鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

疑似理念

本日配信した、私が制作しているポッド

キャスト番組( https://goo.gl/46CQoZ )

で、ゲストとしてお越しいただいている税

理士の金成先生から、疑似理念について教

えていただきました。


会社では、明文化されている経営理念の有

無にかかわらず、従業員の方は、経営者の

口から出てくる言葉や、経営者の実際の行

動などを見聞きして、それらからその会社

の理念を、疑似的に設定してしまうそうで

す。


例えば、経営理念には「社会に役立つ存在

になる」と書かれていながら、経営者の方

が、手段は問題とせずに利益を得たという

結果だけで従業員を評価していたら、経営

理念を無視して向こう傷を恐れない行動を

する従業員が増えてしまうでしょう。


これは、特に説明しなくても理解していた

だけることと思いますが、従業員の方から

見れば、なるべく経営者の意図に沿うよう

に行動すれば評価されると考えるので、自

ずと経営者の意図だけを汲むようになるの

は当然でしょう。


したがって、明文化された経営理念と、経

営者の方の言行が一致していないと、経営

理念を作成したことが無意味になってしま

います。


これについては、私も事業改善のお手伝い

をしている会社で経験があり、会社をよく

するために経営理念を経営者が中心となっ

て定めたにもかかわらず、経営者が従来と

行動を変えずにいたために、結果として、

経営理念は画餅となってしまいました。


リーダーは自らが決めたことは率先垂範す

べきだということは、多くの方が理解して

いると思いますが、それでは、なぜ率先垂

範しない経営者の方が現れてしまうので

しょうか?


その原因のひとつは、以前の記事でも触れ

たことがありますが、経営者の役割を担う

ことは、見聞きするのと、実際にやってみ

るのでは、大きく異なるということがある

と思います。


(ご参考→ https://goo.gl/R1vxG1


もうひとつは、経営者の方の意志があまり

強くないことが原因だと思います。


とはいえ、経営者の役割を務めることその

ものが、一般の方から見れば難易度の高い

ことなので、経営者の方が抱いた意思を遂

行するための意志の強さは、相当の強さが

求められるものでもあると思います。


ですから、経営者に就いた方は、その役割

を遂行するためには、それなりの覚悟が必

要ということに尽きます。


と、ここまで書いてきたことは、経営者の

方は有言実行が求められるということなの

ですが、単に、道徳的に有言実行でなけれ

ばならないということよりも、会社を自ら

が意図するようなものとするためには、経

営者の方の行動を変えることが前提になる

ということです。


このことは、広く理解されているようで、

前述の通り、行動がともなわない経営者も

少なくないということから考えると、表面

的にしか理解されていない場合も多いので

はないかというのが、今回の記事で私がお

伝えしたいと思ったことです。


このように述べている私自身も発展途上の

身であり、「こんなはずではなかった」と

思うことを何度も感じたことがあったり、

自分では気づいていないうちに言行が一致

していなかったこともあったりしました。


したがって、慢心せずに、常に自らを戒め

なければならないと思っています。


また、このような方は極めて少数ですが、

経営理念は従業員の方だけが従えばよいの

であって、自らの言行は経営理念の範囲の

外にあると考えている経営者の方に会うこ

ともあります。


100年以上前のリーダーシップには、そ

のようなタイプのものがあったのかもしれ

ませんが、21世紀には通用しない考え方

だと思います。

 

 

 

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