鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

時は金なり

今回は、あまりにも有名なことわざである

「時は金なり」について、会計的観点から

見てみたいと思います。


時は金なりの、もともとの意味は、時間は

お金と同様に大切という意味ですが、会計

的には、時間はお金、すなわち、利益にな

ると私は考えています。


その例として、以前、説明した、キャッ

シュ・コンバージョン・サイクル

https://goo.gl/F6T7Fx )があげられ

ます。


この記事では、資金効率(なるべく少ない

資金で事業を維持しようとすること)を主

な論点として書きましたが、キャッシュ・

コンバージョン・サイクルを高めるもうひ

とつの狙いは、短期間にたくさんの利益を

得ようとすることでもあります。


なぜなら、引き合いを受けてから納品する

までの期間が短ければ、それだけ利益を早

く得ることができ、年間、もしくは、月間

など、一定の期間でのの獲得利益も多くな

ります。


このことは、あえてややこしい説明をする

までもなく、多くの経営者の方はすでに理

解されていることと思います。


このように、同じ商品を売るなら、より早

く納品する仕組みを作った会社が優位に立

つわけですが、一方で、中小企業ではこの

観点で事業改善をしようとする会社は少な

いと感じています。


この、納品を早くする仕組みは、多くの場

合、情報技術を取り入れることが中心にな

ります。


中小企業では、情報技術の導入は、やや負

担が大きくなる場合がありますが、それで

も、最近は少額の投資でも導入が可能にな

りつつあります。


また、情報技術の導入以外にも改善する方

法があります。


例えば、大手牛丼チェーン店では、最適な

厨房のレイアウトを研究し、動きに無駄の

ない調理ができるようにして、注文から配

膳までの時間を最短にすることで、顧客の

回転率が高めています。


さらに、あるレストランチェーンでは、厨

房のオペレーションを1人でこなすことが

できるように改善したそうです。


すなわち、調理時間を速くすることができ

なくても、従来は2人以上で行っていたこ

とが1人でできるようになれば、コストの

面からは、調理時間を半分にした時と同じ

メリットが得られるようになります。


中小企業でも、このような改善は、小集団

活動によってある程度は実現できると私は

考えています。


また、あえて、急ぎの需要に応えるという

事業もあります。


例えば、19時以降の注文であっても、当

日中にオーダーメイドケーキをつくって販

売している専門店もあります。


(ご参考→ http://otodocake.com/


これは、いわゆるランチェスター第一法則

による局地戦で、規模の小さい会社ほど有

利な戦法です。


このケーキ店のように、商品そのものでは

ライバルとの差をつけることが難しいくて

も、時間を切り口にして差別化をすること

で、中小企業であっても高い競争力をつけ

ることが可能になるかもしれません。


今回の記事の結論は、時間を利益にすると

いう観点から事業を改善することも可能で

あるということです。

 

 

 

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