鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

2018年版中小企業白書

2018年版中小企業白書が公表されまし

た。


(ご参考→ https://goo.gl/UHiQyA


今回の白書で最も紙面が割かれていた分野

は情報技術でした。


その主な事例は次のようなものです。


●千葉県のプラスチック製品製造業者で、

IoTを導入し、稼働率を20%向上、利

益率を3.9倍にした。


●東京都のパン製造小売業者で、社内に情

報技術に精通している人はいないものの、

地元のシステム会社の支援によって、出勤

データを紙ベースからクラウド管理に移行

し、給与計算を自動化したことで、1か月

の事務負担が、7人月から3人月に減少し

た。


この情報化投資に180万円を要したが、

IT導入補助金を活用した。


●東京都の板金加工業者が、専門分野の異

なる同業他社2社との共同受注を行うこと

とし、その共同受注案件の進捗や引き合い

状況を3社がクラウドで共有するシステム

を構築し、また、顧客向けのポータルサイ

トも作成した。


その結果、年間で引き合いが30件あり、

共同受注した案件は15件となった。


宮城県(本社は神奈川県)の金属鋳造業

が、特に危険な大型部品の鋳造工程にロ

ボットを導入し、また、女性が使いやすい

電動式ハンドリフトを導入した結果、ロ

ボットの工程で生産性は2.3倍になり、

不良率は20%低下したほか、パートと派

遣の工員のうち、女性が過半数を占めるま

で増加させることができた。


なお、ロボット投資額約5,000万円の

うち、ものづくり補助金3,000万円の

補助を受けた。


以上が、主なもので、白書に載る事例です

から、お手本になるような事例になりがち

ではあるものの、中小企業においても、積

極的に情報技術を活用することで、業況が

改善できるということが分かります。


ただ、中小企業庁が、なぜ、このような情

報技術の活用を強調したかということにつ

いては、業況改善はもちろん、人材不足へ

の対応、大手企業からの発注の際の高度な

要望への対応、製造業の海外移転への対抗

策といった、現在の日本の中小企業の課題

の解決策として有効であるという側面があ

ると思います。


その一方で、私が、業況改善のお手伝いを

する際は、簡単な情報技術の導入も提案し

ていますが、実態として、従来のやり方を

変えたくないという抵抗が、経営者や従業

員の方の中にあるということも、少なから

ず感じています。


第4次産業革命が起きているといわれてい

る現在のビジネスにおいては、中小企業も

情報化武装は避けられないということが、

今回の中小企業白書を読んで感じました。


なお、小職は、情報技術の導入や、それを

前提とした経営戦略の策定、情報技術の導

入のための補助金の申請、融資の申請など

に関するご支援も行っていますので、情報

技術導入にご関心のある方は、ぜひご相談

いただきたいと思います。

 

 

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