鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

51対49

6月28日のことですが、サッカーワール

ドカップのグループステージで、日本チー

ムがポーランド戦の終盤に、積極的に攻撃

をせず、パス回して時間稼ぎをしたことが

話題となりました。


このことは、私がどうこう述べる資格はな

いのですが、会社経営にも似たような場面

があると思ったので、ちょっと触れたいと

思います。


日本は無事決勝に進出することになりまし

たが、とはいえ、ポーランド戦の終盤に、

積極的な攻撃をしなかったことを試合後に

どう評価しても、それは、ある意味結果論

と言えるでしょう。


日本が決勝に進む条件について詳しくは述

べませんが、仮に、ポーランド戦と同時刻

に開かれていた、セネガル対コロンビア戦

で、1点差をつけられていたセネガルが同

点に追いついてしまっていれば、日本は決

勝に進むことはできませんでした。


とはいえ、日本が最期まで積極的に攻撃を

して、点をとれないまま2回反則をしてし

まうと、セネガルとフェアプレーポイント

が並んでしまうことになり、これも決勝進

出が危ぶまれることになります。


このように考えると、日本が終盤にパス回

しをしたことが必ずしも正解ではなかった

し、果敢に攻撃することも必ずしも正解で

はなかったわけですが、それでは、日本は

どうすればよかったのでしょうか?


実は、中小企業経営者でも、このような岐

路に立つことは少なくないと思います。


右に進むことが正解となる確率が90%

で、左に進むことが正解となる確率が10

%というときは、あまり悩むことはないと

思いますが、中には、右に進むことが正解

となる確率が51%で、左に進むことが正

解となる確率が49%というようなときで

も、決断をしなければならないときもある

と思います。


また、他の役職員の70%が右に進んで欲

しいと望んでいることが分かっているにも

かかわらず、あえて、険しい道となること

がわかっている、左に進むという決断をす

ることもあるでしょう。


そして、サッカー日本代表西野監督も、

ポーランド戦の時は、どちらが正しいか悩

んだ末に、苦しい選択をしたのだと私は考

えています。


そして、その選択の結果は正しかったかど

うかを、後になっていくら議論しても、前

述の通り、結果論でしかありません。


そこで、前述の「日本はどうすればよかっ

たのか」という問いに対する答えは、決断

をすることだと私は考えています。


なぜ、決断することが正解なのかという理

由はすべてを書くことはできませんが、そ

の理由のひとつは、非論理的ですが、リー

ダーが決断をすると組織がまとまるからだ

と私は考えています。


一方、私は、決断をしない経営者の経営す

る会社は、業績も悪いと思っています。


このような会社では、何かトラブルが起き

ても、ことが収まるまでやり過ごすという

ことが行われ、組織としては何も進歩しな

いし、経営者もその役割をまったく発揮し

ていないことになります。


ちなみに、もっと極端な例では、以前でも

述べましたが、崖っぷちに立たされた会社

の経営者が決断どころか現実逃避してしま

うこともあります。


(ご参考→ https://goo.gl/2JKcxY


今回の記事の結論は、中小企業経営者を含

めたリーダーは、難しい判断を迫られるこ

とがありますが、結果はともかく、判断を

することは避けられないということです。


ちなみに、決断をして危機を乗り越えるこ

とができることがベストですが、決断せず

に危機を乗り越えた場合と、決断して失敗

した場合では、私は、決断して失敗した会

社の経営者を称えるべきだと思います。


その危機においてはたまたま失敗したもの

の、長い目で見れば、決断しない経営者の

方が失敗する回数は多いと私は思っていま

す。

 

 

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