鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

意志がなければ改善もない

これまで何度か述べてきましたが、中小企

業経営者の方たちが、現在の経営環境は厳

しいというお話をしていることに対して、

私は、確かに経営環境は厳しいけれども、

打ち手は尽きていないと感じています。


では、残された打ち手は何かというと、何

を売るかではなく、どうやって売るかとい

う観点で事業を改善することです。


かつては、何を売るかが事業の成否の要因

でしたが、いまは、同じ商品を売っている

会社同士でも業績が異なる時代であり、売

るものではなく、どうやって売るかが事業

の成否の要因になってきています。


そこで、売り方で競争力を高めようとする

には、それなりの従業員のスキルが求めら

れるため、従業員を育成する能力も競争力

を高める要因となります。


そして、これらの売れる仕組みづくりや、

従業員の育成は、中小企業では経営者の方

が中心になって取り組む課題となります。


したがって、経営者の方の仕組みづくりの

能力や人材育成の能力が、競争力の差とい

うことになります。


そこで、私が事業改善のご支援の依頼を受

けた場合、その会社に対しては、経営者の

方に中心になってもらって、まず、仕組み

を改善していくことから始めてもらいま

す。


当然、この仕組みを変えることになると、

仕事のやり方が変わります。


もちろん、いきなり難しいことをしてもら

うことは避けますが、それでも、やり方を

変えることは、口で言うほど容易ではあり

ません。


この行動を変えることは、理性だけではな

かなか変えることが難しく、頭ではわかっ

ていても、慣れていないことや、未体験の

ことは感情的にやりたくないと考えてしま

うので、それを乗り切るには、強い意志を

もって臨むしかありません。


そこで、私も、そのような経営者の方の意

志を高めたり維持したりするためのご支援

は惜しまないと考えているのですが、顧問

先の方には基本的には1か月に1度会うこ

とが原則となっており、この頻度では、限

界があります。


したがって、最終的には、経営者の方自身

の意志がどれくらい強いのかということに

かかってくるということになります。


ただ、私は、ここで「百尺竿頭(ひゃく

しゃくかんとう)に一歩を進む」という言

葉を思い出します。


これも有名な禅宗の言葉ですが、百尺の竿

(さお)の頂点まで登ったとしても、その

位置に安住することなく、さらに高い地位

を目指しなさいと説いているものです。


私はこれまで多くの中小企業経営者の方と

お会いしていますが、むしろ、業績のよい

会社の経営者の方ほど、危機感を感じてお

り、まさに「百尺竿頭に一歩を進む」を実

践しているように感じます。


直接的な因果関係は示すことができません

が、事業をよくしようという強い意志があ

れば、業績もよい会社になっているという

高い相関があると私は考えています。


これを言い換えれば、経営者の意志が強け

れば業績もよくなるということです。


稲盛和夫さんも、経営12か条で、「潜在

意識に透徹するほどの強く持続した願望を

持つ」ことを説いておられますが、これも

同様のことを示唆しておられるのではない

かと思います。


今回の記事の結論は、経営者の方の強い意

志がなければ、どんな改善策を実施しても

効果はないのではないかということです。

 

 

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