鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

情報化武装の壁

前回の記事で、中小企業が現在の経営環境

に応じるためには情報化武装が欠かせない

と書きました。


(ご参考→ https://goo.gl/hLmmoe


しかし、これまで私が中小企業の事業の改

善のお手伝いをする中で、情報化武装がな

かなか進展しない要因が、主に3つあると

感じています。


ひとつめはお金の面です。


中小企業であっても、情報化武装のための

システム導入をシステム開発会社に依頼す

ると、数百万円の投資が必要になります。


これは、別の表現をすると、システム開発

会社にとっては、おおよそ500万円以下

の案件については採算が合わないと考え、

それ以上の価格の製品しか作らないのが実

態であると私は感じています。


これについては議論の余地が残ると思いま

すが、私は、投資額が低くても中小企業が

情報化武装ができるようにすることによっ

て、将来、数千万円の投資をする会社がた

くさん現れるようにすることが、システム

開発会社にとってもメリットがあると思っ

ていますが、現時点では、そうはなってお

らず、中小企業が情報化武装をするときの

ひとつの壁となっています。


ふたつめは、情報化武装を前提とした経営

戦略の立案をする人材が少ないということ

です。


この役割を誰が担うべきかということにつ

いては、中小企業側でもなく、システム開

発会社でもなく、中立のコンサルタント

望ましいと私は思っています。


(なお、私を含め、約6,000人の資格

保有者がいるITコーディネータは、その

ような役割を担うコンサルタントなのです

が、相対的には人数がまだまだ不足してい

るようです)


(ご参考→ https://goo.gl/hgrTjT


しかし、現実的には、情報技術に詳しい立

場にあるのは、システム開発株式会社なの

で、システム開発会社がそのような役割を

担うことが、次善の策だと思います。


ところが、システム開発会社も人手不足で

ある上に、経営戦略立案までを担うことが

できる人材を育成する余裕がある会社は少

ないようです。


(ちなみに、ITコーディネータの資格

は、多くのシステム開発会社の従業員の方

も取得していますが、割合としては少数の

ようです)


もし、経営戦略ありきで情報化武装ができ

る仕組みをシステム開発会社が提供できる

ようにすれば、システムの需要はもっと増

えると思うのですが、現状はそこまでは及

んでいないようです。


3つめは情報技術リテラシーの問題です。


すなわち、情報技術を使いこなせる能力が

日本の中小企業ではまだまだ改善の余地が

多い上に、それを改善する仕組みが少ない

ようです。


しかし、これも、前述の経営戦略立案の能

力と同様に、それを伸ばすための専門家が

少ないようです。


ちなみに、私が事業改善をする場合、必然

的に情報技術を取り入れざるを得ないの

で、情報化武装を前提とした経営戦略の立

案や、会社従業員の方の情報技術リテラ

シーの向上のお手伝いをしています。


手前みそ的になりますが、私のような情報

技術によって事業を改善させるコンサルタ

ントがたくさん現れると、中小企業の業況

は改善するし、システム開発会社も繁盛す

ると思うのですが、人材育成の壁が大き

く、足踏みの状態となっていることを残念

に思っています。

 

 

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