鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

矛盾する製品こそビジネスチャンスがある

最初に、私の長男と長女のできごとについ

て書きたいと思います。


長男と長女は、ふたりとも大学生で、自宅

から通学しています。


先日、すでに長男は帰宅していたのです

が、長女が最寄駅に午後6時に到着する電

車に乗るので、迎えに来て欲しいとの連絡

がありました。


そこで、長男を連れて駅に向かい、長女を

駅で自動車に乗せ、そのまま近所の回転寿

司店に行って夕食をとることにしました。


ただ、回転寿司店はいつも混んでいること

から、でかける前に、インターネットで、

6時15分入店で予約をしました。


そして、駅に到着して長女を自動車に乗せ

たのですが、長女が、予約した回転寿司店

には、気の合わない元同級生のアルバイト

先なので、別の店に行きたいと言い出しま

した。


それをきいた長男はむっとしたのですが、

長女の意見を曲げない性格を知っていたの

で、当初、予約した回転寿司店の予約を取

り消して、しぶしぶ、別の回転寿司店に向

かいました。


そして、目的の寿司店に到着し、席の受付

をしたところ、10組待ちで、待ち時間は

約25分という状態だったので、気の短い

長男は、「最初から予約した店に行けばよ

かったのに」と、長女とけんかを始めてし

まいました。


結果として、10分程待ったところで席に

案内されたので、長男の機嫌は直ったので

すが、長男はとにかく用件を早く済ませた

いと考え、長女はたとえ時間がかかること

になっても、嫌なことは避けたいと考える

という、兄弟で真逆の考えを持つところを

見ることになりました。


ところで、ビジネスパーソンの観点からは

時間がかかることは避けるという男性的な

考え方をすることが多いと思いますが、実

は、最近は、女性の目線で商品開発が行わ

れていることも目にするようになってきて

いると感じています。


そのひとつは、カフェインの入っていない

紅茶です。


紅茶はのみたいけれど、カフェインが入っ

ていると眠れなくなるので、夜は飲まない

ようにしているという女性向けに、カフェ

インレス紅茶が開発されたそうです。


また、カフェインレス紅茶は、妊娠してい

たり授乳中の女性でも安心して飲めるとい

うことで支持を受けているようです。


また、ペットボトルもつぶしやすいものに

するという工夫も行われているようです。


いろはす」のペットボトルは、従来の製

品のボトルの20gから12gに軽量化し

た上に、つぶしやすいことが女性に支持さ

れているようです。


また、最近の、アルコール度数の低い缶酎

ハイやカクテルも、お酒は飲みたいけれど

アルコールにあまり強くないという女性に

支持されているようです。


実は、私は、前述の商品について、「紅茶

はカフェインが入っていなければおいしく

ないのでは?」、「ペットボトルって踏み

つければつぶせるのでは?」、「アルコー

ルの度数が低ければ、あまりお酒を飲む意

味がないのでは?」と思っていました。


(ちなみに、最近は、手っ取り早く酔いた

いという男性向けに、アルコール度数が9

度の缶酎ハイも多く製造されているそうで

す)


確かに、好みの違いということもあるので

すが、カフェインのない紅茶、こわれやす

いペットボトル、アルコール度数の低い缶

酎ハイというのは、商品の魅力が低くなる

要因だと私は考えていました。


でも、それが女性的な観点からは、魅力が

高まる要因だったわけです。


最近は、よく、「女性の観点をビジネスに

採り入れよう」と言われており、私もそれ

に賛成していたつもりだったのですが、自

分の凝り固まった考え方が、自分の頭の中

に女性の観点を採り入れる余地をまったく

作っていなかったと感じました。


男性の観点では、合理性を目指しがちです

が、あまり酔わないお酒、壊し易い容器な

ど、一見矛盾するような製品を造るところ

に、実はビジネスチャンスがあるというこ

とを、長男と長女のけんかを見て思い出し

たました。

 

 

 

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