鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

KnowHowとKnowWhy

高知市にあるトヨタ系ディーラーのネッツ

南国について研究した、田中研之輔さんと

山崎正枝さんのご著書「走らないトヨタ

( https://amzn.to/2lFbiuI )を拝読しま

した。


ネッツ南国は、業績が好調で全国的に有名

カーディーラーで、私もかねてから注目

していました。


ちなみに、全国のトヨタ売店の販売台数

は、平成14年は168万台、平成24年

は165万台と、横這いであるのに対し、

ネッツ南国では、平成14年は799台か

ら平成24年には1,552台と、2倍近

くに増加させています。


実は、田中さんの山崎さんのご著書は、専

門家向けの内容で、初学者の方には難解な

部分もあるのですが、同社の業績が好調な

理由をひとことでいうと、従業員満足

(ES)と顧客満足度(CS)の好循環を

まわしているからです。


ESとCSの好循環つくることは、難易度

の高い戦略ですが、同社創業者の横田さん

(同社前社長、現相談役)が愚直にそれを

実践してきたということに尽きます。


そこで、ご参考に、同書に書かれていた横

田さんの考え方をひとつご紹介したいと思

います。


それは、KnowHowとKnowWhy

です。


これは、もともとは、鎌田勝さんという経

コンサルタントの方の言葉だということ

です。


すなわち、かつて、日本は外国を模倣して

産業を拡大してきたが、そのときは、Kn

owHow(手段・方法・手法)を学べば

よかった。


しかし、現在は、自ら創造することが重要

な時代であり、そのためには、KnowH

owを作り出すための、意義・目的・本質

を掘り下げる能力である、KnowWhy

を身に付ける必要があるということです。


横田さんは、KnowHowを問題対処能

力、KnowWhyを問題解決能力とも言

い換えています。


そして、問題対処とは、売上や利益など、

短期的で定量的な課題を改善することだ

が、それだけでは部分最適を目指すことに

なるので、従業員の幸福といった定性的な

課題を解決する能力を持った人材を育成す

ることが必要だと考えているようです。


それでは、どうすればKnowWhyを身

に付けた人材を育成することができるかと

いうことが気になるところですが、実は、

それは、いままでの記事で私が述べてきた

ように、一朝一夕では実現できない長期的

な施策であり、ご関心のある方は、田中さ

んのご著書をお読みいただきたいと思いま

す。


今回の記事の結論は、業績を高めるために

は、どうすれば顧客を満足させることがで

きるのか、どうすれば従業員を満足させる

ことができるのかといった、より本質的な

課題を解決できる人材を育成することが必

要になり、その人材を育成するための能力

が経営者に問われているということです。

 

 

 

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