考え方だと私は考えました。


坪内さんの考え方は多くの方が賛同される

と思いますが、実際には、「自社には優秀

な従業員がいない」、「経営者の考え方を

理解できるパートナーがいない」という不

満を持つ経営者の方も多いと思います。


これは、単に、経営者にとって都合のいい

人材が欲しいということであり、「色や形

やサイズ、立ち位置が『同じ』歯車」を望

んでいるに過ぎないと思います。


坪内さんは、「人はみな、色や形やサイ

ズ、立ち位置が違う歯車」という前提で、

漁師の方たちを尊重して接していたから、

「荒くれ漁師をたばねる」ことができたの

だと思います。


むしろ、組織は、金太郎あめのような人材

だけでは意味がないでしょう。


「色や形やサイズ、立ち位置が違う歯車」

を嚙合わせることは難しいですが、それが

できたときに、大きな力が発揮されるのだ

と思います。


そして、それをたばねる能力がリーダー

(経営者)に問われているのでしょう。

 

 

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